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【EUG02】茶帯ミカ・ガルバォン、センス・オブ・ワンダー柔術で超新星ダウプラを破り決勝へ

12日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのラスベガス・ハーレーダビッドソンにてEUG(Evolve Ur Game)プロモーションの第2回大会が行われた。

レビュー前編では、優勝賞金1000ドルが懸けられた170パウンド以下級8人制トーナメントから、準決勝=20歳のAOJ黒帯タイナン・ダウプラと17歳の茶帯、スーパーティーンネイジャー=ミカエル・ガルバォンが激突した凄絶な戦いの模様をレポートしたい。


<170 ポンドT準決勝/7分1R>
ミカエル・ガルバォン(ブラジル)
Def. by Ref Disicion
タイナン・ダウプラ(ブラジル)

新黒帯にして優勝候補筆頭のダウプラは一回戦、代打出場のセザ・プレデスと対戦。強固なガードに引き込んでスイープすると、持ち前の凄まじいプレッシャーパス攻撃で主導権を握り、最後は粘るプレデスの背後に回ると、ギチョーク狙いから後三角絞めをロックオン。そのまま腕を極めて一本勝ちを収め、黒帯取得後無敗記録を伸ばすとともに、その実力を見せつけた。

対する茶帯の「ミカ」ことガルバォンの方は一回戦で、米国人黒帯ダミアン・ニトキンと対戦。出場メンバーの中では明らかに実績に劣るニトキンがクローズドガードから立ち上がると、すかさず右足を抱えて倒す基本スイープでマウント奪取。そのままバックを奪いリアネイキッドチョークを極め、わずか2分で圧勝してみせた。かくして準決勝にて、20歳のダウプラと17歳のミカによるファン待望のスーパー新人対決が実現した。

試合開始後、スタンドでミカが足を飛ばすが、ダウプラはすぐに引き込んでクローズドガードへ。すかさず立ち上がったミカがダウプラの足を押し下げてガードを開かせると、ダウプラはすぐにデラヒーバでミカの右足に絡んでゆく。

そのまま右手で袖を取るダウプラ。普段ならここから問答無用ですぐにスイープを決めてしまうところだが、ミカの重心は崩れない。そのうちミカが左足で外側にステップオーバーしてのパス攻撃を仕掛けるが、ダウプラは超えられかけた右足をすぐに戻す。

半身になりながらデラヒーバフックを深く入れるダウプラ。ミカは自分の体の前にあるダウプラの右足を腕で押しのけると、次の瞬間頭から低く入り、同時に右腕でダウプラの首を抱えて腰を切る。そのままマットに半身を付けたまま右に動いてのパス狙いへ。難攻不落のダウプラのガードを、17歳の茶帯が追い詰める驚きの光景が展開されている。

半身のミカは絡まれている右足をなんとか外しにかかるが、ダウプラも強固なグリップを離さずに守る。ならばとミカは上体を起こしてニースライスに移行。さらに方向を変えて左足を右にステップしてパスを狙う。懸命に足を利かせて守るダウプラだが、ついにミカが胸を合わせたまま一本足を超えてハーフに。

が、次の瞬間ダウプラは下からミカを浮かせてのスイープ狙いへ。ミカはバランスを保つと、またしてもヒザを入れて低く体重を預けてのニースライスへ。さらに横に動くミカに足を抜かれたダウプラだが、インヴァーテッドを作って足を効かせ、強固なフレームを張って正対してみせた。

が、ミカは次の瞬間またしても右のニースライスへ。再び足を抜かれかけたダウプラだが、ここも強固な腕のフレームで押さえ込みを許さず距離を作る。ここでアクションが一段落と思いきや、ミカがさらにパスを狙って迫ったところで場外ブレイク。攻めるミカと守るダウプラ。柔術界の未来を背負う両者によるあまりに壮絶なパスガードの攻防だ。

ダウプラが座った状態で、マット中央からの再開。すぐさま襲いかかり旋回するようにパスを狙うミカ。足を効かせて守ったダウプラは、内側に入っている左足をフルガードに戻しにかかる。と、瞬時に対応したミカが右足を入れてのニースライスへ。そのまま上半身を低く預けたミカは、サイドに出てみせた。

ついにダウプラのガードが陥落かと思いきや、ダウプラは完全に押さえ込まれる前に渾身のスクランブル。全身を使ってミカの体を浮かせて強引に起き上がり、そのまま上になってみせた。

ここで上下が入れ替わった両者だが、サイドを取られた状態からのリバーサルなのでスイープとしては認められず。両者ともにポイントは与えられなかった。

残り1分半。下になったミカが左でラッソーを作る。ここまで攻め込まれているダウプラは、重心を低くして横に動いてのパス狙いに。が、ラッソーグリップを利用して体勢を持ち直したミカは、そのまま後転スイープへ。バランスを崩されたものの容易に下になることを拒絶するダウプラは、前向きに額からマットに突っ込んでいった。

すぐさま起き上がるダウプラだが、それよりも一瞬早く立ち上がったミカが跳びつき三角絞めへ。足を完全にロックするものの、ダウプラは腰を上げて前傾姿勢を取り、絞めを緩めようとする。ならばとミカが右腕を極めにいったところで、7分間の至高の戦いが終了した。

スコアは0-0だが、判定は上からも下からも攻め続けたミカに。黒帯取得以来驚異の快進撃を続け、今年の世界柔術でも優勝候補に挙げられるダウプラを、茶帯の17歳のミカが圧倒した形だ。

トップからの卓越したバランス、反応速度、相手に一切の隙を与えず攻め続けるその姿勢、そして世界最高峰にあるダウプラのトップからのプレッシャーをあっさりとかわして崩すスイープ能力と、すぐさま極めに繋げる攻撃力──良かった点を挙げると、いくらでも出てくる。

そんなミカエル・ガルバォンのセンス・オブ・ワンダーに溢れた戦いぶりと、その限りない潜在能力に世界が震撼した一戦だった。そしてそれを引き出したのが、驚異的な身体能力と意地を見せ最後までポイントを許さなかったダウプラの戦いぶりだったことも間違いない。

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