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【ONE NEXTGEN03】36時間の長旅&大会前日に到着、ジャレッド・ブルックス「ストローはONEが一番」

【写真】ONEグローブを装着したブルックス (C)MMAPLANET

26日(金・現地時間)、10月29日にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録されたONE「NEXTGEN03」がディレイ中継される。

NEXTGEN──3大会、のオーラスのメインでジャレッド・ブルックスがリト・アディワンと戦う。WSOF-GC、パンクラス、RIZINとUFCを合間に日本で活躍したブルックスが、ついにONEデビュー戦を戦う。

北米ではベスト体重で戦う機会を得ることができず、ONE最軽量級をロックオンしたブルックスは、チーム・ラカイのワイルドストライカー=アディワン戦に辿り着くまでに、前哨戦といっても過言でない長いフライトを乗り越え、シンガポール入りした当日に計量を行った。その直後に収録したインタビューをここでお届けしたい。


──シンガポール入りが遅れたと聞いています。

「シカゴで乗り継げなくてね……僕のミスじゃないんだ。天候のせいでフライトが遅れた。シカゴから成田へ行き、そこからシンガポールというフライトだったんけど、成田に向かう飛行機はどれも間に合わなかった。計量に間に合うために、少しでも早くシンガポールに入るためにロンドン経由で、太平洋でなく大西洋を越える逆回りのフライトでやってきたんだ」

──いったい何時間かけて、シンガポールまで?

「36時間だよ(笑)」

──36時間、OMG!! 減量とハイドレーションは問題なかったですか。

「シンガポールに着いて、さっき終えたばかりだよ」

──つまり試合の前日のシンガポール入りになったということですね。

「飛行機のなかでストレッチを何度も繰り返した。そして、タップリと眠っていたよ。時差ボケを少しでもなくしたかった。タフな試合になることは分かっているから、少しでもできる準備をしてきたんだ。

フィリピンからシンガポールは3、4時間だろう? 僕は36時間のフライトを経て、1日半前に到着した。まぁ、それでもリトをぶっ倒す自信はあるよ」

──そのフライトを経て、計量とハイドレーションを終えた。既にONE初勝利を挙げたといっても過言でないですね。

「いやONE初勝利は、この階級で最もタフな試合でリトに勝って手にするよ。リトはヒロバ・ミノワに敗れ、ナミキ・カワハラに勝った。彼の他にも日本人を中心に手強い相手がいるカテゴリーだよ」

──ジャレッドの言うようにストロー級は日本人選手が多いです。

「ユースケ・サルタ、彼とは僕がパンクラスで試合をした時に、一緒に練習をしたことがあるんだ」

──えぇ、そうなのですか!!

「僕らの宿泊先がHEARTSジムに近くでさ。サルタと他の何人かと東京にいる間に2、3度トレーニングしたんだ。サルタは強かったよ。特にグラップリング・エリアではね。ただしサルタもあの時の練習で、どれだけ僕が強いか分かったはずだ。うん、サルタともいつでも戦うよ(笑)」

──2019年12月のBellator Japanの越智晴雄戦以来のファイトですが、そもそもジャレッドがONEと契約したのはなぜですか。

「僕のサイズだと、米国で試合の機会を見つけることが凄く困難だった。ONEだとストロー級のベストと戦える。ベストとベストが戦うことで、自分の力を試すことができるだろう? ストローではONEが一番。 間違いなくこの階級で、ONEが世界のベスト・プロモーションだからね」

──125ポンドで水抜き無し。この計量システムは、ジャレッドにとってはどのように作用しますか。

「パーフェクトだよ。これまで125ポンドで戦おうと思うと、UFCの時もそうだけど相手は20ポンドとか30ポンド減量してきて、試合当日になると僕より全然大きかった。140ポンドとか150ポンド近くになっている。

でもONEのハイドレーションこみの計量だったら、試合の時も130ポンド程度にしか戻らないはずだ。この違いは大きい。結果、僕はONEで戦うとより力強く、より速く戦えるに違いない。だから、この計量方法と階級で戦うことで、自分がどれだけ強くなれるのか試してみたくてしょうがなかったんだよ。

それもこの階級の世界のトップファイターとね。特にリト・アディワンはYouTubeで動画の視聴総数が100万PVになるかっていう知名度を誇る選手だからね」

──4月のTNTショーでリト・アディワンとデビュー戦が予定されていましたが、正式発表もあったのか、なかったのかという状況で対戦カードから両者の試合が消えていました。

「COVID19の影響だよ。リトがまず感染して、僕らは2週間待った。そうしたら僕のコーチと、僕自身が陽性になってしまった。そこからまた2週間の隔離が必要になると、もう試合を実施することはできなくなっていた。まぁ、今の世の中に起こり得ること。そして、2人とも回復してより良い状況で戦うことができるということさ」

──ただ、今回の試合も本来はリト・アディワンが相手でなく、キャンセルされた11月のライブショーで箕輪ひろば選手と戦うと最初に聞いていました。そして、試合が10月29日に収録されることになり、箕輪選手は調整時間が足らないということで12月に対戦できないかという打診した。そうすると、このタイミングでリトとジャレッドが戦うことが決まった。そのように理解しています。

「ヒロバはこのタイミングで、僕とは戦いたくなかった。そこに尽きるよ。まぁ、それで彼よりタフなリト・アディワンと戦うことになったんだよ」

──ただ箕輪選手はリト・アディワンに勝っています。

「グラップリングでね。そして僕の番だ。僕の打撃はヒロバより上だからね。ヒロバがアレックス・シウバと戦った時は、アレックスの打撃を気にせずに戦っていた。アレックスはストライカーじゃないからね。まぁ……どっちがタフなファイトになるかなんて分からない。でも、タフになる覚悟でいるよ」

──リト・アディワンの打撃は、非常にワイルドです。

「そうだね。デンジャラスだ。ただし、テクニカルではない。思い切り振りまわし、ケージに相手を追い込んでいく。クレイジーなスイングだよ。あの荒い打撃が、より技術レベルの高い打撃の持ち主と戦ったらどうなるのか。それは明日、分かることだ。

僕にはグラウンドゲームもあるしね。寝技に関しては、圧倒的な差が存在しているよ。リトは爆発力があって、テイクダウンを止めることもできる。彼も力強い柔術はできるようだけど、テクニカルな柔術ができるとは言えない。スーパーストロングな柔術よりも、僕のテクニカルな柔術の方が上回っている。そこは断言するよ」

──ジャレッドはクレイジーな動きのようでいて、非常に科学的なファイターだと日本のファンは知っています。その日本のファンにメッセージをお願いします。

「パンクラスで初めて戦った時以来、ずっと日本のファンは僕の応援をし続けてくれている。RIZINで戦った時も『モンキーゴッド!!』って叫んで、サポートしてくれた。母国を離れて試合をするのに、あんな風に応援してもらえると本当に力になる。日本のファンは本当に最高だ。凄く感謝している」

■視聴方法(予定)
11月26日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
ジャレッド・ブルックス(米国)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
ポンシリP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
レネ・カタラン(フィリピン)

<キックボクシング・フライ級/3分3R>
パンパヤック・ジットムアンノン(タイ)
ダニエル・プエルタス(スペイン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ピーター・バウシュト(オランダ)
ラスラン・エミルベク(キルギス

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
フィリッピ・ロボ(ブラジル)
ロドレックP.K.センチャイムエタイジム(タイ)

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