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【Pancrase322】1年9カ月ぶりのファイト=松岡嵩志戦へ、粕谷優介「試合がしたいという感情が」

【写真】対戦相手の松岡も2度に渡る松本光史戦の延期もあり、19カ月ぶりの試合になる (C)PANCRASE

本日27日(日)に江東区USENスタジオコーストで開催されるPancrase322で、粕谷優介が松岡嵩志と戦う。粕谷にとって一昨年9月のライト級暫定王座戦=サドゥロエフ・ソリホン戦以来、実に1年9カ月振り実戦となる。

この間、新型コロナウィルス感染拡大が世界を襲い、サラリーマンでもあった粕谷は、試合に出ることを自粛していた。結果、試合を欲する自分、如何に格闘技を必要としている人々がいるのかを知った粕谷は、人生の転機でデカゴンに足を踏み入れる。


──1年9カ月ぶりの試合、コロナ禍では初めてのファイトになります。

「そうですねぇ。もうそろそろ落ち着いてくるのかと思っていたのですが、全然でしたね(苦笑)。もう、ずっと続くのでしょうね」

──この間、試合をしていなかったのは社会人として勤め人であるが故でしょうか。

「はい。道場もありますし、勤め先のほうでも感染のリスクのあることはなるべくしないようにということだったので。道場のほうは緊急事態宣言で2週間ほど完全に閉めていた時期もあるのですが、試合を目指して練習したいという人から戻ってきました。

なんか、コロナを経験して僕のなかでは、格闘技は社会に必要だと強く思えるようになったんです。もちろん、濃厚接触だし、反論もあるかと思います。それでも道場で練習したい人や子供たちもそうだし、僕も本当に格闘技がないと人生の一部が欠けていると気づきました。

一時期は、道場を閉めないといけないかという風に考えたこともあったのですが、今は道場という場所が必要な人がいるんだという風に考えが変わりましたね。感染予防対策をできるだけして、指導も練習もしていこうと。感染者が出ていないのか幸運なのかもしれないですが、そう思っています」

──結果、試合にも出ようと。

「去年の年末ぐらいに会社のこと、道場の指導で本当にギリギリになっていた時期があり、その時に試合がしたいという感情が湧き出てきたんです。これが悩みの種なんですけど、結局は試合がしたいというところに行きつく。また試合の緊張感を体感し、試合に出るための練習がしたいと思うようになりました。試合を戦うことは一番のストレス発散であり、刺激があることだと思います。

年が明けて、パンクラスの大会がなかなかなかったのですが、活動再開が決まった時に初めて自分から『試合できないですか』と連絡しました。

正直、今も自分がファイターだという感覚はないのですが、あの場に立てるなら立ちたいという気持ちが日々大きくなりました。試合を組んでもらえなかったから、しょうがないし。組んでもらえるなら、戦っていきたいです」

──対戦相手の松岡選手は、ここまでフェザー級とライト級でパンクラスのトップ勢と戦ってきた粕谷選手とすれば、毛色が変わった相手になります。

「う~ん、僕も4連敗をしたりトップではなかったわけですし、そういう意識はありません。それにこれだけ戦ってくると、相手の強い弱いを気にすることはなくなりました。ただ勝ちたい。そういう気持ちで試合に臨みます。

コロナがあったことで、格闘技が無くなるかもという恐怖心を持ったことがあって。できる資格があれば、どんどん試合をしていこうと思っています。僕は格闘技をやめることはないです。柔術も習っていてすごく楽しいですし。だから格闘技を続けるうえで、パンクラスのベルトが欲しいと思うようになりました。勝ちたいという気持ちの先にはベルトがあるんですよね。

前回のタイトルマッチはタナボタだったので、今回は勝ち続けると、またタイトルに絡めるんだということを意識して試合をします。諦められないという気持ちを、自分が持っていることにも気づきました」

