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【DWCS S07 Ep01】2023年コンテンダーシリーズ開幕。ペルーのボルハスがTDのジアスに殴り勝つ

【写真】苦しい展開を前進力で突破したボルハス。この姿勢はUFCが最も求めるところだろう(C)Zuffa/UFC

<フライ級/5分3R>
ケヴィン・ボルハス(ペルー)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ヴィクトル・ジアス(ブラジル)

インカFCフライ級王者ボルハス、ATT所属のジアスはTitan FCのフライ級チャンピオンだ。右カーフを続けて蹴るジアスに対し、ボルハスが右ストレートや左ボディフックを決める。さらに右フックを入れたボルハスが右ロー、ジアスは右オーバーハンドを空振りする。

ジアスのダブルレッグにアッパーを合わせようとしたボルハスだが、尻餅をつかされウィザーでバックを取られないよう耐えつつ、立ち上がる機会を伺う。ジアスはボディロック&手を払いつつ、左のパンチを打っていく。背中を取らせず立ち上がろうとトライするボルハスは逆に小手をきかせて投げるように上へ。

すぐにジアスが立ち上がり、ケージに押し込むもバックに回ることはできなかった。残り80秒、ケージに押し込んでヒザ蹴りからボディロックテイクダウンを決めたジアスが、右足を抜いてハーフで抑える。さらに残った左ヒザを抜いてマウントを狙う。足を抜かれた瞬間に背中を向いたボルハスは、バックマウント&マウントでパンチを被弾し初回を落とした。

2R、ジャブを伸ばし右ストレートのボルハスに対し、ジアスは右カーフを蹴る。ワンツーフックのジアスは左ジャブ、リードフックから右を被弾する。さらに下がりながら左を当て、ジャブから右を入れるボルハスだったが、ジアスが組んでボディロックへ。

ウィザーのボルハスは引き込んで上を狙ったジアスのトライを、小手をきかせて潰す。ウィザーを続けるボルハスだが、ジアスはハーフ&右腕を押し込んでリバーサルに成功する。

ボルハスはウィザーにこだわりすぎ、次の手を打てなかった。結果、尻餅状態でケージに押し込まれた時間が続く。と、逆に右を差し上げた上を取ったボルハスが立ち上がってボクシング勝負へ。ジアスも契約に向けて、コントロールでなく打撃戦に呼応する。が、そこは完全にボルハスの庭で劣勢になったジアスが組み付くも、切ったボルハスが顔面、腹と殴り、最後は縦回転の浴びせ蹴りまで繰り出した。

最終回、開始直後に右ストレートをボルハスが決める。カーフにもジャブ、右オーバーハンドをヒットさせたボルハスが組みを捌いてフットワークを駆使しつつ、左ボディショットからヒザを狙う。それでもジアスは1分10秒を経過した時に、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。とはいえ、ここはコンテンダーシリーズ――ここで必要なのはフィニッシュに通じる攻撃だ。

ボルハスも逆転に向け、スクランブルに持ち込む必要がある。小手をきかせて立ち上がったボルハスはケージに押し込まれた状態が続き、残り2分10秒でボディロックテイクダウンを許す。最後の100秒を切るときにレフェリーがブレイクを命じて、試合をスタンドに戻す。ここでジアスに必要なのはテイクダウンでなく、KOを狙う姿勢だがボディを殴られて組みに行ってしまう。

倒されたボルハスは、足を抜いて立ち上がると左ボディを2発入れ、アッパーから左、右のフックを続ける。ボディを何度も打ち抜き、パンチを振るい続けたボルハスを見て、ダナ・ホワイトは立ち上がって拍手を送った。

結果――ジャッジは3者揃ってボルハスを支持する。これはユニファイドでなく、コンテンダーシリーズの性格がスコアリングに反映されているか。倒されても立って殴り続けたボルハスが、判定勝ちに。「父、母、マスターなしにここにいることはできなかった。この勝利はマスターに捧げたい。ペルーを代表して戦うことは光栄だし、どれだけテイクダウンされても立ち上がって戦い続けた」と勝者はインタビューで話した。


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