【Shooto2022#02】Road to Second Life=安藤達也の挑戦受ける岡田遼─01─「修斗王者を全うする」
【写真】ある意味、この選手が現代MMAにおいて──もっとも打・投・極を回転させることができているかもしれない──ほめ過ぎか…… (C)MMAPLANET
21日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールでShooto2022#02 が開催され、メインで修斗世界バンタム級王者の岡田遼が安藤達也の挑戦を受ける。
昨年3月に大塚隆史を下し初防衛に成功した岡田は、その後RIZINバンタム級GPに出場して一回戦負け。修斗の強さを自らの力で示すことができなかった。そんな修斗愛に満ち溢れた岡田にとって、今回の防衛戦が意味することは何なのか。彼の修斗愛は真実なのか──を問うた。
──岡田選手に問いたいことがあります。
「えっ、何ですか」
──修斗愛について、です。
「もう、めちゃくちゃありますよ」
──凄くあることは理解しています。そして修斗バンタム級王者としてRIZINバンタム級GPに挑み、DEEP王者の元谷友貴選手に敗れての防衛戦です。タイトルマッチを戦った倉本一真選手、大塚隆史選手、誰もベスト4にも残れなかったです。
「ただ、優勝したのは修斗の扇久保博正です」
──もう完全に質問の途中から答を用意していましたね(笑)。
「アハハハハ」
──その答えで岡田選手の心は晴れ渡るのでしょうか(笑)。
「アハハハハ。そうですね……。あの場でDEEPのチャンピオンに負けたことは送り出してくださった修斗関係者の皆さま、サステインの坂本代表、応援してくださった皆さまに対して、本当に申し訳ないと思っています。
でも、元々は岡田遼という格闘家のストーリーの本編はずっと修斗だったので。RIZINのバンタム級トーナメントは僕のなかでは番外編なので、また本編に戻ってきたという感じです」
──岡田選手のなかでMMAファイターとして、あの場で負けたことをどのように消化できているのでしょうか。また、どういう風に払拭しようと考えているのか。実はUFCを目指し叶わなかった。そしてRIZINに出た。だから、負けた時点で引退するのではないかと勝手に想像していました。
「まさに僕のMMAファイター人生、今、言われたように修正を加えたモノです。本当は修斗のチャンピオンになった時点で北米を目指していた。それが無理だったからRIZINに出ました。ただRIZINに出たのもトーナメントだったからです。トーナメントは勝ち続けても年末に終わっていた。ということは修斗の防衛期限内に終了している。例え優勝していても、3月に修斗の防衛戦を戦うつもりでいたので。
集大成としては集大成だったのですが、あそこで現役を終えるつもりはなく、必ず防衛戦を戦うと坂本さんと約束して出場しました」
──そこは初志貫徹なわけですね。そして平良達郎選手とラスベガスで練習もしてきました。
「ハイ。前回、不甲斐ない試合をした分、今回のタイトルマッチで修斗のチャンピオンとしてもう1回死ぬほど気合を入れて、最後まで修斗のチャンピオンを全うしたいと思いまいラスベガスで練習してきました」
──この後は、どのように考えているのですか。
「それは去年、話した時と変わっていなくて2022年で格闘技の旅を終えようと思っています。その考えは全く変わっていなくて……ただ、この試合で終えるのか、年内にあと1試合、あるいは2試合戦うのかは鶴屋さんと、防衛戦を終えてから相談しようと考えています」
──やり切るため、ですか。
「ハイ。そうですね」
──戦う選手の気持ちは記者には分からないのですが、やり続ける選手とやり切る選手では気持ちに違いなど出てくるものでしょうか。
「う~ん、ハッキリ長くやらないと宣言したことで、残りの格闘家人生の価値が自分のなかで変わりました。ラスベガスに一緒に行っていた平良は、いくらでも時間があります。でも俺はこれが最後の海外修行だと思うと、1日1日の集中力だったり、賭ける気持ちが全然違うので。今現在は、凄く張りのある生活ができています」
──その心境で臨む、2度目の防衛戦。チャレンジャーが安藤達也選手です。
「安藤君はないと思っていました(笑)。安藤達也はねぇだろうと。大塚選手にああいう形でTKO負けしているので、もうないというのは自分のなかで勝手に思っていましたね。それでも今回。安藤君が挑戦者だという流れになり『やります』と。それしか、言えないです(苦笑)。
だから今回は相手どうこうでのモチベーションというよりも、修斗のチャンピオンとして防衛期限内に防衛義務を果たすという責任を全うしたいという気持ちでやっています」
──前回がドローだったので、決着戦だという気持ちは?
「石井逸人戦の安藤君はデビュー当時、底の見えない怪物みたいな安藤達也に戻ったのかなっていう風には見えました。ただし、波のある選手ですからね」
<この項、続く>