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【ONE Winter Warrior02】ついにONE初出場、スティーブン・ローマン「手段は違っても目的は同じ」

【写真】このベルトを返上し、ONEに戦いの場を求めた (C)BRAVE CF

17日(金・現地時間)、3日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録されたONE「Winter Warriors02」が放送される。

とにかく受け答えが丁寧で、物静かだった

今大会には、ついにチーム・ラカイからスティーブン・ローマンがONE初出場を果たす。

中東バーレーンのBRAVE CFでバンタム級王者に君臨し、4度の防衛に成功してきたローマンは、フィリピン最強MMA軍団にあって最もウェルラウンダーだといっても過言でない。

北米スタイルからONEスタイルへ。11月18日に、テイクダウンが主武器のラカイ戦士に行ったインタビューをお届けしたい。


──スティーブン、ついにONEデビュー戦を迎えます。今の気持ちを教えてください。

「本来4月にジョン・リネケルを相手にONEで初めて戦うことが決まっていたけど、コロナで陽性になり試合ができなくなった。あの時はフィリピンではコロナが猛威を振るっていて、大きな機会を失ってしまった。でもワクチンを打って、ずっと状況が良くなったから、今回の試合に向けて、2カ月間──ノンストップで以前のように練習することができた。

しっかりと感染予防をジムも実施しているからね。コロナ・プロトコルで練習する人数は普段の70パーセントと定められているけど、7割のメンバーと一緒に練習できれば何も問題はないよ。常に10人から15人でトレーニングをすることが可能だったからね。

練習を再開した当初は、実は……リネケルが僕の代役のトロイ・ウォーセンを右のカウンターでKOした試合を見て、彼と戦うにはもっとトレーニングが必要だと思って、より練習に集中するようになっていたんだ。

結果、リネケルをどう倒すかを念頭に練習をしていたけど、対戦相手はユーサップ・サーデュラエフになった。とにかく8カ月が過ぎてようやくONEで戦うことできる。とても嬉しいよ。ベストを尽くすつもりだ」

──2年以上、実戦から離れていました。不安を感じることはないですか。

「そこに関しては、色々と考えることもあったけど、とにかくポジティブに捉えるようにして練習に精を出した。結果、テクニックもそうだし新しいことを学ぶことができた。この2年、正しい方向に進んで強くなれたと思う」

──スティーブンはPXCやBRAVE CFという北米MMAルールで戦ってきたため、攻防ともにONEで戦ってきたラカイのメンバーよりもテイクダウンへの意識が高かったです。ONEで戦うことでアジャストが必要だと考えていますか。

「イエス。米国のルールとONEのルールは違うからね。ONEはグラウンドでヒザ蹴りが使えるし、なんといっても判定基準が違う。その2つが違うので、そこに対応する練習はしてきたよ」

──ただONEの判定が揺れています。そこに混乱することはないですか。

「正直に言えば、困っているよ(苦笑)。ちょっとジャッジの判断基準が明確になっていないように感じる。ただ、基本的には打撃重視、テイクダウンはさほど評価されないことは変わりないはずだよ。とにかく打撃で加点すること。ただし、レスリングを忘れちゃいけない。テイクダウンすればサブミットできるし、パウンドでダメージを与えることができるからね」

──スティーブンはテイクダウンディフェンスがしっかりとしているので、思い切り打撃を使うこともできますね。

「僕は米国のMMAルールで戦ってきたから、テイクダウンには相当に力を入れてきた。倒されないことは、ONEのルールでも大きく役立つよ。同時に倒してトップコントロールできるのも僕の強みになっている」

──ではテイクダウンとコントロールが抜群に強い、サーデュラエフの印象を教えてください。

「テイクダウンもそうだし、グラウンドコントロールは本当に巧みだと思う。ブラジリアン柔術の黒帯らしい動きをし、絞めを狙うポジションに対戦相手を追い込んできた。まぁ僕のやるべきことは、まずテイクダウンを許さないことだね。彼に有利なポジションを取らせないために」

