この星の格闘技を追いかける

【DEEP JEWELS35】ドリーマーとDREMERS、藤田翔子─02─「もう中途半端に終わりたくない」

【写真】実弟、DEEP暫定フライ級王者の藤田大和と(C)MMAPLANET

11日(土)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS35で、ゆりなと対戦する藤田翔子のインタビュー後編。

プロデビュー後2試合はストロー級で試合をしてきた藤田だったが、いずれも減量で苦戦。2戦めは計量をクリアできず、今回から極真空手時代に近いフライ級で戦うこととなった。
その一方で、培ってきた空手のスキルを、どうMMAに生かすのか。ゆりな戦は、新しい藤田翔子を見せるための試合となる。

<藤田翔子インタビューPart.01はコチラから>


――藤田選手はEXFIGHTの大会会場で、イベントスタッフをされていますよね。現在はEXFIGHTジムのスタッフでもあるということなのでしょうか。

「はい。知人からEXFIGHTジムのお仕事を紹介してもらいました。イベントを手伝うだけでなく、ジムのトレーナーもやっています。一般会員さん向けのレッスンとか。たぶん打撃のミットを持てる人が欲しかったんだと思いますけど。私、自分でもミットを持つのは上手いと思っています。実家のドリーマージムでは、大和のミットを持っていましたから」

――えっ、大和選手の中学時代や高校時代の試合映像を見たこともあるのですが、あのパンチを受けていたのですか……。

「大和が高校生の時ですね。私はそんなに望んでいないし、大和もミットにこだわるから、タイミングが合わないと、嫌な顔をするんですよ(笑)。だから私のミットも成長したと思うんです。さらにEXFIGHTジムで働き始めて、ミットを持つことが増えたから、前腕の筋肉もついてきました(笑)」

――なるほど。ジムで練習はしていないのですか。

「今は、練習しているのはMe,Weだけですけど、格闘DREAMERSをやっていた頃は、仕事の前に練習へ加えてもらっていました」

――中村倫也選手や宇佐美正パトリック選手と一緒に練習していたのですね。

「そうなんです。スタッフだから特別に……ということだったと思うんですけどね。今でも倫也やパトリック、ほかのDREAMERSメンバーと意見交換していますよ。私であれば、次は柔道出身の選手なので、柔道経験者のメンバーに意見を聞いたり。そこは私のほうが先にプロになっているとか、そういうことは一切関係なく。

あと彼らは格闘DREAMERSで、私の実家もドリーマージムじゃないですか。同時期にMMAをやっていて、一緒に練習させてもらって――ありがたい縁だなと思っています」

――分かりました。キャリアのお話に戻りますが、アマチュアの試合でケイト・ロータス選手に勝利し、2021年3月にプロデビューしました。ここまで1勝1敗という戦績は、どう捉えていますか。

「あの試合では、相手の要求で初めてプロ用の薄いグローブで試合したんですけど、気持ち良いなと思いました」

――極真会館では素手によるフルコンタクト空手を戦ってきたので、アマチュア用の厚いグローブは慣れなかったのでしょうか。

「薄いグローブのほうが、やりやすいです。パンチを打っても、アマチュア用のグローブだと殴っている感触も無くて。それと薄いグローブのほうが、組んだ時も相手にエスケープされにくしですし」

――なるほど。そのロータス戦を経て、2021年3月にプロデビューしました。ここまで1勝1敗という戦績は、どう捉えていますか。

「自分としては、誰よりもプロの試合で戦うっていうことに対して強い想いを持っていたはずなのに――減量で苦戦して」

――そうですね。デビュー戦は相手のアミバ選手が計量オーバーとなりましたが、藤田選手も再計量でパス。続く2試合目は、藤田選手が計量をクリアすることができませんでした。

「はい、デビュー戦から減量で苦戦しました。空手時代は当日計量で55キロまで落としていたので、プロの前日計量だと、もっと落とせると思ったんです。それで山﨑さんと相談して、ストロー級で戦うことに決めたんですが……」

――しかし、1度目の計量をパスすることができなかった、と。

「あの時は、周りの皆さんのおかげで再計量をパスすることができました。でも次の試合では私が――結局、計量をクリアできたほうが勝った場合のみ公式記録に残る、っていう試合ばかりなんです」

――そうなると試合当日のコンディションは、どのような状態だったのですか。

「正直、ダメでした。特に2戦めはフワフワしてしまっているというか。そんななかでも自分には『勝つしかない』という前向きな言葉を言い聞かせながら戦って。あの試合が終わってから山﨑さんと話をして、フライ級で戦おうと決めました」

――そのような経緯があって、今回は58キロ契約の試合となったのですね。

「ゆりな選手は普段バンタム級なのですが、58キロまで落とせるということで、この契約体重になりました」

――ストロー級で戦うのとフライ級で戦うのとでは、減量スケジュールも違うでしょうし、それは練習にも影響を与えてくるかと思います。

「ストロー級では、最後は水抜きをしていました。でも今回は、それほど水抜きの必要もないし、それは練習にも試合にも良い影響が出てくると思います」

――減量も行いながら、しっかりと相手の対策もできるということでしょうか。

「はい。今は、ゆりな選手の映像を見ながら対策を練習しています。階級も上がるし、これまでよりも体格が大きい相手ですけど、大和や男子選手と一緒に練習しているので、そこは問題ないと思います」

――藤田選手の場合、これまで培ってきた空手のスキルをどうMMAにアジャストするかが重要になってくるかと思いますが、MMAではパンチを中心に戦う場面も見られます。

「蹴りを出すことが少なくなっていますよね。やっぱりミドルをキャッチされるんじゃないかと不安になったこともあって。だから今後は、蹴りの数を増やしていきたいです。あとは距離感。極真空手って、超接近戦じゃないですか。そのなかでも、距離感が近いと極真の頃から言われていました。背が高くて、足の長さもあるのに、距離が近すぎると」

――ゆりな選手が相手だと、距離が近ければ組んでテイクダウンを狙いに来るでしょう。

「テイクダウンを狙ってきて。私に打撃を出させないようにしてくると思います。そんななかで、そこで蹴りをたくさん見せられたらなと思います。それに今は柔術や寝技も練習していて、寝技になってもいけます」

――今回のゆりな戦が、初めてのフライ級戦です。MMAを戦ううえで、今後の目標を教えてください。

「私は全日本で優勝できずに空手を引退しました。もう中途半端に終わりたくない。大和から言われているのは、最低でもベルトを獲れ――MMAでベルトを巻けるよう、勝ちます」

■視聴方法(予定)
12月11日(土)
午後5時45分~USPWN PPV配信 & ニコニコ生放送 PPV配信

PR
PR

関連記事

Movie