【Gladiator020】超新星ジェセフ・チェン戦、ベルト獲りへ。森戸新士─01─「足を壊しに来るはず」
【写真】プロ競技者としては、常に微妙なグラップラーや柔術家達。森戸にとって、ここは力の入った大一番になるはずだ(C)SHOJIRO KAMEIKE
22日(日)、大阪府豊中市の176Boxで開催されるGladiator020では、PROGRESS初代フォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座を、森戸新士とジョセフ・チェンが争う。
Text by Shojiro Kameike
昨年1月23月のGladiator013からスタートしたプログレス提供マッチ。MMAのためのグラップリング――フォークスタイル・グラップリングという新機軸のなか、その主役となったのは柔術家の森戸だった。そんなプログレスも、遂に王座を制定することに。
しかもアジア発要注目のB-teamグラップラー=ジョセフ・チェンを招聘してのタイトルマッチだ。今回の一戦に向けて、森戸は何を思うのか。プログラップラーとしての意気込み、そして対戦相手であるジョセフ・チェンとは何者かを訊いた。
――プログレス初のタイトルマッチを11日後に控えてのインタビューとなります(※取材は1月11日に行われた)。グラジエーターのプログレス提供マッチがスタートしてからちょうど1年が経ちます。スタート当初は外国人選手を相手にタイトルマッチが行われることは、想定していたでしょうか。
「強豪外国人選手との対戦になるかどうかはともかく、当初からタイトルマッチもやっていきたいと聞いていました。自分もプログレスに出始めてから、いずれタイトルに絡めるように勝ち続けていきたいと思っていました。それが1年経って実現するのは嬉しいです。ただ、ひとつ気になることがあって」
――気になること……何でしょうか。
「今回勝ったら、チャンピオンベルトはあるのでしょうか?」
――それは主催者に確認してください(笑)。
「アハハハ。やっぱりチャンピオンになったら、ベルトを巻いてみたいです。柔術の世界にはチャンピオンベルトがないので。グラップリングだと、高橋サブミッション(雄己)君がNAGAのアマチュアトーナメントで優勝してベルトを巻いています。でもプロでワンマッチを勝ち抜いて、MMAのようにチャンピオンベルトを巻けるのは画期的だと思いますから。今回勝って、ちゃんとベルトを巻きたいです。しかも初代王者として」
バトルハザードでは、GTFタッグ王座への挑戦者決定戦まで進んだんです。あの時は宇野薫さんと植松直哉さんがベルトを持っていて、挑戦権を懸けて僕と高橋サブミッション君がタッグと組み、岩本健汰&山中健太チームと対戦してドローでした。あのあとZSTが活動休止になってしまいましたし、クインテットも大会が行われなくなってしまいましたから。グラップラーからすると、何を目指してプロ興行に出るのか分からない感じもありました。
それが今回プログレスがタイトルを創ってくれたので、出る側も見る側も分かりやすいと思います。みんながチャンピオンを目指して頑張ることができます。しかも海外から、メチャクチャ強い選手を呼んでくれて」
――森戸選手が外国人選手と試合をするのは、いつ以来になるのでしょうか。
「ノーギだと2019年のADCC予選で、ラクラン・ジャイルスと対戦(77キロ級1回戦、ヒールフックで一本負け)して以来ですね。そのあとコロナ禍になりましたから……。コロナ禍になる前は、ギだとIBJJFのアジア選手権に、海外から強豪選手が来ていましたよね。アブダビ・グランドスラム柔術大会にも強豪が来て、僕もジェイク・マッケンジーやリーヴァイ・ジョーンズレアリーと対戦することができました。
日本で海外の強豪と試合をすることができていたんです。コロナ禍以降、その機会がなくなってしまい、日本から海外へ行くしかない。他の選手が海外の大会に出て実績を残している姿を見て、僕もずっとチャレンジしたいと思っていました。そのチャンスが日本国内で訪れたのは嬉しいです。海外の強豪に勝ってチャンピオンになるのは、やはり箔が違いますから気合も入ります」
――では、対戦相手となるジェフ・チェンの印象を聞かせていただけますか。実際に試合をする森戸選手にお聞きするのも恐縮ですが、ジョセフ・チェンに関して教えていただけると、読者の方も分かりやすいかと思います。
「ジョセフ・チェンはB-teamという、米国のトップ・グラップリング・チームで練習している選手です。B-teamは、米国のトップ選手が集まってグラップリングの練習しかしていないチームですよね。そのなかでも、ジョセフ・チェンが最有望株の選手だと言われています。まだ19歳か20歳ぐらいで、ここ最近伸びてきた選手なので、試合映像も少ないですよね。
タイプとしては、ヒールフックが禁止のIBJJFノーギルールでも、パン選手権のアダルト紫帯で優勝できるぐらい、オールラウンダーな選手といえます。足関節ばかりではなく、テイクダウンもバックテイクも狙い、パスも仕掛けるなど攻撃の幅が広い選手です。だから前回のADCCオセアニア&アジア予選も、グラップリングマニアの間ではジョセフ・チェンが優勝候補に挙げられていました。
結果は岩本選手が準決勝でジョセフ・チェンを下して優勝しましたが、それだけ注目されていた選手なんです。最近ではWNOで、いま流行りのZロックで勝っていましたし」
――それは若い頃からクレイグ・ジョーンズらと練習しているというアドバンテージもあるのでしょうか。
「それは大きいと思います。最先端の技術を、ずっと現場で学ぶことができる環境にありますから。自分も知らない技術をたくさん知っているでしょう。僕としても、その技術を味わえることにワクワクしています。相手は僕の足を壊しに来るはずです。今までの試合とは違うワクワク感というか、ゾクゾクしますよね」
<この項、続く>
■ Gladiator019対戦カード
<フライ級/5分2R>
坪内一将(日本)
陸虎(日本)
<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
秋田良隆(日本)
<ウェルター級/5分2R>
藤田大(日本)
スティーブン・ギレスピ(英国)
<Gladiatorフェザー級王座決定戦/5分3R>
中川皓貴(日本)
チョ・ソンビン(韓国)
<Gladiatorライト級選手権試合/5分3R>
[王者]キ・ウォンビン(韓国)
[挑戦者]グスタボ・ウーリッツァー(ブラジル)
<Progressフォークスタイルグラップリング・ウェルター級王座決定戦/5分3R>
森戸新士(日本)
ジョセフ・チェン(台湾)
<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
久保健太(日本)
<キック・ウェルター級/3分3R>
璃久(日本)
イゴール・シルバ(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
笹晋久(日本)
ジョン・オリニド(フィリピン)
<バンタム級/5分2R>
溝口司(日本)
ガッツ天斗(日本)
<ヘビー級/5分2R>
大場慎之助(日本)
チョン・ホチョル(韓国)
<Progressフォークスタイル・グラップリング79キロ契約/5分2R>
山田崇太郎(日本)
井上啓太(日本)
<Progressコンバット柔術バンタム級/5分2R>
竹本啓哉(日本)
江木伸成(日本)
<アマMMA女子アトム級/3分2R>
住村斉明里(日本)
MIYU(日本)