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【Wardog26】果てしなく続いたスクランブル戦。パンチ絡めたシウバが八木に競り勝ち暫定チャンプに

【写真】予想を上回るタフファイトを辛くも制し、暫定ウェルター級王者となったダニエル・シウバ(C)WARDOG

25日(日)、大阪市港区の弁天町世界館でWARDOG CAGE FIGHT26 が開催された。ここでは疲労困憊、ノンストップのスクランブル戦となったWardog暫定ウェルター級王座決定戦=ダニエル・シウバ✖八木敬志のタフファイトを振り返りたい。


<Wardog暫定ウェルター級王座決定戦/5分5R>
ダニエル・ゴメス・ダ・シウバ(ブラジル)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
八木敬志(日本)

左ハイをいきなり2発見せた八木が組んで、シウバをケージに押し込む。押し込み返したシウバが小外掛けでテイクダウンも、八木はすぐに立ち上がり逆に腰に乗せて投げる。シウバも即スタンドに戻り、2度目の首を固められての払い腰に対し、投げた直後にその勢いを利用して回転し上を取る。八木はここも直後に手をついて立ち上がり、ボディロックを耐えているとシウバは自ら引き込んでしまう。

立った状態で殴ろうとする八木に対し、シウバは足を効かせて入らせない。そして足が払われそうになると、後方回転から足関節を狙う。コレをすかしてバックに回った八木は両足をフックし、バックマウントを完成させる。襷を取った八木に対し、シウバは手首を掴んで防御に徹する。残り1分を切り、シウバが亀になると八木が足のフックを解く。シウバは引き込んでバタフライガードも、足を越えた八木がマウントを奪いパンチで攻め込み、初回を取った。

2R、八木はローから左ミドル、シウバは左を当てて組みつくとシングルでテイクダウンを決める。ケージを使って立ち上がった八木は、離れたシウバのシングルを切ってバックに回る。初回同様、両足をフックした八木が絞めを狙うも、シウバは胸を合わせスクランブルからケージに押し込み、シングルで上を取り返す。八木のギロチンをパスで防いだシウバだが、スクランブルの状態で小外掛けを潰されバックを取られる。

正座状態で両足をフックされたシウバは、亀になると八木がフックを解除する。ここでシウバは引き込み、すぐさまサイドを取られてしまう。足を戻したシウバ、左足を抜いた八木がパウンドで攻めトップをキープする。八木の肩固めのタイミングの仕掛けに、シウバがブリッジでリバーサルを決める。直ちに両者がスタンドも戻り時間となり──スクランブルが続き、判断の難しいラウンドとなった。

3R、シウバは後ろ回し蹴り、八木が右オーバーハンドを繰り出す。両者揃って、スタミナの消耗が激しくなるなか、左を出し合う。八木の右ローに組んでテイクダウンを決めたシウバがサイドで抑えこむ。背中を預けて立ち上がった八木は、胸を合わせるも小外掛けですぐに下にされる。パスを決めたシウバがボディにパンチを入れ、八木は正対して立ち上がる。

シウバはアッパーを見せてシングルレッグ。背中をつかされた八木も、ケージを使って立ち上がる。またも小外を決めたシウバはスクランブルでヒザを入れ、首を抱えに来た八木をボディロックテイクダウンで倒し、バックから勢いのあるパンチを打っていく。八木は首を取りに来たシウバを前方に振り落としリバーサル、左右のパンチを必死に振り落とトップをラウンド終了も、シウバが明確にラウンドを取った。

4R、右に続き左を当てたシウバ。ダブルレッグでドライブした八木が、ケージに詰めてテイクダウンを奪う。八木はマウントに移行し、シウバはハーフからフルガードに戻すと、足関節へ。トーオールドを防ぎ、バックに回った八木が両足をフック。八木はバックコントロールに戻り、自ら後方に倒れて、ケージ際に詰まってしまうが両足をフックしにかかる。亀になったシウバは八木を前方に落とし、パンチを入れてスタンドへ。シウバはすぐに組みつき、八木の首投げにバックを取りに行く。

ケージに押し込まれた状態で、結果的に八木に上を取られたシウバはハーフガードもパンチを落とされる。左腕を差したシウバ、八木はギロチンからがぶりに移行する。シウバのフリップで両者が仰向けになった状態から、試合はスタンドに戻りパンチの交換後にシウバがテイクダウンを決め、バック&RNCへ。腰を押して、上を向いた八木がエスケープに成功しラウンド終了──パウンド分、微差でシウバのラウンドとなったか。

5R、両者ローを蹴り、八木のジャブに対しシウバが思い切り右アッパーを打ち込む。シウバのシングルを切りつつエルボーを入れる八木だが、バックを譲り前方に崩される。フック前に絞めを狙ったシウバに対し、八木は胸を合わせて立ち上がり、ダブルアンダーフックに取る。引き込むように下になったシウバだが、ハーフ&ブリッジでスイープに成功する。バックを譲った八木が、胸を合わせて立ち上がる。即、小外を決めたシウバ。八木もすぐに立ち上がる、

最後の5分で動きが良くなった両者だったが、ケージに押し込まれたシウバのヒザが八木の急所に当たり試合が中断される。2分ほどインターバルを置いて再開され、フックから組んだ八木はワキを潜られてバックを許しそうになりなるが、首を固めて耐える。シウバはシングルからバックに回るが、やがて正面を向いて距離を取ると、ワンツーからスリー&フォーとパンチをまとめる。ここで八木は組みを選択し、シウバをケージに押し込む。

頭を押し、エルボーを入れたシウバはギロチンからがぶり、小外掛けで上を取る。しかし、抑えこむことはできず、八木がスクランブルに持ち込み離れてダブルレッグへ。シウバがスプロールし、死力を尽くした一戦はタイムアップに。

結果、攻めを凌ぐ数の多さで八木の頑張りが印象に残る内容となったが、ジャッジ3者とも48-47で能動的に攻めたシウバを支持する。八木はコール後に覆わず座り込み──暫定ウェルター級王者も崩れて涙を浮かべると、敗者の手を挙げて健闘を称え合った。

能動態のシウバと、攻められてから逆襲の八木。本当に差がなかったことで、このわずかな違いがベルトを持ち主を決めることとなったか。いぜれにせよ、死力を尽くしたスクランブル戦は見ごたえタップリたった。

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