【UFC253】フライ級&2戦目でPPV上位カード。ロイヴァルが新スクランブル&サブミッションを実践できるか
【写真】精神的に充実していることが、表情から見て取れる計量時のロイヴァル (C)Zuffa/UFC
27日(日・現地時間)にUAEはアブダビ・ヤス島のUFC Fight Islandで開催されるUFC253 「Adesanya vs Costa」でLFAからUFCにジャンプインして2戦目、ブランドン・ロイヴァルが上から数えて3つ目の試合でカイ・カラフランスと対戦する。
昨年11月にLFAフライ級王者となったロイヴァルは、コンテンダーシリーズに出場が決まっていたが、コロナ禍という状況で5月に急転直下UFCとの契約を果たす。デビュー戦ではフライ級で世界タイトル挑戦経験のあるティム・エリオットを肩固めで下した。
並みいる強豪を押しのけ、フライ級でオクタゴン2戦目の彼がPPV大会の上位カードに出場するのは異例だ。そこには対戦相手のカラフランスと同様にアグレッシブかつフィニッシュを狙うファイトが評価されたという見方がなりたつ。
打撃は粗さがあるものの、高地コロラドで培ったスタミナを武器にロイヴァルはとにかくノンストップで動き続ける。米国のK-1&ムエタイどころでMMAファイターとして育ったロイヴァルの打撃はスラッピーだが相手に動きを読ませない。そして至近距離ではヒジやヒザを使いこなし、ボディロックテイクダウンに結びつける。
思い切りの良い打撃の裏には下になっても戦える、ガードワークと極め力が存在している。現代MMAの軸であるテイクダウンの攻防は、防御力の進化とともにスタミナの消耗を考慮して、必死に抑えることがない倒し合い&立ち合いに変化してきた。そのなかでロイヴァルは果敢にバックを狙い、振り落とされることを想定した三角→オモプラッタ→腕十字というゴールデントライアングル・コンビネーションを武器に、果敢にスクランブルに応じる。
バックを制された時の防御力が備わっており、亀からの次の展開に移行できるスクランブルの強さ、さらにスクランブルの向こう側を行くサブミッションを持つロイヴァルに対し、カラフランスのやるべきことは一瞬の油断も与えず打撃で圧力をかけることだ。
動かすことで疲弊させるのではなく、精神面から削るハート・グライディングから隙をついてダメージを与えるパンチを入れたい。そんなカラフランスに対し、バーチャルメディアデーでロイヴァルは「カイは良いファイターだよ。TUFの時から好きな選手の1人だった。僕とは良い顔合わせだ、彼は基本に忠実なキックボクシングやボクシングを使うけど、僕を疲れさせることはできないし、驚くべきような攻撃を受けることはない」と断言している。
ファイトアイランドで戦うことに関して「トップ10になりたくて来た。UFCが簡単だとは思っていない。ただ、自分の力を見せるだけだよ」というロイヴァル。コンテンダーシリーズ出身者は、動き続けることで防御面に隙ができることは少なくないが、UFCでトップに行くには絶対的なディフェンス能力の高さは必要だ。まず打撃の防御という部分で、ロイヴァルの真価が問われるカラフランス戦となる。
■視聴方法(予定)
9月27日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前11時~WOWOW ライブ
■UFC253計量結果
<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサニャ: 184ポンド(83.46キロ)
[挑戦者]パウロ・コスタ: 185ポンド(83.91キロ)
<UFC世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
ドミニク・レイエス: 205ポンド(92.99キロ)
ヤン・ブラボヴィッチ: 205ポンド(92.99キロ)
<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス: 126ポンド(57.15キロ)
ブランドン・ロイヴァル: 126ポンド(57.15キロ)
<女子バンタム級/5分3R>
ケトレン・ヴィエイラ: 136ポンド(61.69キロ)
シジャラー・ユーバンクス: 136ポンド(61.69キロ)
<フェザー級/5分3R>
ハキーム・ダラドゥ: 145ポンド(65.77キロ)
ズベア・トホゴフ: 150ポンド(68.03 キロ)
<ライト級/5分3R>
ブラッド・リデル: 156ポンド(70.76キロ)
アレックス・ダ・シウバ: 156ポンド(70.76キロ)
<ウェルター級/5分3R>
ディエゴ・サンチェス: 170ポンド(77.11キロ)
ジェイク・マシューズ: 170ポンド(77.11キロ)
<フェザー級/5分3R>
ショーン・ヤング: 146ポンド(66.22キロ)
ルドヴィット・クライン: 150ポンド(68.03 キロ)
<ライトヘビー級/5分3R>
ウィリアム・ナイト: 205ポンド(92.99キロ)
アレクサ・ケマー: 206ポンド(93.44キロ)
<ヘビー級/5分3R>
ジェフ・ヒューズ: 258ポンド(117.02キロ)
フアン・エスピーノ: 255ポンド(115.66キロ)
<ライトヘビー級/5分3R>
カディス・イブラヒモフ: 206ポンド(93.44キロ)
ダニーロ・マルケス: 206ポンド(93.44キロ)