この星の格闘技を追いかける

【Shooto2021#03】清水清隆と対戦、宇田悠斗─01─「東京のジムは、スパーリングの強度が高い」

【写真】ナチュラルにアグレッシブ。試合前の相当に気合が入った表情も自然とこうなっているのだろう(C)MMAPLANET

16日(日)、東京・文京区の後楽園ホールにて「Shooto2021#03」が開催される。

コロナ禍で緊急事態宣言が発令され、その延長も決まり開催自体が不安視されたが、有観客で行うことが決定した同大会で、注目のニューホープ宇田悠斗が、世界フライ級2位の清水清隆と戦う。現在5戦無敗の宇田は、さらなる飛躍を目指すため、東京で出稽古を行ったという。宇和島に戻り、大会開催の報を受けた宇田に話を聞いた。
Text by shoiro Kameike


――コロナ禍の緊急事態宣言により開催がどうなるか注目されていましたが、16日のプロ修斗公式戦が有観客で行われることが正式には発表されました。宇田選手としては、コロナ禍で練習や試合に何か影響はありますか。

「特にはないですね。もともと所属しているジム(総合格闘技道場HOPE)には選手が少ないので。練習環境は、それほど変わらないです」

――総合格闘技道場HOPEは、プロ選手は宇田選手1人なのでしょうか。

「僕の同級生である岡野史詩が、去年プロ昇格しました。プロデビューはまだなんですけど、プロライセンスは取得しています。練習は基本的に岡野と2人で、あとは一般会員さんと練習することもあります」

――他のジムで練習することはないのですか。

「この間、2カ月ほど東京で出稽古に行っていました。兄が東京に住んでいて、そこでお世話になりながら、兄の家から行きやすいジムだったり、知り合いに紹介してもらったりして……」

――東京ではどのジムに?

「いろんなジムに行かせていただきました。埼玉のK-PLACE、修斗ジム東京、ロータス世田谷、トライフォース赤坂、KRAZY BEEなどですね」

――以前MMAPLANETでお話を伺った時、宇田選手は地元で強くなることにこだわりを持っているように感じられました。それが今、なぜ東京へ。

「やっぱり今の環境では、練習相手がいないので。ホント、試合以外で他の選手と手を合わせることがなかったんです。他のジムでスパーリングをしたことがなくて。でも、もっといろんなタイプの選手と戦うための経験を積まないといけないな、と思って」

――では初めて出稽古を行ってみて、いかがでしたか。

「東京のジムは、スパーリングの強度が高いですよね。だから試合に近い感覚で練習することができました。すごく自分の身になったと思います」

――どんな点が一番身になったのでしょうか。

「立ち技が得意な選手、組み技が得意な選手、たくさんいるじゃないですか。そうした選手と細かい技術交換もできたし、いろいろ教えてもらうこともできました。でも一番大きいのは、精神面ですね」

――精神面、というと?

「まったく組んだことがない選手とスパーリングするのは、試合と似ているじゃないですか。だから、初めてのタイプと手を合わせることで、緊張も解けてきたというか。今まで試合では、毎回すごく緊張していたので……」

――そうだったのですか。試合を見ていて、それほど緊張しているようには見えませんでした。

「本当ですか? 結構ガチガチでしたよ、僕の中では(苦笑)」

――宇田選手といえば、相手が誰でもアグレッシブで、自分の形に持ち込むのが得意なファイターだと思っていました。それは試合中ずっと冷静でいられるからなのかと……。

「アグレッシブ、とは言われますね。でも、自分でアグレッシブに行こうとか意識したことはないんです。それこそ結構、丁寧にやっているつもりなんですけど(笑)」

――あぁ、それは“アグレッシブ”の捉え方ですよね。宇田選手の場合は、ただガンガン行くタイプのアグレッシブさではなく、とにかく自分のスタイルを貫いて攻めるという印象を受けます。

「そうですか。僕は昔から、何でも自分がやりたいことをやり抜くタイプでした」

――あまり周りの声も気にならないタイプなのかな、とも思います。

「そうですね……気にならないです。気にならないというか、気にしないというか」

――周りの声を気にしないのは、子供の頃からですか。

「昔から、です。中学時代に柔道をやっていたんですけど、ライバルと言われる存在っていたりするじゃないですか。でも、そういう声もあまり気にしたことがなくて。そういう選手の試合を見ると、『強いな』とか思うことはありますよ。でも、誰が相手でもやってみないと分からないから」

――だから、周りの声に左右されることなく、自分がやりたいことをやり抜くことができる。

「そうだと思います」

――なるほど。では次の試合についてお聞きします。次は世界フライ級2位、清水清隆選手と対戦しますが、まず清水戦のオファーが来た時、どう思いましたか。

「あの、正直……ビックリしましたね。僕はやりたかったです。でも、まだデビューして5試合しかしていないのに『いきなりランキング上位の選手とやらせてもらえるのか!?』って」

――ランキング2位の清水選手と、ランキング8位の宇田選手の対戦。勝者は世界王座への次期挑戦者となることが予想されます。

「はい、僕はそう思っています」

<この項、続く

PR
PR

関連記事

Movie