──最近の粕谷選手を見ていると、辞めないなと思います(笑)。

「はい。キッズクラスがあって子供たちが頑張っている姿を見ると、俺は口ばっかりだと感じることもあるので」

──ところで長年勤めた会社を辞められると聞いたのですか。

「はい、今月いっぱいで退職します。もう有給期間で出社もしていないです。コロナ禍の影響もあって、会社員でいることが体力的に厳しくなったのもあります。13年間、お世話になったのですが、ここから自分が成長するうえで一旦区切りをつけようと思いました。

ただ、仕事は続けたいので次の仕事先も探していたのですが、パーソナルの申し込みが増えて──道場を閉めている時間に活用できるのは良いことなので、いったんは就職をやめて指導に専念しようかと思います」

──おお、では区切りの一戦になるわけですね。

「今もタウンワークを眺めていますし、アマチュアの頃から仕事をしつつ練習をしてきたので、会社員であることは強くなるうえで障害になると思っていないです。

だから道場の高校生や大学生には『しっかりと働け』と言っています。『俺たちは堀口恭司でも、那須川天心でもないんだ。彼らは才能があり、努力も人一倍したうえで格闘技に専念できる環境があった。でも、そうでない者がほとんど。いずれ格闘技に専念することがあったとしても、まずは社会を見ておくべき』と言っています」

──素晴らしいです。

「極々稀な成功例を基準にはできないですからね」

──この一戦を機に、生活環境が変わりますが気持ちも新たにケージに足を踏み入れるという感覚でしょうか。

「いえ、MMAは僕にとって楽しいことなので、同じ気持ちです。それと同時に、まだやれるぞというのは見せたいです。まだ弱くなったとは感じないですし、普段からやってきたことを全てぶつけたいです」

■視聴方法(予定)
6月27日
午後1時30分~ TIGET LIVE

■Pancrase322計量結果

<ネオブラッドTフライ級決勝/5分3R>
──
──

<ネオブラッドTライト級準決勝/5分3R>
伊良波:キロ
森井一輝:キロ

<ネオブラッドTバンタム級1回戦/5分3R>
上野惇平:70.6キロ
小川準也:69.55キロ

<ライト級/5分3R>
木村裕斗:66.05キロ
DARANI DATE:65.8キロ

<フェザー級/5分3R>
立成洋太:61.3キロ
上田厚志:61.15キロ

<バンタム級/5分3R>
サイバー遼:61.3キロ
宮島夢都希:61.5キロ

<フライ級/5分3R>
赤崎清志朗:56.75キロ
西村大輝:56.8キロ

<ネオブラッドTライト級準決勝/5分3R>
白川洸太:69.85キロ
ダスタン・オムルザオフ:69.85キロ

<ネオブラッドTバンタム級準々決勝/5分3R>
川北晏生:61.0キロ
内山拓真:61.65キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/5分3R>
田代悠生:56.9キロ
曾我英将:56.6キロ

<ネオブラッドTフライ級準決勝/5分3R>
聡-sDATE:56.45キロ
前田浩平:56.95キロ

<ウェルター級/5分3R>
菊入正行:77.3キロ
三浦広光:77.45キロ

<ライト級/5分3R>
松岡嵩志:70.35キロ
粕谷優介:70.25キロ

<ストロー級/5分3R>
尾崎龍紀:52.4キロ
山北渓人:52.4キロ

<無差別級/5分3R>
佐藤光留:89.7キロ
渕上幹斗:105.8キロ

<フライ級/5分3R>
有川直毅:56.9キロ
山中憲次:56.4キロ

<フェザー級/5分3R>
名田英平:65.95キロ
高橋祐樹:65.35キロ

<フェザー級/5分3R>
狩野優:65.1キロ
林優作:65.55キロ

<ライト級/5分3R>
丸山数馬:70.3キロ
平信一:70.45キロ

<フェザー級/5分3R>
遠藤来生:64.85キロ
中川皓貴:65.9キロ

<女子ストロー級/5分3R>
EDGE:51.75キロ
華蓮DATE:51.4キロ

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