この星の格闘技を追いかける

【DEEP Osaka Impact2022#05】「いま出られる選手で、一番強い相手を」GP欠場 柴田MONKEY有哉─01─

【写真】 強い相手に勝つことが格闘家の自己証明だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(日)、大阪市福島区のコレガスタジオで開催される2022年のDEEP最終戦=DEEP Osaka Impact2022#05。まさに2022年のオオトリでケージに足を踏み入れる柴田MONKEY有哉が、杉山廣平と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

柴田は今年4月に地元の大阪で渋谷カズキを三角絞めで仕留めたが、試合中に右ヒジを負傷していた。そのためDEEPフライ級GPには参戦せず、手術を経て今回8カ月ぶりの復帰戦を迎えることに。インタビューで語ってくれた負傷を追いながらも戦った渋谷戦、そして杉山との復帰戦を選択したところに、ファイターとしての柴田MONKEY有哉が表れている。


――今年4月の渋谷戦以来、8カ月ぶりとなる試合を控えてのインタビューとなります。ここまで試合間隔が空いたのは、渋谷戦で負傷したことが要因とのことですが……。

「そうなんです。試合中に右ヒジの靭帯を切ってしまいまして(診断は右肘外側側副靭帯損傷)。そのあと手術もしました。DEEPフライ級GPもオファーは頂いたのですが、治療期間でもあったので辞退しました」

――まず驚くのは、渋谷戦でヒジの靭帯を切りながら勝利を収めたことです。試合後にマイクを持ち、右ヒジを痛めたことは明らかにしていましたが、試合中のどの時点で負傷していたのでしょうか。

このタイミングだったのか……

「1Rに足関節を仕掛けられた時、僕がマットに手を着いた時ですね。

その瞬間、右ヒジから音が鳴ったんです。僕自身は脱臼したのかなと思って確認したのですが、ヒジが外れていなかったので戦えると思いました」

――……試合中はアドレナリンもあって痛みは感じないかもしれませんが、2R以降も右腕を動かす際に痛みはなかったのでしょうか。

「ヒジから先は痺れている感覚がありました。右腕だけハッキリした感覚がないというか。2Rと3Rは、その状態で試合をしていましたね」

――当日はケージサイドで撮影していましたが、右腕がそのような状態になっていたとは気づかなかったです。

「僕以外は、誰も気づいていなかったと思います。渋谷選手も、セコンドも」

――えっ!? 右ヒジを痛めた時点でセコンドが気づかないのは仕方ないと思いますが、インターバルの際にセコンドへ、痛めたことを伝えなかったのですか。

「言ってないです。コーナーに戻った時も腕は動いていたし――自分がやるかやらないか、っていう話ですからね。試合後は右腕が大根みたいにパンパンに腫れていました。アハハハ」

――今は笑って振り返ることができるかもしれませんが、その時は決して笑えるような状況ではなかったのでは……。

「いえ、『しゃあないよな』っていう感じでした(笑)」

――凄まじい話です。2R以降も右のパンチやパウンドも放っていました。

「痛みはないけど、自分が拳を握っている、あるいはパンチが当たっているという感覚は薄かったです。1R序盤に痛めたので、そこからは様子を見ながら戦っていました」

――なるほど。柴田選手が1Rから仕留めに行かなかったのは、久しぶりの試合ですし、相手も足関節を中心とする独特のタイプだったからなのかと思っていました。

「あぁ、それもありましたよ。足関節の対策はやっていました。でも、そこは相手の強い部分やから、しっかり対処していかないとアカンなと思って」

――試合が終わって控室に戻ると、右ヒジが腫れていたのですか。

「1時間ぐらい経ったら皮が腫れ上がっていて、周りもビックリしていましたね。でもファイターやったら、腕が動くなら試合はやるやろうと思います。そのまま病院に直行しましたけど(苦笑)」

――そうだったのですね……。渋谷戦の時点では、DEEPフライ級GPのオファーはあったのでしょうか。

「なかったと思います。RIZINでフライ級GPをやるという噂は聞いていて、まだDEEPで開催するとは決まっていなかったんじゃないですかね。だから渋谷戦のあとにフライ級GPのことを言ったのは、RIZINでやるという推測からだったんです。でも右ヒジの負傷があって、また試合間隔が空くなぁと思いました」

――右ヒジを手術したのは、試合から何日後のことだったのですか。

「10日ぐらい後ですね。試合直後に病院へ行って、何日か精密検査をして……専門の先生から『これは靭帯が3分の2ぐらい切れている。もう少しで完全に断裂していた』と言われたんです。ちょっと繋がっていて良かったなと思いました」

――不幸中の幸いといいますか、右ヒジを痛めたのが1R序盤で、そこから無理をしなかったからこそ断裂にまで至らなかったのかもしれないですね。無理をしないといっても、試合を続行しているわけですが……。

「アハハハ。自分も長く選手をやらせてもらっているので、自分の体の調子は分かります。怪我のない選手もいないでしょうし。そこから動かせるところから動かし始めて、ちゃんと通常の練習に戻るには3カ月ぐらいかかりました」

――ではRIZINではなくDEEPでフライ級GPが開催されることになり、そこにご自身が出場できなかったことについては、どのように考えていますか。

「それは気にしていないです。トーナメントって、自分が上に行くために戦う必要のない選手と試合をすることもあるじゃないですか。そういう点を考えると、GPにこだわる必要はない――今はそう考えています」

――こちらとしては今年4月に柴田選手が復帰し、ますますフライ級GPが面白くなると思っていました。

「いろんな方に言われますけど、そこは申し訳ないです(苦笑)。同じ階級の選手が出ているので、試合を見たり結果はチェックしていましたが、出られない焦りとかはなかったですね」

――結果、復帰戦の相手はGP1回戦で福田龍彌選手に敗れた杉山廣平選手となりました。

「そこは復帰戦をするにあたって、佐伯(繁DEEP代表)さんにお願いしました。『いま出られる選手で、一番強い相手を当ててほしい』と。そうしたら杉山選手に決まったので良かったです」

<この項、続く>

■DEEP Osaka Impact2022#05視聴方法(予定)
12月18日
午後4時00分~Twit Casting LIVE

■DEEP Osaka Impact2022#04視聴方法(予定)
12月18日
午前11時30分~Twit Casting LIVE

PR
PR

関連記事

Movie