【DEEP101】DEEP初参戦、KINGレイナと対戦する東陽子─02─「坂本靖さんが佐伯さんと……」
【写真】月曜夜のMe,WeのMMA上級者クラスで東は、プロ選手だけでなく他競技で結果を残し、プロMMAデビューを目指す選手達が充実のトレーニングを行っている(C)t.SAKUMA
20日(日)、東京港区のニューピアホールで開催されるDEEP101にて、KINGレイナと対戦する東陽子のインタビュー後編。
東はMMAと子育ての日々を送りながら、交流があるという渡辺華奈も参戦する海外大会への想いを馳せる。その夢に向かって落とすことができない、KINGレイナ戦について訊いた。
※6月23日(水)発売のFight&Lifeでは東陽子が所属するリバーサルジム新宿Me,Weのレポートが掲載されます。
<東陽子インタビューPart.01はコチラから>
――渡辺華奈選手と交流があるのですか。
「華奈とは学年が近くて、強化選手で一緒でした。だから、柔道時代からお互いに知っていたんですよ」
――そのお二人が、同じ時期にMMAを始めるのは、不思議な縁ですね。
「そうなんです。私がMMAをやりたいと思っていた時に、共通の知り合いから『華奈もMMAを始めるらしいよ』と聞いたので、連絡を取って。そこから何回か一緒に練習したりしました。プライベートでも会ったりしますし。今はコロナ禍で、会うことはできなくなりましたけど、連絡は取り合っています」
――そんな渡辺選手が、Bellatorに出場していることについて、どのように感じていますか。
「羨ましいですね。私も海外の大会に出たいので、『華奈が先に行ったかぁ……』と思ったり」
――そこに嫉妬のような気持ちはないですか。
「華奈は、MMAでは負けなしでやってきましたから。やっぱり勝負の世界では、成績を残さないと上には行けないな、って痛感しています。華奈を見て、もっと私も頑張らないといけないなと思いますね」
――お子さんがいるなか、30歳という年齢でMMAを始めるのは、いろいろ大変なこともあったかと思います。
「MMAを始めた時は、単に勢いでした(笑)。自分でやると決めたことは、やらないと済まない性格なので。でも、MMAをやることで『ちゃんと子育てしていない』と言われるのも嫌だし、息子に寂しい思いをさせたくない、という気持ちは大きかったです」
――MMAをやっているから子育てができない……周囲から、そんな目で見られることもあるのですか。
「はい。『格闘技をやりながら、ちゃんと子育てできるの?』って言われたこともありました」
――お子さんは、お母さんがMMAをやっていることについて、どのように感じているのでしょうか。
「小学1年生の男の子なんですけど、一緒に入場する時は楽しんでくれています。勝利者インタビューの時、ケージの中へ入れると『ちょっと緊張するな(笑)』とか言って」
――東選手より息子さんのほうが緊張しますよね。
「保育園にいる頃、保育園の先生が私の試合を見に来てくれたことがあるんです。それで先生が息子に『お母さん、カッコイイね!』と言ってくれたりして。息子も保育園では友達に、『オレ、試合で入場するから』と誇らしげに、嬉しそうに話をしていたみたいです」
――お子さんにとって、MMAをやっているママが自慢であれば、素晴らしいことです。
「私が勝った時は友達に『オレのママ、試合に勝った!』と言っていて。反対に負けたら、1年間ぐらい私の傷口に塩を塗ってくるんですよ。『この間、負けたしね』とか(笑)」
――ハハハ(笑)。
「今は本人もキックボクシングを習っていて、練習がキツくても『オレは辞めない』と言っています。試合は出たくないみたいですけど、練習は休まずに行っていますね」
――お子さんが「試合に出たい」と言ったら、どうしますか。
「本人がやりたいと言ったら、やらせてあげようと思っています。私自身が、自分のやりたいことをやってきましたから」
――なるほど。そして今回、東選手はDEEP初参戦で、KINGレイナ選手と対戦します。
「以前、パンクラスの坂本靖さんから『誰か対戦したい相手はいますか?』と聞かれた時に、KINGレイナ選手って答えたんですよ。この階級で国内なら一番有名だと思うので。ただ、その時は坂本さんも『難しいかもなぁ……』という感じでした」
――KINGレイナ選手の主戦場はDEEPですから、試合の実現は難しかったかもしれません。
「KINGレイナ選手がRIZINに出ているのを見て、いつか対戦したいと思っていました。ちょうどその頃、パンクラスさんもコロナ禍で海外選手を呼べず、私の試合も組みづらくなったみたいで。それで坂本さんがDEEPの佐伯さんとお話をしてくださり、佐伯さんからも理解を頂いて、今回のDEEP出場が決まったんです」
――そのような経緯があったのですね。
「はい、今回の試合は、そうやってプロモーション間で協力して組んでいただいたものなんですよ。だから関係者の皆さんには、本当に感謝しています」
――では対戦相手のKINGレイナ選手については、どのような印象を持っていますか。
「今回は国内の重量級では無敗の相手で、油断はできません。でも同じ柔道ベースだし、私が勝つと思っています」
――ここはキッチリと言い切りましたね。
「これまでパンクラスでは、頂いたチャンスを負けて潰してきてしまいました。この試合に勝ったら海外への道も開けるかもしれないので、ここはもう絶対に落とせないです。しっかりと勝って、協力してくださった皆さんに恩返しします」