【NEXUS24✖PFC24】NEXUSとの対抗戦出場、北の純朴ファイター遠藤来生「オジサンに声を掛けられて」
【写真】インタビュー中に感じたことは、ピュアすぎるやろう──ということ (C)MMAPLANET
27日(日)東京都新宿のGENスポーツパレスでNEXUS SPROUT、NEXUS20、NEXUS21✖PFC24というNEXUS3部構成大会が開催される。
第3部のNEXUS21✖PFC24ではネクサス✖PFCの対抗戦が組まれ取り、遠藤来生が拳勇と対戦する。
甲子園球児からアームレスリング、そしてMMAに辿り着いた北の純朴ファイターに初インタビューを試みた。
──日曜日に試合が迫ってきましたが、インタビュー宜しくお願いします。
「スミマセン、自分の都合で時間を変更していただいて」
──いえ、練習が延びたという感じでしょうか。
「いえ、自分は練習は夜にやっていて山本喧一会長のさられている居酒屋でランチの時間はアルバイトしているんです。ちょっとその時間がズレてしまって……。スミマセンでした」
──本当に問題ないですから、気にしないでください。お昼にアルバイト、夜に練習という生活を試合直前までされているのですね。
「夜は練習以外に指導もしています。そうですね……土曜日に東京に向かうので、金曜日まで同じようにやっています」
──今回は当日計量で、ライト級での試合になります。
「調整の方は問題ないのですが、当日計量だとリカバリーはまずできないですし、普段は体重が70キロ半ばなので食事なんかを調整して落としてきました」
──水抜き有りのフェザー級とは体調などは変わってきますか。
「そうですね、バンタム級やフェザー級で戦ってきたので、体が重いかなっていう気はしますが、その分パワーがあると思います。パンチも蹴りも重たくなっているような感じです」
──PFCとNEXUSと合同興行でありながら、対抗戦です。どのような意気込みでいますか。
「やはり自分はアマチュアの時から会長が開いてきたPFCで試合をしてきて……その頃から目を掛けてもらい育ててもらってきたので負けられないという気持ちはあります」
──遠藤選手は山本会長のPODジムでMMAを始めたのですか。
「いえ、自分は室蘭にある棚田道場で格闘技を始めました。室蘭に一つだけ、ジムがあったんです。もともと小さい頃からプロレスが好きで、兄の影響で野球をやっていても、PRIDEとかパンクラスとかずっと見ていて好きなままでした。
ただ野球を続けていると、甲子園に出たいという気持ちが凄く強くなって。プロ野球選手になりたいということではなく、高校野球で甲子園に行きたかったんです。だから高校まで野球を一生懸命にやって、甲子園には出場できたんです」
──えっ、凄いじゃないですか。実際に甲子園に出場しているなんて。
「自分はバカなんで、強豪校とか進学できなくて。でも公立でも強い高校があって、それが鵡川高校だったんです。僕はベンチでしたが、1回戦で菊池雄星(※花巻東高校。2009年春の選抜)にやられました」
──いやいや、甲子園という目標を達成できるって素晴らしいことです。
「そこから自分は夢とか目標がないと生きていけないと思うようになって……そんなころにアームレスリングに誘われて。格闘技とは違うのですが、のめり込んでいくと結果を残せるようになりました。
そして北海道で2位になった時に、会場で見ていてオジサンが『小さいのに強いね。格闘技に興味はない?』って声を掛けてくれたんです。凄く興味があったので、『あります』って伝えると、棚田道場を紹介してくれました」
──そのオジサンは敏腕指導者か何かだったのですか。
「オジサンは……よく分からない人です(苦笑)」
──アハハハ。札幌ではなくて室蘭の道場を?
「あっ、自分は高校の3年間は鵡川で寮生活をしていて、卒業後は専門学校にいき、その間は札幌に戻っていたんです。で、就職して室蘭に住むようになり、室蘭でアームレスリングを始めていたんです。
棚田道場ではパンクラスにも出場していた棚田(直樹)会長に指導をしてもっていたのですが、5年ぐらい前に親が体調を崩したので、札幌の実家に戻ることになりました」
──それでヤマケン会長のジムに入門したと。
「ハイ。やはり会長は世界で戦ってきた人だったので、会長に教わりたいという気持ちと強くて。それと棚田道場時代からPFCで出場していて目を掛けてもらっていたことも大きかったです。
自分が会長の道場に入った時は、言い方は悪いですけど上を目指している人がいなかったので、自分が目指していかないといけないと思っています。
自分は凄く応援してくれる人がいる一方で、理解してもらえないでバカにされることもありました。そういうなかで生活面から支えてくれて、応援してくれたのが会長で。自分にとって会長はお父さんのような存在で、会長を信じ抜いて頑張ります」
──そのPFCからGRACHANで首都圏進出を果たしました。
「そのままグラチャンで戦っていこうと思っていたのですが、色々とあった時にNEXUSの山田代表から東京で試合ができるよう声を掛けていただきました」
──昨年11月にNEXUS初戦で高橋憲次郎選手に勝利し、今年の3月にはDEEPで神田航也選手と戦いましたが、ここで判定負けを喫しました。
「高橋選手に勝ったことで、神田選手との試合でも『すぐにタイトルに挑戦させたい』と思ってもらえるような試合がしたいと思っていたのですが……固くなりすぎちゃいました。全然、自分の動きができなくて。いつも通りの動きができなかったです」
──そこを経ての今回の試合です。
「スキル、気持ち、全てを見せて勝って、また上の舞台に戻りたいです」
──札幌は東京と同じく感染者数が多いです。格闘技をすることで逆風はなかったですか。
「自分は練習に集中させてもらってきました。会長は色々とあるようですが、練習は問題なくできています。
今回も前回も会長と山田代表のおかげで試合に出ることができます。自分は会長、山田代表、PFC、NEXUSのためにも上に行って結果を残し……恩返しをしたいです。その気持ちが一番大きいです」
──そのためにも負けられない試合です。
「ハイ、PFCとNEXUSを背負って上へ行きたいと思っています」
──上というのは?
「自分はUFCしか見ていないです」
──そのためには然るべきキャリアアップが必要になります。どのように世界最高峰に辿り着きたいと考えていますか。
「そこはもう自分は会長にお任せしています。用意してもらえた試合で良い勝ち方を積み重ねていけば、いつか辿り着くのではないかと思っています」
──では最後に拳勇戦への意気込みをお願いします。
「一本、KOを取れる選手になるよう育てられてきました。判定になったら負けだと思えと。なので、その攻める姿勢を見てほしいです。遠藤来生の試合は『面白い』と言ってもらえる戦いをします」