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【UFC ESPN52】ビリー・ゴフ戦前の木下憂朔 with佐藤天─02─「どれだけ成長したのかを見てほしい」

【写真】取材時はセントーサ島でなく、シンガポール島に滞在。月曜日にファイターズホテルに移動した (C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(土・現地時間)、シンガポールのインドアスタジアムで開催されるUFC225で、ビリー・ゴフと対戦する木下憂朔インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

ここでは木下とともにシンガポール入りしていたキルクリフFCのチームメイト、佐藤天にも木下のフロリダでの様子や成長ぶりを訊く。特にレスリング力が上がったという木下にとって、レスリング&パンチやヒジの一撃を持つゴフとは共通点もある。そんなゴフを相手に、木下はUFC本戦の初勝利となるか。

<木下憂朔インタビューPart.01はコチラから>


――佐藤選手も一緒にシンガポール入りしていたのですね!

佐藤 お疲れ様です。佐藤です!

――佐藤選手から、木下選手がフロリダでどのように過ごしているか教えていただけますでしょうか。

佐藤 今は木下君と一緒の家に住んでいるんですよ。毎日同じ生活をしていますね。朝に練習して昼は休憩、夜にまた練習して――寝て、朝から練習という。週末もほぼ何処にも行かずに休んで。ここまで試合に向けて、集中して過ごせていたと思います。

彼は英語が話せなくても、コミュニケーション能力が高いんです。それが大阪出身ならではなのか(笑)。何でも自分から訊きに行って、英語が分からなくても身振り手振りでコミュニケーションを取っていますからね。あと一番大事なのは、一度訊いたら自分自身で考えて繰り返し練習しているので、すごく飲み込みが早いです。

――佐藤選手から見て、この半年間の成長ぶりは目を見張るものがありますか。

佐藤 そうですね。初めて来たときにはレスリングについて知らない部分が多すぎて、せっかく良い体躯を持っているのに対処できなかったりとか。あるいは、もう少しで出来ることでも自信がなくて出せなかったり……。チームメイトのアドバイスをもらいながら練習してきて、今は本人も自信がついてきたのだと思います。特にレスリングの面は急成長してきました。自分は今、負傷があって練習できずに見ていることが多いのですが、見ている分その成長具合が分かります。

――「畏れ多いです……」という表情で聞いていた木下選手から、今の佐藤選手のお話についてどう思うか聞かせてください。

「アハハハ、そんなことないですよ。もう佐藤さんの仰る通りです(笑)」

佐藤 これは本当に――もう全然違いますよ。今はトップ選手と練習していても、やられることはない。自分が苦手なことから目を背けずに練習してきて、メチャクチャ良くなっていると思います。

――一方で渡米してから体重が過去最高を記録したそうですが、通常体重を増やしているのですか。

「いえ、単に太っただけです。一度、日本に帰国したんですよ。そうしたら日本のメシが美味すぎたから、ただ食いすぎただけで(笑)」

佐藤 アハハハ! フロリダに戻ってきて、周りから『デブ! デブ!』とイジられていましたよ。

「マックスの体重が過去最高だっただけで、すぐに落としました!」

――海外から日本へ帰ってきた時、まず空港のお店が異常に美味しく感じますよね。

「だから空港でフライングしちゃうんですよ(笑)」

――なるほど。日本食の話はこれぐらいにして、そもそも木下選手の体躯であれば、ウェルター級で戦うために体を大きくしていく必要はなさそうです。

「そうですね。同じ階級ならフィジカルで負けることはないです。僕の場合は力で負けるというより、技術が無さすぎて練習でもクシャッとされる感じでした」

――では次の試合についてですが、対戦相手のビリー・ゴフは木下選手と同様に昨年のDWCSから本戦に上がってきました。当時はチェックしていましたか。

「あの時はチェックしていなかったです。タフでアグレッシブな選手ですよね。最近は毎試合、逆転勝ちのような内容で。最初は相手のほうが攻めていても、最後はゴフの圧にやられてしまうのか……。パンチを食らっても前に出て来るから、相手のほうが『アレッ?』となってしまうんかなって思います」

――ゴフが自分のペースに引き寄せるのは、テイクダウンに行くなど得意のレスリングで攻め始めてからです。それは先ほどから話に挙がっている、木下選手のレスリング力の向上もポイントになると思われます。

「まず相手のほうはパンチが効いていると思って、前のめりになっているところに組まれるから疲れていると思うんですよ。その果てにエルボーで仕留めるっていう」

――ゴフのようなタイプを相手にした時は、待つべきなのか。それとも最初から自分が攻めていくべきなのか……。

「自分は最初から行きます。僕もゴフと同じようなタイプで、どんどん自分から前に行ったほうが良いと思うんです。あそこで引いてしまうと、これまでゴフに負けた選手と同じような感じになっちゃいますよね。かといって僕も、ヒューギット戦のように前のめりになりすぎるのではなく、戦いつつ相手のことをしっかり見ることができれば――。今回の試合で、僕が半年前からどれだけ成長したのかを見てほしいですね。それがよく分かる相手だと思います」

――半年前の木下選手とは何が一番違うでしょうか。

「レスリング面も向上しましたが、まずはメンタル面ですね。落ち着いて戦うこと。それをテーマに練習してきました」

――昨年4月にパンクラスで村山暁洋選手を跳びヒザでKOしています。あの跳びヒザは、落ち着いて相手のことが見えていないと難しいフィニッシュだと思います。

「あの時は、しっかり相手の頭が動くのを確認してから跳びました。今までの試合も同じですね。全て『相手はこう動くから、これが当たるな』と自分で分かって出した攻撃でKOしてきました」

佐藤 今回は木下君が、気持ちがブレずに戦うことができれば、勝てると思いますよ。

――佐藤選手もインタビューに協力していただき、ありがとうございました。最後に木下選手から、次の試合への意気込みをお願いします。

「意気込み……。最後の意気込みって苦手なんですよね」

――なぜ苦手なのですか。

「なんかオモロイこと言わなアカンっていう気になっちゃうんですよ。ここで『頑張ります!』と言っても『そらそやろ、誰でも頑張るわ』とか思います」

――コミュニケーション能力が高くても、何でもウケを狙おうとするのは悪い癖です(笑)。

「アハハハ!前回の試合はポカして、『やっぱりウェルター級で日本人は勝てないのか……』と思われてしまったかもしれないです。そんな想いをひっくり返せるように、思いっきりフィニッシュしてきます!」

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後6時~UFC FIGHT PASS
午後5時30分~U-NEXT

■ UFC ESPN52対戦カード

<フェザー級/5分5R>
マックス・ホロウェイ(米国)
ジョン・チャンソン(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス(米国)
ライアン・スパーン(米国)

<フェザー級/5分3R>
ギガ・チガゼ(ジョージア)
アレックス・カサレス(米国)

<バンタム級/5分3R>
中村倫也(日本)
ファーニー・ガルシア(メキシコ)

<女子フライ級/5分3R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
タイラ・サントス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・タファ(豪州)
パーカー・ポーター(米国)

<ヘビー級/5分3R>
ワルド・コルテスアコスタ(ドミニカ)
ウーカシュ・プジェスキ(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
風間敏臣(日本)
ギャレット・アームフィールド(米国)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン(中国)
ロランド・ベドヤ(ペルー)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔(日本)
ビリー・ゴフ(米国)

<女子フライ級/5分3R>
リャン・ナ(中国)
JJ・オルドリッチ(米国)

<フェザー級/5分3R>
チェ・スンウ(韓国)
ヤルノ・エレンズ(オランダ)

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