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【Shooto2022#08】マックス・ザ・ボディ戦へ、田中有─02─「100パーセントの自分になりました」

【写真】2年前、環太平洋ライト級王座決定戦に挑んだ田中の左肩はガチガチにテーピングが巻かれていた。左腕にストレートアームロックと標的にされた結果の2年間ブランクに(C)MMAPLANET

11日(日)、大阪市淀川区のメルパルクホール大阪で開催されるShooto2022#08で、マックス・ザ・ボディと対戦する田中有のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

田中といえば、プロ修斗デビューから4試合連続フィニッシュしていた勢いが思い出される。しかしKO負けを喫した大尊伸光戦に続く、岡野裕城戦から田中のファイトスタイルは変化していた。その変化と、キャプテン☆アフリカに敗れてから2年のブランクについて語ってくれた田中。マックス戦に向け、体の状態も自信も100パーセントだ。

<田中有インタビューPart.01はコチラから>


――柔道の癖が取れて、MMAファイターとしての形が整ってきたのは、いつ頃のことでしょうか。

「えぇ、いつでしょうね? 今でも柔道の癖が抜けきっているかどうかは、自分でもよく分かっていないんですけど(笑)。でも試合をやっていくたびに、MMAの形になってきているとは思います」

――田中選手の試合は、アマチュア修斗経験者らしい打・投・極のバランスの良さが見えます。そのバランスを意識し始めたのは……。

「それはデビューした時から意識しています。MMAをやるには、全部できないといけないなって。僕個人としてはグラップリングが得意なんですよ。でも、いろんな知識を入れながら全部できるようにならないと、上に行くことはできないと思っています。打撃戦で劣っていたら組みに行って、組みで負けていたら打撃で――今もオールラウンダーになるための貯金をしているような感じですね。やれることを貯めていくというか」

――2017年9月のプロ修斗デビュー戦から、4試合連続でフィニッシュしています。

「自分で言うのも何ですけど、最高でしたね(笑)。こんなに勝ててしまうのかって。自分の型にハメれば、どんな試合でも勝てる自信はあります。でもダメですよね。最近の試合は全然フィニッシュできていないので」

――2019年11月に岡野裕城選手を判定で下した試合は、それまでと比べてスタイルを変えているようにも見えました。フィニッシュできなかったのか、あるいはフィニッシュしようとしていなかったのでしょうか。

「フィニッシュしたいという気持ちは変わっていないです。ただ、その前に大尊伸光選手にKO負けして、意識が変わったところはありますね。初めての後楽園ホールでの試合で、しかも大尊選手はRoad to UFC JAPANにも出て有名だったじゃないですか。そこで『あの一撃が強い人や。打撃でやり合ってみたい』という欲を持っちゃったんですよね……」

――その欲が裏目に出てしまったということですね。

「実際に試合をして、まずパンチが速かったです。『うわっ、早い。これは面白いな』と思ってパンチで行ったら。最初に僕の右が当たった時に大尊選手が揺れたんですよね。セコンドからは『効いたぞ!』と声をかけられて、僕も『これはいける!』と思いました。でも相手をケージに追い込んだあと、テイクダウンに行くかパンチで攻めるか悩んじゃったんです。悩んだ結果、左フックを出したら相打ちで僕が倒れてしまって。あの大尊選手との試合から、まず迷ったらアカンっていうことを学びました」

――岡野戦では相手の様子を見ながら、迷うことはなかったのですか。

「岡野選手との試合では、ジャブで来ることは分かっていました。だから相手をしっかりと見ながら、テイクダウンに行くなら行く。打撃でやるならやる、そうやって相手を見るようになっていましたね。フィニッシュはしたいけど、別に早くフィニッシュしないわけじゃない。何より前の試合で大尊選手に負けて、岡野戦は絶対に落とせなかったので」

――大尊戦と岡野戦の間に1年以上のブランクがあり、さらにキャプテン☆アフリカ戦まで1年空きました。今回のマックス・ザ・ボディ戦はキャプテン戦から2年ぶりの復帰戦となりますが、これだけ試合間隔が空いた理由は何だったのでしょうか。

「実は岡野戦の時に肩を脱臼したんです。そのあと脱臼癖がついてしまい……キャプテン戦まで肩の様子を見ていたんですけど、治らないまま試合をしました。結果、骨や神経まで負傷していて――キャプテン戦の後に手術をし、リハビリを経て今に至っています」

――それだけの負傷から、今は何パーセントまで体は戻ってきているのですか。

「もう100パーセントの自分になりました。完璧です。思う存分戦える状態になっていますよ」

――なるほど。その100パーセントの状態で迎える次の試合、対戦相手のマックス選手の印象を教えてください。

「面白い選手ですよね。体がゴツくて、一撃があって試合も面白いけど、意外と蹴ったり細かいこともできる選手じゃないですか。でも僕が一方的に攻める試合になると思います。正直、僕のスピードに着いてこられるんかなって」

――打撃戦になると思いますか。

「もちろん打撃戦もあるでしょうけど、何よりMMAをしたいです。一撃を狙いつつ、組んだら海の底に沈むようなパウンドを打ち込んでいく。そして最終的には一本を取りたいです。一本を取ることしか考えていません」

――大尊戦までは修斗大阪大会でもBORDERに出場しており、ずっとリングで試合をしていました。現在はケージの試合になっていますが、戦い辛くはないですか。

「僕はケージのほうが好きです。次の試合は2年ぶりの復帰戦やし、まずは試合を楽しみたいです。もう楽しみしかなくて。ずっと試合をやりたくてウズウズしていました。楽しみながら、分からせてやりたいです。『修斗ライト級には田中有がおるんやぞ』と」

■視聴方法(予定)
12月11日(日)
午後1時00分~ツイキャスPPV

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