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【Road to ONE05】日本国内で、日本人対決=竹中大地戦へ、和田竜光「竹中選手だから、やる価値がある」

【写真】いつも目を挟むようなポーズを取ることがなかった和田。深読みすれば、試合直前──ということだろうか (C)MMAPLANET

5日(火)に東京都渋谷区のTSUTAYA O-Eastで開催されるRoad to ONE 05「Sexyama Edition」のメインで、和田竜光が竹中大地と対戦する。

ONE本戦契約中の和田が、本来は望んでいない日本人選手とのファイト、そして日本での試合を受けた理由は、「戦う価値がある相手」だったからに他ならない。

昨年12月のヨッカイカー・フェアテックス戦の不可解な判定負けから10カ月、試合まで2日前の和田の心境とは。


──まず昨年12月のヨッカイカー・フェアテックス戦の結果を受けて、和田竜光はONEとは相性が悪すぎる、もう他の舞台で戦った方が良いのではないかとすら思いまいした。

「アハハハハ。僕はONEに救われているので。ONEと契約していなかったら、引退していたかもしれないです。長南さん達が色々とサポートしてくれて、契約をしたプロモーションですから、長南さん達への感謝の気持ちは強いです。

だから現時点ではここで戦っていきたいと思っています。もちろん、将来的には何か違う選択をすることがあるかもしれないですけど。ONEにいる以上、全力でONEの勝ち方に適合していくつもりです。

ヨッカイカー戦の判定負けに関しては……これまでリース・マクラーレン、ダニー・キンガド戦の負けにしても僕自身は負けていないと思っています。ただし、ONEだったら判定負けになることもある。負けた気はしていないですが、受けいれています。ただし、ヨッカイカーに関しては、マジで何もやられていない。

インローは何発か蹴られましたけど、試合中に足を引きずってもいない。色が変わったとか言われても、そんなの背中にビンタすれば皮膚の色ぐらい変るし、ダメージでも何でもないですからね。

だったら殴って自分の拳を骨折した選手、相手の骨の硬さに負けたんだから、それもダメージですよ。つまり、その選手も負けになるはずだし。足を蹴られて、色が変ろうが普通にしているんだから、それはダメージじゃない。

もうブロックの上を叩いても評価されるし、空振りでも相手につくんだなって思うしかないです」

──和田選手が何もしていないのならともかく、オタツロックでバックを制した場面こそ、フィニッシュに一番近かったはずです。それに空振りやガードした攻撃も評価されるとか考えると、MMAが窮屈にならないですか。

「窮屈です(笑)。でも、ONEにいる以上はそうなんだということでやっています」

──ジャッジに試合結果を委ねるなという意見も、判定問題が起こるたびと聞かれます。

「勿論、理想は一本かKOなんでしょうけど、そんなことばかりできる人間がMMAを戦っているわけではない。僕は凡人の戦い方をするしかないです。だから何度も言っていますけど、その考えは嫌いです。なら判定になれば負けというルールにしてください。それだったら何が何でも一本を取りに行って、KOを狙いに行きます。でも、そういうルールではないので判定勝ちも勝ちです」

──全く間違っていないと思います。そして、ヨッカイカー戦から10カ月、Road to ONE05で竹中大地選手との試合が決まりました。なかなかONEと契約していて、日本で日本人対決を飲む選手は少ないかと。

「まず、あの試合から5月に一度試合が決まっていたのが、シンガポールのロックダウンでなくなり。そこから初めてのオファーでした。自分も正直、ONEと契約して日本人選手と戦うこと、ONE本戦であっても日本で戦うことに興味はないんです。海外で、海外の強い選手と戦うことが楽しくて。

ただ、今回に関しては相手が竹中選手だと聞いて、彼となら戦いたいと思いました」

──ズバリ、なぜ?

「強いと思っているからです。実は以前D-NETのグラップリング大会で、竹中選手とは試合をしたことがあって最後にテイクダウンを取られて負けているんです」

──そうなのですか!!

「ハイ。畳の試合で、僕も竹中選手もケージがないと全然、レスリングができなくて(笑)。だからといって引き込んで仕掛けることもなく。延々と首相撲とか動きのない立ちレスを続けるという塩試合で(笑)」

──なるほど、2人揃ってMMAファイターですね。

「あの時に竹中選手は力が強いって感じましたし、彼なら、戦う価値があると思いました。まぁ、僕も竹中選手も日本でこうやって戦うことで負けたらキャリアが傷つき、勝っても特に何かが変わる試合じゃない。

ただ、分かる人が分かる試合ですよね。この試合っていうのは。そういう試合のオファーがあって……それが長南さんからだったし、長南さんに『格好悪い』って思われたくなかったです。

だって相手が強くて、リスクの高い試合だからって逃げるなんて格好悪いじゃないですか。だから今回のオファーが竹中選手のような強い相手でなく、試合をこなすっていうのなら、シンガポールでの試合を待ったかと思います」

──その結果として1年の間、試合がないかもしれないです。

「そうなんですよ。コロナで飲食店の人たちが大変だとか、僕も言っていられないようになるぐらい試合がなかった。格闘家として仕事をしないといけない気持ちもありましたし、お金の話をどこまでして良いのか分からないですけど、Road to ONEはONE本戦と同じ条件で試合をさせてくれるんです。

長南さんから電話をもらって即答はしなかったですけど、5分後にはやるって言っていましたね(笑)」

──竹中選手も、この試合を受けたということは同じような覚悟を持っているということですね。

「それが……結構、焦らされました。まず最初の返答が『痺れました』ってことだったらしくて、だったらさっさとOK出せよって。こっちは試合があるのか、無いのかっていう状況が続いたので。

今回、当日計量でハイドレーション有りの61.2キロなんですけど、なんか体重のこともゴチャゴチャ言ってきて。まぁ竹中選手がそう言っているのか、マネージャーが言っているのか知らないですけど、フライ級に落としたんだったらフライ級でやれよって。それに日本なんだから、水抜きで56キロで戦えぐらいに思っています」

──まぁ、そこは前日の56キロでないから、階級を落としたのでしょうし(苦笑)。

「まぁ、そういうことなんでしょうけど。体重で駆け引きされた時は『舐めんなよ』って。重いだろうって要求は、しっかりと拒否させてもらいました」

──良いですねぇ(笑)。試合前から、勝つためのやり取りがある。ヒリヒリします。それにONEの選手はMMAとしてトータルバランスが取れているというより、秀でているところがあって、欠点がある選手が今も多いじゃないですか。久しぶりに和田竜光のMMAらしい、MMAが見られるのではないかと非常に楽しみです。

「ONEは偏った選手が多いですよね。そのなかで竹中選手は、バンタム級時代もランカーになっていておかしくない力の持ち主だと思います。フライ級転向後もそうだし、ランカーじゃないけど、ちゃんと強い選手です」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
10月5日(火)
午後5時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
竹中大地(日本)

<グラップリング・ライト級(※77.1キロ)/10分1R>
青木真也(日本)
キャプテン☆アフリカ(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
小野島恒太(日本)
山本聖悟(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
山本空良(日本)
野尻定由(日本)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
須藤拓真(日本)
南風原吉良斗(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
河名マスト(日本)
新関猛起(日本)

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