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【Gladiator020】久保健太とベテランストライカー対決、宮城友一─01─「僕の方が不思議なんですよ」

【写真】面白いのは宮城だけでなく、盟友・砂辺光久──出場経験無し──もグラジエイター愛があることだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

1月22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020で、宮城友一が久保健太と対戦する。
Text by Shjiro Kamaike

宮城にとってグラジエイター参戦は、2021年9月のNavE戦以来1年4カ月ぶり。その後はRIZIN沖縄大会と修斗に参戦するも、2022年は2連敗を経験している。それでも昨年11月には修斗沖縄大会でKO勝ちしてランキングもアップし、再びグラジエイターのケージに戻ってきた。その宮城に、修斗沖縄大会でのKO勝ちの要因とグラジエイターのケージに入る意味を尋ねた。


――今回のグラジエイターの試合に関するお話の前に、まずは修斗についてお聞かせください。昨年11月に鎌田悠介選手を下した結果、修斗世界フライ級4位から3位にランクアップしています。

「修斗のベルトを獲りたいという気持ちはすごく強いので、ランキングが1つでも上がるのは嬉しいです。今後は、今UFCに出ている(平良)達郎君が持っているベルトはどうなるのか、というところですよね。達郎君とは一緒に練習させてもらっているんですけど、ベルトがどうなるのかというお話はしたことがなくて(笑)」

――宮城選手は、グラジエイターで戦うことも大切にされている選手です。現在グラジエイターの試合と修斗の試合は、どのようなバランスで考えられているのでしょうか。

「個人的なことをいえば、MMAファイターとして一つでも評価を上げていきたいと思っています。たとえば、日本フライ級全体でランキングがあったとしたら、そのランキングを少しでも上げていきたい。それが今、僕が戦うモチベーションでもあります。

そのなかで、グラジエイターと櫻井(雄一郎)代表には本当に感謝しています。自分も戦績が振るわず『どこで試合をすれば良いのか……』と悩んでいる時に、櫻井代表が僕を拾ってくれました。だから今の僕があります。どこで戦うにせよ僕のことを『グラジエイターから出ている選手』と見てほしいです。それは修斗であっても、RIZINであっても」

――なるほど。修斗世界フライ級のベルトを狙うにあたり、ランキング1位の関口祐冬選手とストロー級王者の新井丈選手が対戦するかも……という流れは気になりますか。

「その前に清水清隆選手に勝った山内渉選手がランク2位に上がったので、関口選手と山内選手が対戦するのが自然な流れじゃないのかなとは思いますよね。もちろん新井選手はすごく強いし、僕も大好きなファイターですけど……どうなるんでしょうね(苦笑)。いずれにしてもランキング的にいえば、その流れの勝者と絡んでいきたいです」

――そのランクアップを決めた鎌田戦は、ヒザ蹴りによる鮮やかなKO勝ちでした。あれはご自身でも手応えのある内容と結果だったのではないでしょうか。

「ありがとうございます。自分としても鎌田選手が強い相手であることは分かっていたし、あの展開にならなければ僕がKO勝ちできず、逆の結果になったかもしれません。それだけに、ああいう勝ち方ができたことは嬉しいです。まぁ、たまたまKOできただけと思います」

――「ああいう展開にならなければ――」ということですが、やはり首相撲とケージレスリングで、フィニッシュに至る展開に持ち込んだわけですよね。

「そうですね。自分が一つ得意な部分を確認できた、というところは大きいです。初めてRIZINで試合をした時(※2021年11月のRIZIN沖縄大会)、同じ沖縄の安谷屋(智弘)君にヒザ蹴りでKO勝ちしました。そこで自分はヒザ蹴りが得意なんだと認識することができたんです。その安谷屋戦のイメージを持ったまま、先日の鎌田戦でもヒザ蹴りでKOできたことは喜んでいます。ただ、いつもヒザ蹴りでKOできるわけではない。それが首相撲やケージレスリングからヒザ蹴りに持っていけたことで、自分のやりたい形が定まってきたのかなと思っています」

――もう一つ、鎌田戦はヒザ蹴りでKOしたあとの所作が印象に残っています。もちろん倒した相手を煽ることはないし、かといって大喜びするわけでもない。試合が終わり、相手が立ち上がるのを正座して待つ姿を見て、宮城選手のルーツが極真空手にあることを思い出しました。

「実は、あれは反省があったんです」

――えっ、どういうことですか。

「今まではKO勝ちした直後に喜びを爆発させていました。それはそれで応援に来てくれた人たちも一緒に喜んでくれて、良い部分があります。でも、あとで『なんか嫌だなぁ』と思って」

――相手の気持ちになって考えてみると……ということでしょうか。

「やっぱり相手がいて試合ができるわけじゃないですか。僕としては、他の選手が同じように喜びを爆発させているところを見るのは嫌ではないです。自分がそうしているのを見るのが嫌で(苦笑)。だからセコンドについてくれた砂辺(光久)さんにも、『僕は良い勝ち方をしても、ケージの中で喜びを爆発させるのは止めます』と伝えました。アハハハ」

――なるほど(笑)。そんな修斗の試合を経て、1年4カ月ぶりにグラジエイターに出場することが決まりました。現在の宮城選手にとって、大阪開催のグラジエイターに出場することは、どのような意味や価値を持っているのでしょうか。

「先ほども言ったとおり、グラジエイターと櫻井代表には本当に感謝しています。グラジエイターは僕にとってホームです。櫻井代表に呼ばれたら、いつでも出たい。その気持ちはずっと持っています。去年も9月の大会でオファーを頂いたのですが、その時にはちょうど松根(良太)さんと修斗沖縄大会に出場するお話を決めていて……。そのために櫻井代表には、出場を延期させてほしいとお伝えしました」

――グラジエイターに参戦している選手に取材して驚くのは、そのグラジエイター愛の強さです。特に関西ではなく沖縄の宮城選手が、これだけグラジエイター愛が強い理由は何なのでしょうか。

「僕のほうが不思議なんですよ。『なぜ櫻井代表は僕のことを大切にしてくれているのだろうか』って……。それだけ大切にしてくれて、必要としてくれるからグラジエイターで試合をしたい。自然とそういう気持ちになります。『グラジエイターの役に立ちたい』、そういう気持ちにさせてくれる大会です」

<この項、続く

■視聴方法(予定)
1月22日(日)
午後2時20分~THE 1 TV YouTube

■ Gladiator020対戦カード

<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)

<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)

<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)

<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)

<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)

<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)

<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)

<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)

<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)

<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)

<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)

<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)

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