【RTB Korea01】拳の届く距離での打ち合い。防御力で優るパン・ジェヒョクがイ・ミンヒョクに打ち勝つ
<68キロ契約/5分3R>
パン・ジェヒョク(韓国)
Def.2-0:29-28.29-28.29-29
イ・ミンヒョク(韓国)
Road to BRAVEとBRAVEのロゴの間にスポンサー名が並んだTシャツで入場の両者、ファイトショーツもチーム名やスポンサー名が入っており、コーナー色で分けられたBRAVE Tシャツとショーツといういで立ちの本戦とは違いが見られる。
試合開始直後、互いにワンツーを打ち合う。圧を掛けるのはイで、ケージの前を移動するパンは頭を振ってカウンターを狙う。互いにイチ・ニのリズムで、拳を出せば届く距離のなかで前後移動のファイトは、パンが左フックをヒットさせる。
イのテイクダウン狙いを切ったパンが、右を貰っても右ストレート2発、左ジャブをカウンターで当てる。イもワンツーを入れ、前に出る。ジャブから右を当てたイが左オーバーハンドを決めるが、テイクダウンはパンが防ぐ。
距離を掴みながら、殴られる覚悟のファイトのパンがイの出足を止め、間合を外す戦いを見せるようになる。ワンツー、ローをかわされたイはパンチの振りが大きくなり、左に左を合わされる。手数とアグレッシブネスでイ、精度でパンという判断の難しいラウンドとなった。
2R、カーフから左ジャブ、右ストレートを放つイに対し、パンはジャブから左フックを合わせようとする。右オーバーハンドを強振して姿勢を見出したパン。イはここでテイクダウンが欲しかった。ワンツーを同時に放ち、変わらず拳の届く距離での拳の交換が続くと、防御力で一枚上のパンに対し、組みを選択したイは切られてパンチを被弾する。
打たれる数が多い分、ダメージが蓄積しているはずのイがバランスを崩したパンを見て笑顔を浮かべる。ファイターズハイの領域に入った打撃戦は、スイッチを織り交ぜるパンにイがカーフから左フックをヒットさせる。ここからの追撃に打ち負けず左エルボーを入れたパンが、左フックからワンツーを決め、ラッシュを掛ける。
打ち負けたイはダブルレッグをすかされ、立ち上がり際にも右を被弾する。それでも前に出るイは左を受け、腰が落ちそうになりながら笑みを見せてラウンド終了となった。
最終回、距離を詰めるイに対してパンは左フックをヒットさせる。真っ直ぐ組みにいき切られて殴られたイは、続くテイクダウン狙いも防がれ、逆にシングルレッグでテイクダウンを奪われる。
スクランブルでバックに回り、落とされそうになりながら腕十字を仕掛けたバンは、これを防がれるとすぐにスタンドに戻る。イは鼻血を流し前に出るが、カウンターを被弾する。それでも前に出て、頭がぶつかるようなファイトのなかで左を受けたパンの動きが一瞬止まる。
直後のステップインにヒザを当てたパンは、足を使うと姿勢を乱すほど疲弊している。逆転を賭けて左右の拳を振るいながら前に出るイ。パンも足を止めて打ち合いに応じつつ、間合を外す。
残り1分、左回りで対処しつつ右のカウンターを当てたパンだが、それでも怯まないで前進を続けるイと最後は足を止めての打ち合いに応じ、時間に。
結果、ジャッジ1人がドローをつけ、残る2人は29-28でパンを支持──前に出るイが評価されるK-MMA漢気ファイトながらイがしっかりと勝利を手にした。
「家、妻のことを考えて戦いました。生きていくうえで十分な金がないです。BRAVE CF……準備はできています。自分に試合機会を当たてくれると光栄です。BRAVE CEOの名前は分かっていないのですが、試合のリストに加えてほしいです。今日は相手がタフで良い試合ができなくて、圧倒できなかったです。信じられないぐらいアゴが強くて……自分の拳が壊れてしまったと思います。でも、準備はできています」と、英語を駆使してマイクで応えるなど、試合だけでなく、コメントでも必死な姿勢を見せていた。