──ONEバンタム級戦線はブラジリアンが支配しています。ケビン・ベリンゴンと共にフィリピンの力を証明しないといけないですね。

「ブラジル勢は打撃が強い。ただし僕がONEにやってきたのは、この階級で強い選手と戦うためだから。僕はブラジルの選手たちを相手に、最終的に勝つことでファイトIQの高さを示したいと思っている。それが望みだよ」

──かつてチーム・ラカイではONEでストロー、フライ、バンタム、そしてライト級の4階級のタイトルを独占していました。今はストロー級だけです。再び、ラカイ王国がONEで構築される日は来るのでしょうか。

「チームメイトがチャンピオンだらけだった時は、僕も凄くハッピーだった。今はジョシュア(パシオ)以外はチャンピオンでなくなった。それでも、ハッピーなままだよ。皆がフィリピンを代表して、ベストを尽くして戦った事実に変わりはないからね。また、あの日々があったことが、僕らのジェネレーションのモチベーションになっている」

──BRAVE CFでバンタム級王座を4度防衛も、ONEのファンにはまだスティーブンは馴染ないです。北米ルールで戦ってきたローマンのMMAファイターとしてのストロングポイントを彼らに説明してください。

「レスリングとグラウンドコントロールにパウンドを混ぜて、勝つ点が僕のストロングポイントだよ。自分は傷つかず、相手にダメージを与えたい。そのために動いて、相手を掌握するんだ」

──ラカイにあって、ワイルドさよりもマイルドさが強さのように見ていました。

「それぞれが自分の戦い方を持っている。僕自身、ストレングスという点で成長しているし、弱点も克服してきた。チームメイトとは違ったセオリーを持ってMMAを戦っているけど、可能な限り相手を叩きのめすにはスタンドでノックアウトするのも、グラウンドでノックアウトするのも手段であって、目的に違いはないよ」

──スティーブン、ジョシュア、ダニー・キンガド、ラカイのウェルラウンダーで最強の男は誰かと尋ねられると、どう答えますか。

「アハハハハ。良い質問だ。ジョシュアもダニーも僕の兄弟だ。協力しあって強くなってきた。ベストになるために、自分たちの知識、技術を共有してきた。それは僕がベストになるためじゃなくて、僕たちがベストになるためだよ。だからこそ僕の答はジョシュアだ。彼はベルトを持ち、防衛を続けている。ジョシュア・パシオがベストだよ」

──OMG!! てっきり3人に差はないという答が返ってくると思っていました。

「ハハハ、ホント、その通りだよ。でも、特定の名前を言って欲しいと思ったからジョシュアの名前を出したんだ」

──ありがとうございます(笑)。ところでスティーブンが戦い始めるONEバンタム級戦線には佐藤将光選手という日本人選手がいます。どのような印象を持っていますか。

「実はまだ彼の試合をしっかりと見ていないんだ。だから、その質問に答えられるようショーコー・サトーをレビューしておくよ。パウンドが上手くて、強い印象があるけど……しっかりチェックしたわけじゃないから、まだ何とも言えないからね」

──先ほどの質問といい、この質問といいスティーブンの返答は誠実さに満ちていますね。今日はインタビューを受けていただきありがとうございました。ラカイで最も完成度の高いファイターがようやくONEで戦います。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「応援ありがとう。ベストファイトを皆に届ける。見逃さないで欲しい」

■視聴方法(予定)
12月17日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
ダニー・キンガド(フィリピン)
カイラット・アクメトフ(カザフスタン)

<バンタム級 (※65.8キロ)/3分3R>
ケビン・ベリンゴン(フィリピン)
クォン・ウォンイル(韓国)

<95キロ契約/5分3R>
ヴィタリー・ビグダシュ(ロシア)
ファン・ロン(中国)

<ウェルター級(※77.1キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
スティーブン・ローマン(フィリピン)
ユーサップ・サーデュラエフ(ロシア)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ジャンロ・サンジャオ(フィリピン)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

<キック・ライト級/3分3R>
ムスタファ・ハイダ(イタリア)
アリアン・サディコビッチ(ボスニアヘルツェゴビナ)

<バンタム級 (※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
リー・カイウェン(中国)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
ジョセフ・ラシリ(イタリア)
朝陽PKセンチャイムエタイジム(日本)

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