【Finish10】寝技を知る者が、守りを選ぶとこうなる。16歳=紫帯になった大嶋聡承、小野隆史越えならず
【写真】攻防を遮断するのも試合。トップを取ってからの攻めを充実させるのは、これからだ(C)MMAPLANET
<73キロ契約/5分2R>
小野隆史(日本)
Draw.
大嶋聡承(日本)
16歳になったばかりの大嶋は、緑帯から飛び級で紫帯として初戦を迎えた。序盤の立ちレスのなかで小野のシングルレッグで下になるも、寝技の展開とはならずすぐに立ちに戻る。
再びシングルを取られ、ガードを取った大嶋だが足を絡まれないよう小野は距離を取る。座ったままスタンドの小野と手を合わせる大嶋は、足を抱えて体を振り上げ小野の右足を取って両足を絡ませる。
小野は足を畳んで四の字に組んでカカトを取らせない。自らも大嶋の左足をワキで抱えにいくが、足を取られないことを念頭に戦う。内ヒールをロールして逃れ、手首を両手で掴んで解除し初回が終わった。
2Rになると引き込んだ大嶋の足狙いに、小野も自ら50/50を取りトーホールドを仕掛ける。ここで足をリリースした大嶋は素早く体を起こしてトップを選択、サイドで抑える。
上四方に回った大嶋に対し、足を戻した小野はレッグロックのエントリーには足を抜き、ここからは正座、あるいは立って距離を取るようになる。
大嶋は幾度となくキャンバスに背中をつけて大の字になっても、小野は誘いに乗ることはない。足首を掴んで正座、バタフライガードで近づかれると腰を引いて、付き合わない寝技をしっかりと続ける。
最後は離れた小野に向かって、大嶋が起き上りヒザ立ちでダブルを仕掛け、アンクルピックに。上を取ると同時に時間となり、痛み分けに。知っている者同士、一方の守りが堅くなるサブオンリーあるあるといえる試合展開で──ある意味、大嶋はルール上封じこまれた形だった。