【Special】1月22日(金)発売GONG#312から。堀口恭司「フォーミガに初めてカーフを蹴られたんです」
【写真】本誌ではれっきとしたカメラマンさんがセッティングして撮影したポートレイトが、しっかりと掲載されます(C)MMAPLANET
今月22日(金)に発売されるゴング格闘技#312に掲載される堀口恭司インタビュー。
大晦日、RIZINでの朝倉海戦勝利でカーフキック論争沸き起こした。独特の空手ステップとカーフの相性、ATTでのマイク・ブラウン一派による朝倉海対策。そして──これからについて1時間、堀口が語りつくしたインタビューから一部抜粋してここでお届けしたい。
──いやぁ、取材前にヤフーに掲載されたインタビューを読ませてもらったのですが、あんなに詳しく試合を振り返られ、今後の話までされるともう私の出番もないな、と(笑)。困ってしまっていますよ。
「アハハハハ。うわぁっと思ったところもありましたけどね(笑)。原稿チェックって立場が逆だと嫌だろうし、そこは言わないようにしているんですけどね……アハハ」
──書き手の立場からすると、ちょっと使われてしまいましたね(笑)。では早速、大晦日の朝倉海選手との試合ですが、一昨年8月の時と比べると動きが滑らかでした。前回はこうやって動ける堀口選手と比較すると、柔らかさがなく体がつんのめっていました。
「前の試合はもう焦って動いているだけでしたね。相手の方がタイミングを掴んでいるの、ただ前に出て。今回は自分の体調も良くて、作戦も上手くハマりました。まぁ体調に問題がなければ、こういう結果になるとは思っていました。
前は体調が悪くても勝てると思って受けているんだから、負け負けですけどね」
──あの敗北で学べたこともあったのではいでしょうか。
「ハイ、一度断った試合はやるべきではないということですね。自分主体じゃないですけど、プロとして体調をしっかりと考えて試合を受けるべきだと思うようになりました。
それでも自分としては、どうしても『漢ならやるでしょ!』というアマチュアみたいなところがあるので。漢って感じなのが、好きなんで。言われた相手と戦う……まぁ、そういう方がドラマも生まれるとは思いますけど、本当のプロはそういうところで自分を優先するはずです。
若いうちは『漢なら』で良いかもしれないですけど、一つ一つの試合が大切になってくると、断る時は断る必要があるかと思います」
──では今回の試合、2週間前にヒザや腰、首のケガをするようなことがあったら、どうなっていましたか。
「まぁまぁまぁ、やるしかないですよね。アハハハハ」
──変わっていないじゃないですか(笑)。
「やはり皆に期待されているじゃないですか。そこですよ」
──なるほど。ところで、試合後の話題がカーフキック一辺倒になっているのですが、正直、カーフだろうがローだろうが、もともと堀口選手に下段を蹴る印象はなかったです。高校時代に出場していた、全空連のポイント空手には下段はなかったですよね。
「なかったです。一期倶楽部でも下段はやっていなかったですね。ただ足払いがあって、そこは動き的には似ていました」
──空手のステップを顔面パンチに生かしていた。それが堀口恭司のカラテin MMAという印象でした。
「そうですね。ただ、それも距離ですからね。下を蹴る距離なら下を蹴るように自然となっていました」
──あの踏み込みから蹴るのも、ミドルやハイが多かったような印象があります。
「あぁ、そうかもしれないですね。でも下段も使っていましたよ。VTJでイアン・ラブランドとやった時もローを蹴っていましたし」
──あの時はオーソのラブランドに対して、前足となる左足でインサイドローを蹴っていて、今回のような奥足となる右のアウトサイドローではなかったかと。
「前足が多かったかもしれないですけど、右でも蹴っていたと思います。試合、試合で使い分けていましたし。左右どちらが得意とか、不得意はなかったので。ただカーフっていう意識はなかったですけどね。
ヒザをケガする前ですけど、ジョズエ・フォーミガに初めてカーフを蹴られたんです。左足をバシって。感覚的には平気だったのですけど、もう踏ん張れなくなっていて。これは凄い威力だなって思いました。それからですね、自分も使うようになったのは」
──シングルからバック奪取の名手によって、カーフの洗礼を受けたのですか!
「アハハハ、そうなんです。で試合でカーフを意識したのは、今回の試合が初めてでした。自分の感覚でやっているところで、マイク・ブラウンがこういう角度なら蹴りやすいとか指導をしてくれて。そうやって今回は練習してきました。一発でダメージを与えて、3発で試合を決めることができるように。狙い通りになりました。
海君は身長が高いので、カーフ3発で動けなくなるという読みでした。やはり線が細いですし。」
──カーフは蹴り過ぎると、自身も痛めることはないですか。
「カットされれば痛いですよ。でも海君は全くカットしていなかったし、反応もなかった。『あっ、これはいける』と思いました。本来は寝技に持ち込むとか、色々とプランがあって。一番はテイクダウンをして、寝技で攻めることだったんですけど、マイク・ブラウンからも『打撃でもいける。キョージが大丈夫だと思ったら、打撃に切り替えれば良い』と言われていました」
──二瓶先生の指導を受けた踏み込みは、パンチからテイクダウンに凄く応用できるステップだと思っていました。
「ハイ、ずっと言ってくれていましたよね」
──ただ、カーフで終わらせることができることに応用できるとはまるで思っていなかったです。
「本当ですか(笑)」
──自分の知識ではカーフは相手のパンチをかわすために、インサイドに踏み込んでそこから蹴って足を戻す。もしくはMMAだとそのまま蹴り抜いて、踏み込んだ足の方向に進むのでパンチに繋げることができないと思っていたんです。でも堀口選手はアウトに踏み込むし、そのままパンチにもつなげていて。これはカーフ後もある、カーフだと。
「まあ、できますよ。それこそ足の動かし方です。アウトで踏み込んでも、そのまま戻すとパンチを出せますし。実際、カーフで海君の姿勢が乱れても、蹴り足を戻してから左を当てることができましたしね」
──そのパンチこそ、個人的に今回の試合のベストムーブでした!
「アハハハハ。あれやると、まぁ反応できないですよね。そこまで体に覚えさせて、試合に臨みました」
<カーフ論の続き、ATTでの対策練習、そして堀口恭司のこれからに関しては1月22日発売のGONG312号をご愛読ください>