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【RIZIN TRIGGER02】クレベル・コイケと対戦、佐々木憂流迦─01─「レベルアップするためには……」

【写真】今からすると、フライ級への減量は怖すぎ──だ (C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(水・祝)、静岡県袋井市のエコパアリーナで開催されるRIZIN TRIGGER02のメインイベントで、佐々木憂流迦がクレベル・コイケと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

佐々木憂流迦は静岡県沼津市の出身。地元でMMAを始め、東京に練習拠点を移した後、UFC参戦後は米国ニューヨークへと渡っている。UFCで9試合を戦い、4勝5敗という戦績でリリースされた憂流迦は、2018年の大晦日から戦いの場をRIZINへと移した。
練習環境、試合をするプロモーション、さらには階級も変わっていくなかで、彼は何を目指して戦ってきたのだろうか。


――コロナも長くなり、比例するように日本滞在が長くなっていますね。

「はい、今は代々木のMe,Weで練習させてもらっています」

――憂流迦選手は2017年9月にジョズエ・フォルミーガに敗れた後、米国ニューヨークのセラ・ロンゴ・ファイトチームに練習拠点を移しています。そこから今、日本で練習しているというのは……。

「アゴを骨折してから、ずっと日本にいます。朝倉海戦(2019年10月、TKO負け)でアゴを骨折して、緊急入院になったんです。向こうに家も荷物もあるままで、とりあえず治療も通院もあるから、そのまま日本にいるという感じですね。あとはコロナ禍もあって」

――日本と米国、それぞれ入国すら難しい状況でした。

「米国に入れるとしても隔離期間があって、それで時間を取られるよりは……と思いました。ただ、今は結構行き来できるようになってきているので、そろそろ戻りたいと考えてはいますけど」

――やはり米国に戻りたいですか。

「戻りたいというか、向こうでスパーリングをやりたいんです。今は日本でもMe,Weで凄く良い練習をさせてもらっています。技術的にも、試合の戦略とかも山﨑(剛リバーサルジム新宿Me,We代表)さんが指導してくれて。

ただ、米国のジムにはUFCのバンタム級やフェザー級の良い選手が多いし、彼らとスパーすることで、今の自分はどれぐらいの実力を確かめたいんですよ」

――憂流迦選手が米国に拠点を移したのは、練習環境はもちろん、UFCと契約していたことも関係していたかと思います。ただ、UFCからリリースされてRIZINへ参戦することになった時、日本に戻ろうとは考えなかったのでしょうか。

「その時は全然思わなかったです。向こうで良いチームメイトに恵まれて、良い練習ができていましたし。やっぱり、いろいろと違いますよね。練習環境も……フィーリングも全部違うので」

――米国の練習環境には、すぐに溶け込めましたか。

「ジムには早く溶け込めたと思いますよ。米国って移民国家で、ニューヨークは特に移民とその子孫が多いじゃないですか。それほど英語が得意じゃない人たちもいますし。でも、みんなが同じ方向を見ているんです。格闘技で強くなって、上に行く。目指しているものが同じだから、早く溶け込めたと思います」

――米国に拠点を移して以降の戦績を振り返ると、新しい練習環境と噛み合っていると考えていますか。

「うーん……結構負けていますからね(苦笑)。最近は自分の粗かった部分が如実に出てきたと思うんですよ。今それを修正しているところです。その粗に対して、ずっと自分は見て見ぬふりをしてきたというか。僕って、勢いで行っちゃうところも多かったから。でも年齢を重ねて色んなことを経験して、そのぶん丁寧になってきたんじゃないかとも思うんですけど」

――私の中では、佐々木憂流迦といえば修斗時代に、とにかく上を目指して勢いというかガムシャラに戦っていた記憶が強いです。そんなファイターが、丁寧に戦うことが良かったのかどうか……その点についてはどう思いますか。

「ガムシャラ……そうですね(笑)。やっぱり周りが強くなってきて、ちゃんと僕の弱点を突いてくるようになってきたんですよ。だから今後続けていくためには、丁寧さってとても大事な部分だと思って。その丁寧さプラス、行く時は行く。そういうファイター像が、今の僕の中では理想です。今はその理想にチャレンジしている最中なんですよね」

――なるほど。もう一つ、どうしてもお聞きしたいことがあります。今の憂流迦選手は、何を目指して戦っているのかと。

「おぉ、どういうことですか?」

――修斗で環太平洋のベルトを獲り、VTJでも勝利して、UFCと契約することができました。さらに米国へ拠点を移しながらUFCをリリースされた時、憂流迦選手の目標はどこにあったのでしょうか。

「あの時は一度、目標を見失いました。UFCをリリースされて、めちゃくちゃヘコみましたよ。そんな時にRIZINさんからお話が来て……ヨッシャ、やるぞと」

――では、RIZIN出場以降の目標は?

「RIZINのベルトが欲しいです」

――UFCではバンタム級からフライ級に転向し、RIZINではバンタム級(61キロ以下)に戻りました。そこで体の調子は戻ってきましたか。

「61キロだと、だいぶ楽になりました。でも、やっぱり2019年に肝臓の疾患を発症してから血液の数値が怖いんですよ。今でも頑張ればバンタム級には落とせます。お医者さんと相談しながら、時間を掛ければ。でも、それではコンスタントに試合ができないので。ちゃんと試合をコンスタントにやって、自分自身がレベルアップするためには、フェザー級のほうが良いと思いました」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月23日(水・祝)
午後2時~Exciting RIZIN
午後2時~RIZIN LIVE
午後2時~RIZIN VR
午後2時~LINE LIVE-VIEWING
午後2時~Fnstream/StreamPass
午後2時~スカパー!

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