【UFN36】佐藤豪則<02>「専門家の時代がやってくる」
【写真】桜庭和志の教えと長南亮の指導、佐藤豪則がどのようなファイトをUFCで見せるのか非常に楽しみだ (C)MMAPLANET
15日(土・現地時間)にブラジル・サンタカタリーナ州ジャラグア・ド・スゥのアレナ・ジャラグアで開催されるUFC Fight Night36「Machida vs Mousasi」で、エリック・シウバと対戦する佐藤豪則インタビュー第2弾。
北米MMAスタイルの主流とは明らかに違うファイトスタイルの持ち主・佐藤は、桜庭イズムと長南リズムを融合させ、タフなブラジルでのUFCデビュー戦に臨む。
<佐藤豪則インタビュー Part.01はコチラから>
――アームロックならどのような態勢でも仕掛けることができますか。
「どこからでも、下からでも上からでも。押し込まれたところからでも仕掛けることができます。ケージレスリングのなかでアームロックによって攻防が広がるのは、ファンタジーがありますよね」
――極めは極め切らないと評価がされにくく、スタミナのロスを考えて序盤から一本を狙う選手が少なくなっているのが現状です。
「僕はチャンスがあったら、全力で取りに行きます。そういう試合になると思うんです。今回はオファーも急でしたし、一度のチャンスを極めることができるかどうか。判定でポイントゲームをする気はサラサラないです。やるかやられるかです」
――エリック・シウバは柔術家ですが、基本は打撃で攻めてきます。テイクダウン狙いは、それこそポイントメイクで。
「テイクダウンを切られようが、そこから仕掛けることはできるので、自分から組みに行こうと思います。しつこく、しつこく攻めたいです。グチャグチャになってからも得意なので、そんな展開を作りたいですね」
――組みに行くのは、先日の川尻選手のUFCデビュー戦を連想すれば良いですか。
「川尻さんほどフィジカルが強くないので、すかしていきます。桜庭さんのように横についてテイクダウンをとっていきたいです」
――際で崩すという感じですか。
「そういうイメージです」
――TTMでは壁レスなど、盛んに行われているイメージがありますが、今のスタイルとの融合は進んでいますか。
「最近、やっとですね(笑)。最初は迷っていたんですが、今は自分のスタイルに取り入れることができるようになりました」
――組技は付き合ってくれる選手の方が掛かりやすく、ディフェンスに徹するとなかなか持ち込むことができないです。
「ラフターの頃は、極めっこの世界だったんです。でも、こっちでは付き合ってもらえなかった。最近ではそこを誘って、持ちこめるようになりました。青木さんや北岡さんからも、『急にスタイルを変えない方がいい』ってアドバイスを貰いましたし。UFC的なスタイルにしても、良さが消えるって言ってもらえて、すごく参考になりました。
色々やってみて、組技の練習が大切だし、自分が何の選手かといえばやはりグラップラー。柔術家ではなく、キャッチレスリングだけど、そこを大切にしていきたいです」
――MMAの勝ち方が成立したので、そこを消化してなお、自分のスタイルを持っているファイターの時代が来たような気がします。
「一時期、練習内容もドリルやシチュエーションが流行っていたけど、一回転してグラップリングが大切になってきています。また、専門家の時代がやって来るんじゃないかと思います」
――最低限のことを全局面でできて、特化した部分が必要になる。その全局面の方を考えた時、佐藤選手の課題はどこにあると考えていますか。
「打撃はやはり……、白井(祐矢)さんにもやられちゃいますし。ただ練習は練習でしかないんですよね。もちろん、練習でもやられてしまってはダメなんですけど。デカいグローブとヘッドギアをつけて、フル装備でガンガンいくようなことは試合ではないので、割り切って練習しています」
――その練習があって、圧力に慣れることができるのかもしれないですね。
「慣れてきたというか、まだ全然ダメですね。長南さんにもダメだって叱られてばかりなので、試合に勝つしかないです。長南さんと練習するようになってテイクダウンの種類が増えました。ヒザをつくパターン一辺倒から、長南さんのようなドライブするパターンのテイクダウンもできるようになってきました。あとはヒジとかですね。タイミングを指導してくれますので。
ブラジルも長南選手と行くのですが、マキシモ・ブランコが出るのでカズさん(中村和裕)も一緒ですし、まぁ覚悟はできています。当たって砕けろとも思っていないですし、僕は勝てると思ってブラジルへ行きます」
――勝手な期待で申し訳ないですが、ガチっとアームロックでオクタゴンに爪痕を残してほしいです。
「ただ試合をするんじゃなくて……、プロスポーツですし、自分がどんな選手がアピールしたいです。そうすることで次に繋がると思うので。それが桜庭さんからの教えでもあるし。『お金を貰って試合をしているんだから』ということはいつも気持ちのなかにあります。僕の原点は桜庭さんだし、弟子だと思っているので、しっかり戦ってきます。
ブラジルも初めてだし、海外で戦うのも初めて。でも、あまり気にせずマイペースでいきます。超アウェイなんですが、いつも通り自分のベースを崩さず一本勝ちを狙っていきます」
■ UFN36 Machida vs Mousasi 対戦カード
<ミドル級/5分6R>
リョート・マチダ(ブラジル/4位)
ゲガール・ムサシ(オランダ/9位※)
<ミドル級/5分3R>
ジャカレ・ソウザ(ブラジル/3位)
フランソワ・カルモン(フランス/8位)
<ウェルター級/5分3R>
エリック・シウバ(ブラジル)
佐藤豪則(日本)
<ウェルター級/5分3R>
ヴィスカルディ・アンドレージ(ブラジル)
ニコラス・ムサケ(スウェーデン)
<フェザー級/5分3R>
チアゴ・タバレス(ブラジル)
ズベア・トホゴフ(ロシア)
<フェザー級/5分3R>
シャーウス・オリベイラ(ブラジル)
アンディ・オグル(英国)
<ライト級/5分3R>
クリスティアーノ・マルセロ(ブラジル)
ジョー・プロクター(米国)
<ライト級/5分3R>
ホドリゴ・ダム(ブラジル)
イヴァン・ジョルジ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド(ブラジル)
ジェシー・ロンソン(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
ユーリ・アルカンタラ(ブラジル)
ウィルソン・ヘイス(ブラジル)
<フェザー級/5分3R>
フィリッピ・アランテス(ブラジル)
マキシモ・ブランコ(ベネズエラ)
<ウェルター級/5分3R>
イルデマウ・アルカンタラ(ブラジル)
アルベルト・トメノフ(ロシア)
※ライトヘビー級