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【ONE Dangal】ヘビー級王者ベラに挑戦、アージャン・ブラー─01─「個人の練習場があるから問題ない」

【写真】インタビューにあるような練習環境を持てる。人間という意味で、アージャン・ブラーは実力者なのではないか……(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで収録されたONE Dangalが中継される。

そして同番組のメインイベントは4月29日に行われたONE世界ヘビー級選手権試合=王者ブランドン・ベラ✖アージャン・ブラーの一戦だ。カナダ国籍を持ち、カナダ五輪代表レスラーだったアージャン・ブラーはインド人、クシュティと共に生きてきた彼はパンデミック後もまるで練習に困ることがなかったという。

驚愕の練習環境を持っていたブラーのダンガル、インド人ファイターの宴への意気込みを尋ねた。


──ONE世界ヘビー級挑戦に向け、コロナ禍の下でどのような準備をしてきましたか。

「パンデミック後、ロックダウン政策によりAKAが閉められている時間が続いた。結局、オープンしたのは4月に入ってからだし、僕はこの間はずっとバンクーバーにいたんだ。

もともと去年の5月にブランドンに挑戦する予定だったけど、AKAでキャンプに入った途端にパンデミックが起こった。当時はどんなウィルスかも分からず、世界が恐怖に包み込まれたよね。国境封鎖まで行われたんだから試合がキャンセルされたのは当たり前だし、1度リセットされた試合も流れた。

だからブランドン・ヴェラへの挑戦は3度目の正直、ようやく実現することになったんだ。ONEと契約した時からの目標がようやく現実となる。凄くエキサイトしているよ。試合まであと1週間、こういう興奮した状態になるのはいつもと変わりない。とにかく1週間後にはベルトを巻く」

──バンクーバーでは、変わりなくトレーニングを積むことができたのでしょうか。

「パンデミック後にそれまでのように練習できなかったのは、ブリティッシュコロンビアだけでなく世界中同じだったと思う。ただ僕はプライベートで練習場を持っているから、その点においても困ることはなかった」

──プライベートの練習場ですか!!

「そうなんだ。フルサイズのケージと3つのレスリングマット、サンドバックも常備されている」

──ジムを保有しているということですか。

「そうじゃなくて、プライベートのトレーニング場だよ」

──!!

「アハハハ。そこにヘビー級のトレーニング・チームを創り、オーソドックス、サウスポー、色々なタイプの選手が集まってそれぞれが持つスキルをシェアしてきた。パンデミックに関係なく、僕はMMAを戦っていくのだから練習環境を整えていたんだ。だから、この1年で練習に困ったことはないよ。

もちろん州政府の予防対策があるから、対人トレーニングの禁止だとか色々とルールは設けられてきた。でも……僕はずっと練習してきたよ。アハハハ。僕が練習してきたのは、プライベートの練習環境だから、家のなかで練習するのと変わりない。

そして、バンクーバーでは人数制限は設けられていたけど、プロフェッショナルのスポーツ選手はトレーニングをすることは許されるようになった。コーチ、トレーナーを含めて10人。これだけいれば問題なくトレーニングを続けることはできたよ」

──パンデミック直後にその練習環境を整えたということですか。

「この環境はパンデミックがあったから創ったわけではなくて、ONEとサインをした時からバンクーバーにいるときの練習環境を良くするために用意していたんだ。

だから運よく、トレーニングに関してはパンデミックの影響を受けることはなかったんだよ」

──なんとも!! パンデミック後も非常にたくさんの選手を取材してきましたが、練習に全く影響がなかったと言い切ったのはアージャンが初めてです。

「ロックダウンが始まり、移動にも制限が加わった。でも家で仕事をすることは認められている。これは僕の仕事なんだ。僕に練習をやめろということは、生きるのをやめろということだからね」

──いやぁ、もっともですが……そこまで環境を整えていた選手の言葉なので、より説得力があります。

「でも、このタイミングでパンデミックが起こったのは本当に偶然だし、しっかりと環境を整えていたことは運が良かったよ」

──備えあれば憂いなし、ですね。とはいえMMAは大会開催があって、対戦相手が存在することで成り立ちます。ONEが国際大会を再開してから7カ月、世界戦を待たないといけなかった点に関しては、練習環境が整っていただけにフラストレーションがたまったのではないでしょうか。

「もの凄くフラストレーションがたまっていたよ。もう言葉にできないぐらいね。僕はアスリートだ。僕の人生でこれだけ長い間、試合に出なかったことはない。ヘルシーでモチベーションも十分、でも戦うことができなかった。こんなに厳しいことはないよ。

とはいえ、僕にコントロールできるわけじゃない。なぜ、すぐに試合が組まれなかったかは僕の知ることじゃない。でも、フラストレーションがたまり過ぎて爆発しそうになったことは確かだよ(笑)。

イッツ・ウォーター・アンダー・ザ・ブリッジ(It’s water under the bridge)──もう済んだこと、今更どうにもならない。ようやく挑戦の機会が巡ってきたことだし、しっかりと獲物をしとめるよ」

──今大会はリトゥ・フォーガット、グルダージャン・マンガットらが出場します。

「インディアン・インベージョンだ(笑)」

──大会名も気に入っているのではないですか。

「イベント名は聞かされていないよ。僕が名づけるなら、今言ったようにインディアン・インベージョンだけどね(笑)。ところで、なんてタイトルなの?」

──Dangal、ダンガルです。

「おお、ダンガルかい!! 最高だ(笑)。素晴らしいよ、めちゃくちゃ良いね。いや、嬉しいよ。大会名を聞いて、さらにやる気が出た。ダンガルはリトゥのストーリーだけど、インドのレスリングのストーリーでもある。だから、僕の物語でもあるんだ。僕らはダンガル出身だ。

そんな大会で初めてメインイベントで戦い、世界王座に挑戦できる。そしてインド人初のMMA世界王者になる……そのために自分の全てを賭けて戦うよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月15日(土・日本時間)
午後7時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■ ONE Dangal 対戦カード

<ONE世界ヘビー級(※102.01キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]ブランドン・ヴェラ(米国)
[挑戦者] アージャン・ブラー(カナダ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>※
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム(タイ)
ショーン・クランシー(アイルランド)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
リトゥ・フォーガット(インド)
ビー・ニューイェン(米国)

<58.3キロ契約/5分3R>※
三浦彩佳(日本)
ハイアニ・バストス(ブラジル)

<65キロ契約/3分3R>
グルダージャン・マンガット(カナダ)
ロシャン・マイナン(インド)

※2月26日に収録。その他の試合は4月29日に収録された試合

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