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【ONE116】青木真也─01─ジェイムス・ナカシマ戦までの日々「格闘技ってことだけを日々考えていく」

【写真】青木にとっては1月1日の練習は、金曜日の練習に過ぎなかった (C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」でジェイムス・ナカシマと対戦する青木真也をABEMA TVのTHE WONDERが元旦から追った。

2021年1月1日、午後1時から大道塾吉祥寺支部で飯村健一氏とミット打ちを行い、2時半からはロータス世田谷で北岡悟、八隅孝平、松本光史らとグラップリングのスパーリングを行った。

MMAを戦い、練習する。その日々を送ることが、格闘家としての幸せだという青木に10月のONE活動再開から、ジェイムス・ナカシマ戦が決まるまでの日々、そしてこの強豪との対戦について尋ねた。


──1月1日、1年の始まりということで青木選手の二部練習を追わせてもらいました。

「まぁ金曜日ですね(笑)。金曜日。今年、暦が良くて。元日が金曜日で2、3日が土日なんですよ。ここからがキックオフじゃないですか。スケジュールが創りやすかったですね」

────大道塾吉祥寺支部からロータス世田谷とルーティで練習すると。

「本当は逆なんですけど、ロータスから飯村さんのところだけど。今日は午後1時に飯村さんにお願いして、ホント申し訳ない感じです。飯村さんには本当に助けてもらっています。1カ月前に試合があるかもしれないって話をしたときに、『あぁOK。元日も。正月の間に1回、2回練習するの付き合うよ』って言ってくれて。

ロータスもそうだし、試合をするとなると助けてくれる人もいてくれて、助かっています」

──つまりは正月云々ではなく、日常が続いているということですか。

「そうですね。結局、この仕事をフリーでやっていると仕事納めっていう文脈がないんだなって思います。12月27日に一応、DDTのプロレスが終わった時に仕事納めだと思って『今年もありがとうございました』みたいのをずっとしたんだけど、全然終わってねぇよ。どんどん湧き出てい来るよ──みたいな(笑)。湧き出てくるのが、自分の名前でやっているフリーという仕事だと思うので。

そういう意味では日常というか、ずっと続いて切れ目がなく仕事が出てくる。それを仕事納めで納めることができちゃうなら、やっぱ負けますよね。格闘技でも他のことでも。で、湧き出てきて納められないモノがドンドンあるなら、負けねぇよってなるのかもしれないですね。

まぁフリーと会社員っていう区分ではなくて、自分達で創っていく人はどんどんどんどん納められず、湧き上がってきます」

──ようやくジェイムス・ナカシマ戦が正式決定したのですが、試合が決まると練習は変わってきますか。

「試合が決まる、決らないで単純に変わってきますね。それだけでなく、コロナ禍といわれる状態がもうすぐ1年になるじゃないですか。そのなかで今までって試合に向けて怖いモノに向かって立ち向かう、勇気を出して戦うというメッセージ性を持っていたと思うんですけど、自分自身の感じ方もこのコロナ禍で試合をするということで少し違ってきますね。

潤いみたいな、自分の練習、自分の好きなことをして試合をする場がある──幸せというか(笑)。幸福なことだ、みたいな感じかなって。『皆さん、スミマセン。一足先に楽しんできます』みたいな感じじゃないかなって」

──ただし、4月と9月にRoad to ONEに出場してONE再開を盛り上げようとしてきた。ただし2カ月もの間、お呼びが掛からなかったです。

「お呼びが掛かんなかったですね。なんだろう……でも、その間に試合をした方々いますけど、消費されていっただけじゃないですか。

言い方悪いけど、じゃあ誰が試合をしたかって覚えていないし(笑)。まぁ、皆、消費されてYouTubeの一つになっていったような話に近いと思います。僕は」

──10月30日のライブ枠に出られた選手だけでしょうか。消費されただけでないのは。

「それすらも焚けたかといえば、焚けずにただ唐突に試合がある。なんかソレに僕自身は、アレのなかで試合ができるからラッキーと思えるほど強くはないです。大量消費、どんどん使い捨てていく。それが豊かな社会かもしれないけど、それに耐えられるほど僕は強くはなかったな」

──その一方で試合がないことにイライラは隠せなかったと思います。

「イライラはします。でも仕方ないでしょ。真面目にあんまり期待していなかったかもしれないです」

──それはいつ頃からですか。

「やっぱり10月の試合に入らなかった時点からで。9月が終わってポンポンと10月にやるつもりだったけど、入らなかった時点で『あぁ、そういうことね。分かった、分かった』みたいに。だから僕、忠義心みたいなモノ今はないですよ。申し訳ないけど、ない。

青木真也が創るモノ。青木真也の物語、自分と関係性のあるなかで一生懸命やっていきたい。自分に与えられた物語にフォーカスしてやっていきたいけど、前のように盛り上げていこうぜ──みたいな、団体を盛り上げていこうというのはないな」

──ファンを巻き込むとう部分では?

「ファンを巻き込むよりも、そこは違った話になるんですけど……今って、数だと思うんです。朝倉未来さんだと一番分かりやすいんですけど、フォロワー数。数で語るわけです。でも、数で語ることじゃない。要はPV数に近いかな。PV数でなくて、合致した客と単価を取りたい」

──ファイター、戦う人間に特化して質問をさせてもらいますが、この取材をしている時点でファイトアグリーメントは存在しても正式発表もない。オファーを了承してから、ファイトアグリーメントが届くまでも時間が掛った。この間の想いというのは?

「ストレスですね。なんか人も減って、体制も変わって以前ほど上手くいってない。ギクシャクした感じはありました。でも、そういうものですよ。途中で試合がなくなることも、あるだろうって思っていたので。

なら1年ぐらい試合がなくても、違うことをやっていきましょうかっていうぐらいのテンションではありましたけどね。でもなんか、もう好きじゃないですか。格闘技が好きで毎日やっている。

色々な人がいて。家族と幸せに生きることが目標の人がいる。お金を稼ぐことが目的の人もいる。そこでいうと僕はファイターとして生きる、レスラーとして生きる。ファイターなのか、レスラーなのか、プロ格闘家なのか。

カール・ゴッチ的なレスラーっていうところでいうと、ファイトして生きていく。この練習していく日々、格闘技ってことだけを日々考えていくことが目的と化しているから。いつの間にやら。

それが目的だから。昔、ジェイク・シールズが『1000ドル、2000ドルになっても試合をしていく』って言っていたように──そうするだろうし、極論を言うと。とにかく、ひたすらこの日々を。良い日々を過ごしたいなと」

<この項、続く

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
ラーデ・オバチチッチ(セルビア)
パトリック・シミッド(スイス)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
リト・アディワン(フィリピン)
川原波輝(日本)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

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