【ACA120】マゴメド・ビブラトフが回って、倒してオリヴェイラを圧倒。新ACAバンタム級チャンピオンに
<ACAバンタム級選手権試合/5分3R>
マゴメド・ビブラトフ(ロシア)
Def. 5-0:49-46. 49-46. 49-46. 49-46. 49-46
ダニエル・オリヴェイラ(ブラジル)
いきなり右ストレートを伸ばしたオリヴェイラ。ビブラトフは近距離ながらスピニングバックキックを見せる。ビブラトフは右カーフを蹴り、前蹴りから2度目のスピニングバックキックを繰り出す。そこに右フックを狙ったオリヴェイラ、姿勢を乱したビブラトフがすぐにスタンドに戻る。
パンチを見せ、回転系のフェイクからボディを決めたビブラトフは、オリヴェイラの右オーバーハンドをかわし、ローに右を合わせて蹴り足をキャッチする。シングルからダブルに切り替えたビブラトフが、テイクダウンを決める。パウンドからオリヴェイラの動きに合わせバックに回ったビブラトフが、勢いのあるパンチを入れ寝技に持ち込む。オリヴェイラのキムラ・クラッチに、胸を合わせていきトップから抑えるビブラトフが、重いパウンドを落とす。さらにヒザを腰に入れエルボーとビブラトフの攻勢が続く。チャンピオンはギロチンからがぶりに移行したが、それ以上の攻めはなく初回はチャレンジャーが取った。
2R、ビブラトフがまずサイドキック。オリヴェイラは走るような踏み込みから左を伸ばすも、届かない。ビブラトフは近い距離でワンツー、手をマットについての蹴りはオリヴェイラの頭上を通過し、直後に組みつかれる。ここでビブラトフは逆にテイクダウンを決め、オリヴェイラはガードで落ち着く。ビブラトフは左右のエルボー連打し、着実にポイントを加点し、ダメージを与えていく。
王者はクローズドガードも、エルボーを続けられスクランブルでバックを許す一方的な展開に。両足のフックが解かれ、前方に落とされたビブラトフが逆にバックを譲る。ビブラトフは落ち着いて胸を合わせると、スピニングバクフィストを当てて間合を取り直す。ここからボディストレートを決めたビブラトフが、後ろ回し蹴りに。これは空振りも、ビブラトフのリズムで試合は進み、スピニングバックフィストに反応したオリヴェイラにスピニングバックキックというコンビを見せたビブラトフが、この回も取った。
3R、爆発力ある突進が見られないオリヴェイラは、ただ粗いパンチを繰り出すような状態になっている。対して、ビブラトフボディからスピニングバックキックを腹に決める。オリヴェイラのフックやローをサイドキックで跳ね返したビブラトフが、直後に組んでテイクダウンを決める。為すすべなく背中をつけたチャンピオンはブリッジも、すぐにスペースを作ったビブラトフをリバーサルできない。
オリヴェイラは下の状態が続き、ニーシルドを取るがヒジで顔面を打たれ半身でボディから顔にパンチを受ける。スクランブルに持ち込めず、頭を抱えにいきパンチを連打されるオリヴェイラはハーフから足を取りいくが、ビブラトフがそこでもパンチを落としラウンド終了を迎えた。
4R、ビブラトフのショートのコンビネーションに頭を下げるチャンピオンは、組んで投げをうつもホールドに行かず、スタンドで待ち受けスピニングバックキックを受ける。続くシングルも、逆にバックに回られボディロックでリフトされる。ここは腹を突き出し、足をフックして倒されなかったが、ケージに詰められダブルレッグ、シングルレッグと攻め込まれる。
オリヴェイラは体を入れ替えたが、ビブラトフが押し込み返す。エルボーを受けた結果が、額に大きなたんこぶが見えるオリヴェイラが、再びポジションを入れ替える。ケージ際での攻防が続いたこの回は、両者が体力温存を念頭においた5分となったようだ。
残り15秒でボディに連打を入れ、一本背負いに出たビブラトフ。これは失敗に終わり、ツーオンワンを続けて時間を待った。
最終回、逆転と王座防衛を賭けてオリヴェイラがどのような動きを見せるか。セーフティフィードを築いているビブラトフは、後ろ回し蹴り後に右フックを受ける。チャンピオンに追い打ちはなく、跳びヒザを狙われると自らは跳び蹴りを繰り出す。と、ローに右オーバーハンドを合わせたオリヴェイラは、尻もちをついて立ち上がったビブラトフにシングルレッグを仕掛ける。胸を合わせたオリヴェイラは押し込みに拘る。
ダブルアンダーフックから煽り、ビブラトフが姿勢を下したところでバックに回ったオリヴェイラが足を一本フックして鉄槌を打ちつける。残り90秒、胸を合わせたヒザをボディに入れたビブラトフが離れて、ボディからワンツー、サイドキックを腹に蹴り込む。さらにクリンチからダブル、バックを伺いオリヴェイラが反応して正対するとエルボーを打って離れる。
右フックを打ち返したオリヴェイラに対し、ビブラトフはアッパーを空振りしてダブルレッグへ。逃げ切りをかけ、引き込んだビブラトフはオリヴェイラの前屈みのパウンドにスイープを合わせ、最後はトップからパウンドを落とし試合をまとめた。
結果はユナニマス・デシジョンでビブラトフがACAバンタム級王座を奪取、「凄く嬉しい。4か月準備してきたんだ。初回は立ち技で勝負しようと思ったけど、足に痛みを感じてレスリング勝負に切り替えたんだ。4Rと5Rは勝利を意識して戦った。可能な限り、ずっとこのベルトを巻いていたい」とマイクで話した。
変則的だったフェザー級に続き、バンタム級もベルトがブラジルからロシアに取り戻されることとなった。