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【PFL2021#10】打撃もレスリングの一部。ハイブラエフがウェードを完全コントロールしフェザー級の頂点に

【写真】この後に強力なダブルレッグがあり、そこを意識すると殴られ。パンチをかわすと組み倒され、ウェードはハイブラエフに屈した(C)PFL

<フェザー級決勝/5分5R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
Def.3-0:50-45.50-45.50-45
クリス・ウェード(米国)

スイッチを見せるウェードに対し、ハイブラエフが左オーバーハンドも距離が合わない。右のパンチを振りが大きいハイブラエフにウェードが前蹴りを放つ。右から左ロングを当てたハイブラエフが、左オーバーハンドを入れる。さらにフックを耳の辺りに受けたウェードが姿勢を乱し、ハイブラエフが組んでケージに押し込む。右腕を差したハイブラエフはバックを伺うが、ウェードが対応。大内刈りも反応したウェードだったが、直後に左右のフックを受けて組みつかれケージを背負わされる。

組みの圧力が、打撃に生きるハイブラエフに対し、すぐに立ち上がったウェードがクリンチにヒザを返すも、再び前方に送り出されワキを潜られるとバックを許す。ハイブラエフは両足をフックしてバックグラブを完成し初回を取った。

2R、右ローを蹴ったハイブラエフが、ウェードのハイをかわしてフックからボディロック、ここもケージに押し込んでいく。ウェードは組み勝てず、ヒザを返す展開が続く。残り3分30秒でレフェリーがブレイクを命じ、ハイブラエフが左をヒットさせる。続いて右も入れたハイブラエフは、ウェードの右を被弾してもさらに右を打ち返す。続いて右を振ってからのボディロックでバックに回ったハイブラエフが、正対したウェードをケージに押し込む。

体を入れ替えたウェードだが、左を良い形で差せずケージに押し込み返される。ハイブラエフがヒザを打った直後に離れたウェード、ヒザでカットし流血が目立ち小手を決めた内股でテイクダウンを取られるとバックを許して2Rも失った。

3R、ローを蹴り合った両者。飛び込んでの左のフックからハイブラエフが組みつき、ボディロックでテイクダウン狙いからバックへ。正対して起き上ったウェードに対し、ワキを潜ったハイブラエフがまたもバックに回る。正対してオーバーフックのウェードは、金網を背負う展開が続く。右腕を差して体を入れ替えたウェードは、シングルレッグ~アンクルピック狙いも、手首を掴まれテイクダウンを取れない。

ハイブラエフが右を差し返し、体を入れ替えるもレフェリーがここもブレイクを命じる。打撃戦でハイブラエフの圧負けするウェードが、直ぐに組まれバックを取られる。キムラ取れず、スイッチもできないウェードが組み負けた展開を強いられる。片ヒザをついたウェードは、簡単に両足のフックを許して3連続でラウンドを落とした。

4R、右オーバーハンドを見せてからのダブルレッグテイクダウンを早々に決めたハイブラエフは、リバーサルを潰してトップを維持する。ウェードはガードを取りキムラクラッチもバックを許して両足をフックされる。上って腰をずらそうとするウェードを制するハイブラエフは、胸を合わせに来られると自ら立ち上がって先手を打ちトップをキープ。スクランブルでバックを取られ返したウェードは、組みで完全に封じ込まれる。

それでもウェードが何とか胸を合わせたと思った直後に、ハイブラエフはレッスルアップからシングルレッグで譲らず、ギロチンも防いでトップのままラウンド終了──最後の5分を迎えることとなった。

最終回、チェーンレスリングでウェードを制し続けてきたハイブラエフは、ウェードの跳びヒザに左右のフック、そしてダブルレッグでケージに押し込みテイクダウンを決める。蛇に睨まれた蛙状態でハイブラエフの動きを止めることが一切できないウェードは、バックを制され時間が過ぎていく。

無理をする必要はないハイブラエフのケージ際でのバックコントロールが続き、試合は残り2分を切る。キムラの仕掛けも功を奏さず背中に張り付かれたままのウェードは前転から足関節を狙う。足をクロスしてディフェンスしたハイブラエフが後方から殴り、ヒザを畳もうとする。爪先に鉄槌という原始的な動きで足を取ろうしたウェードだが、結局思い通りにいかない25分が終わり──、ジャッジ3者が50-45をつける大勝で、ハイブラエフが2021年ウェルター級ウィナーとなった。


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