【PFL2021#01】寝技一切なし、マーチン・ヘルドが連覇中のナタン・シュルチを破りPFL初陣で金星
【写真】この右アッパーが良かったヘルド。きわどい判定ながら。世界王者をボクシングマッチで破った(C)PFL
<ライト級/5分5R>
マーチン・ヘルド(ポーランド)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ナタン・シュルチ(ブラジル)
左から右を伸ばし前に出るヘルドに対し、シュルチも左フックを返し右ローを蹴る。ジャブから右を入れるヘルドは、額で受けるシュルチにパンチを続ける。勢いづき、左ジャブ、ワンツーを打ち込むヘルドが近距離では右アッパーを突き上げる。アッパーからフック、ボディから顔面、そしてワンツーと手を出し続けるヘルドに対し、シュルチの気持ちは折れておらずガードを固めて反撃の機会を持っているか。
ヘルドはワンツー、右オーバーハンドを続けるなかで、カーフを蹴られる。組んだシュルチはボディロック、ウィザーのヘルドはカニバサミにはいかず、ポジションを入れ替えダブルレッグで押し込んでいく。シュルチは右を差して押し返すと、ヘルドは小手投げから離れワンツーを見せた。直後のダブルを切ったシュルチが、クリンチでケージ際へ。首相撲からヒザを入れたヘルド、ラウンドを取ったが──逆に削られていないかは、気になるところだ。
2R、ガードの上からパンチを続けるヘルドが、ワンツーフックをヒットさせる。さらにジャブを伸ばし、シュルチは右カーフローも、右アッパーを受ける。やはり疲れた感のあるヘルドは、右を伸ばすが左を合わされる。ヘルドは左フック、左ジャブからアッパーを再び決める。構わず前に出たシュルチが右フックを振るい、圧力を高めていく。左右に回るヘルドを追いかけるシュルチは、パンチの交換のなかで右をヒットさせる。ヘルドもジャブ、アッパーを返す。
と、残り80秒でダブルレッグを決めたヘルドだが、シュルチがすぐに立ち上がる。クリンチでケージに押し込んだシュルチが、互いにヒザを蹴り合いラウンド終了を迎えた。
最終回、構えを変えてジャブを伸ばすヘルドに対し、じりじりと前に出るシュルチが右オーバーハンドを入れ、ダーティボクシングでは数で優位に立つ。ヘルドはヒザを見せ、距離を取り直して組むが、シュルチが足払いで突き放す。ワンツーに右をカウンターで当てたシュルチが、前に出て左ミドル。一発のキレはシュルチが上で、ヘルドは懸命に手を出すがミドルを蹴られて、大きく息をする。
残り2分、アッパーに右を合わせたシュルチ、ヘルドはジャブから距離を取る。シュルチは左フックに右を当て、右を続ける。ヘルドのパンチはガードの上を叩くことが多い。それでも右アッパーを打ち込んだヘルドは、左から右を被弾する。ヘルドは右アッパー、左ジャブを返し、ガッツポーズを見せ叫び声を挙げる。シュルチは拳を握って、ポーズを取ろうとした刹那、ヘルドがワンツーを入れてタイムアップ。
初回は明確にヘルド、最終回はシュルチ。2Rをどちらが取るか。結果──ヘルドが判定勝ち、フェザー級に続きライト級も連覇中の世界王者が敗れた。