【Gladiator015】NCから7カ月、原口央と再戦へ。MIKE─01─「しょうがない。でも頭を抱えたいのは…」
【写真】さぁ、仕切り直しの刻がやってくる(C)MMAPLANET
26日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGladiator015で、フェザー級王者MIKEが原口央を挑戦者に迎え2度目の防衛戦を行う。
両者は今年2月に対戦しているが、開始12秒で原口の右インローが下腹部に当たったMIKEが続行不可能となり、試合はノーコンテストに。
MIKEにとっては悔しさの残る初防衛戦となった。前回の対戦から7カ月、王者MIKEに改めて原口を迎え撃つ心境を尋ねた。
――原口央選手とのリマッチを控えているMIKE選手です。MIKE選手は奈良県桜井市でM3AFITというジムを運営されていますが、コロナ禍はジム運営に影響を及ぼしているでしょうか。
「そうですね――近畿の中でも、奈良県って緊急事態宣言は出ていないじゃないですか」
――今のところ、近畿で緊急事態宣言が出ているのは大阪府、兵庫県、京都府、そして滋賀県ですね。
「もちろん大阪に近いので、大阪の感染者が増えると奈良も増えます。でも、その数字が増えると、問い合わせや入会申し込みが増えるんですよ」
――え!? それは意外です。
「因果関係は分からないんですけど……、運動して免疫力を高めたいのかもしれないですね。コロナ対策では免疫力も大切になってくるじゃないですか」
――そうですね。英国では1週間で2時間30分以上の運動を行っている人は、コロナに感染しにくいという調査結果もありました。
「もちろん手洗いや消毒など、日頃のコロナ対策を行ったうえで、運動して免疫力を高める。僕たち格闘技ジムができるのは、そうして免疫力を高めるお手伝いをすることじゃないかなって思います」
――なるほど。そんななか、今年2月には原口選手と対戦し、開始12秒でローブローが発生して試合はノーコンテストとなっています。ファイターとして、試合が開始12秒でノーコンテストとなってしまうのは、どのような心情だったのでしょうか。
「そうですね……あの試合については、川尻達也さんがラジオで取り上げてくださっていましたね。川尻さんも同じようなことがあったじゃないですか」
――2006年2月にヨアキム・ハンセンと対戦して開始8秒、ヨアキムのローが川尻選手の急所に入り反則失格勝ちとなりました。
「仕方ない部分もあるんですよね。川尻選手も言っていましたけど、オーソドックス✖サウスポーの場合、インローが入りやすいですから。あの試合は僕がオーソドックス、原口選手がサウスポーで、原口選手の右インローが当たってしまった。川尻さんの時も、川尻さんがオーソドックスで、ヨアキム選手がサウスポーでしたよね。ケンカ四つだとインローから攻めるのがセオリーだから仕方ない。でもローブローって、やり得なところもあるじゃないですか」
――やり得というと?
「ローブローは、1回目からイエローやレッドカードが出ることは、ほとんどないですよね。もちろん故意だったら違うでしょうけど。でも故意じゃなくても、反則は反則なので。自分が試合を続けられない状態であれば、続けないほうが良いというスタンスでいます。あの時は完全に効いていて、自分は続けられない状態でした」
――当たった瞬間に、これはもう無理だと思うものなのですか。
「最初は痛みがあったんですけど、次第に痛みはひいてきていたんです。だから『まだやれるかな……』と思ったものの、やっぱり続けられる状態までには痛みもひかなくて。試合の1時間後には病院に行っていました」
――ローブローが効いていた状態でも、「続けられるか、続けられないか」という冷静な判断はできるものなのですね。
「意識はハッキリしていましたから。そこで相手が見えたんですけど、頭を抱えていて――いや、頭を抱えたいのは俺のほうだよって(苦笑)。
この日のために何カ月も前からハードトレーニングをして、減量もしてきて……。久しぶりの試合だったから、楽しみにしてくれている人も多かったし、スポンサーさんもたくさん来てくれていました。でも、ああいう試合になってしまったから、僕も試合が終わってから謝り続けていましたね」
――ローブローというファイティングアクシデントで試合が終わったなか、応援に来てくれた方たちは、どのような感想を持っていたのでしょうか。
「仕方ない、気にしなくていいよと言ってくれました。それで今回も、たくさんの人がチケットを買って見に来てくれるので、ハッキリと一本かKOで勝ちたいですね」
――前回は1発目のローブローで試合が終わってしまったので、比較はできないかと思いますが、次の再戦について聞かせてください。
「普通にやって勝てると思っています。別に原口選手のことを甘く見ているわけじゃないです。彼は良い選手、素晴らしい選手だと思いますけど、まだキャリアが足りない。花が咲くのはまだ先じゃないかなって。だから今のうちに叩いておいて、僕が勝ち逃げします」
――原口選手はMIKE選手との第1戦の前……2020年10月の拓MAX戦から、それまでの試合とは打って変わって、レスリングの強さを生かしてテイクダウンとグラウンドのコントロールで攻め続けるようになった印象です。
「そうなんですよね。僕、YouTubeでBRAVEさんの練習動画を見ているんですよ。どうやってレスリング出身の選手を、あそこまで強いMMAファイターに育てることができるのかなって。今回は対戦相手ですけど、試合が終わったら指導の参考に伺わせていただきたいぐらいです(笑)」
――アハハハ。そんな原口選手の試合、どのような展開になると思いますか。
「同じレスラータイプだから、得意なところ、不得手なところも分かっています。特にお互いフリースタイル出身なので、スクランブルがポイントになるでしょうね。でも意外と、そんな予想をしていて、打撃戦になったこともありますけど(笑)。自分としてはテイクダウン、あるいはテイクダウンディフェンスを中心に試合を運びたいと思います」
<この項、続く>