【ONE】松嶋こよみ発言を受けて、中原由貴に訊く、Road to ONE─01─「日本人対決には全く興味ない」
【写真】言葉は強めだが、終始にこやかだった中原(C)ABEMA
28日(金・現地時間)にABEMAで中継されたONE111「A New Breed」のゲスト解説を務めた中原由貴。
1週間前に解説をした直後のインタビューで、同じフェザー級の松嶋こよみが日本人対決に関して、「前の試合で負けている選手だし、勝ってから声を挙げて欲しい」という発言をした。これ対し、中原はSNSで『話が違う』と反論。解説を終えた直後に、中原に日本人対決や昨年5月以降にどのように過ごしてきたのかを尋ねた。
──解説お疲れさまでした。大会の印象や昨年5月から現在までの動向を伺う前に、松嶋こよみ選手のMMAPLANETのインタビューで『僕と戦いたいという声がなかった。ランキングが下の選手に僕からやろうという気にはなれなかった』という発言をしたことに対し、ツイッターで反応をされていたと聞きました。
「これはもう、書くかどうかは高島さんに任せますけど、俺は別に逃げているわけじゃないんです。それなのに周りは『なんで、コイツらやらないんだ』って意見が出ているみたいで」
──Road to ONE03 に関しては、オファーはあったのでしょうか。
「ありました。僕、プライベートと仕事のケジメをつけたくてLINEが2つあるんです。SIMカードを2つ持っていて。でプライベートの方にしている時にオファーを長南さんからもらっていて1日、気付いていなかったんです。
気付いてすぐに、連絡を取りました。試合まで6週間か7週間で10キロほど体重を落とさないといけない状況で、詳しい計量方法とか分からなかったですけど……。ここ最近の流れだとONEの体重で当日計量だろうし、ONEと契約している日本人選手と戦うのであれば、久しぶりだし試合もしたいから『やります』って返答したんです。
で、相手が決まらないまま1週間ぐらい減量もして体重も3キロ落としていました。そうしたら、他の日本人フェザー級選手はONEが再開して日本人を呼ぶようになるのを待つということで、ONE本戦と契約していない選手の名前を告げられたんです。
ファイトマネーは日本でやる大会だし、本戦のような額じゃないだろうと思っていたけど、そこは良かったです。でも、ONEの契約選手と戦うつもり満々だったのに……それはちょっと気が乗らないってなりました」
──なるほど、そういう流れがあったのですね。
「でも僕のなかで相手は松嶋選手じゃないと思っていました。彼は僕とやるメリットはない。だって1つや2つでタイトルに挑戦できるのだから。で、山田(哲也)選手は日本にいるらしいけど、向うでずっとやってきた人が、このタイミングでは日本で試合はしないだろうと。だったら、高橋遼伍選手かなって。
高橋選手は去年の日本大会の時に『日本人対決も面白い』と発言していたので、これは高橋選手だって僕は思っていました。もう作戦も考えつつ、松嶋選手か山田選手の可能性もあるかもと考えつつ練習をしていると、ONE本戦で戦っていない選手の名前を告げられて……。
それは違うし一旦断わらせてもらいました。で、その直後にちょっとケガをして睡眠をとるにも影響がでる状態だったんです。そうしたら『高橋遼伍選手がOKなら、やりますか?』って1週間後に連絡がきて。『なんで1週間前に言ってくれないんだよ』って」
──でもケガをしていたのですよね。
「僕は試合が決まったら、ケガをしてもやります。逃げたと思われたくないし。だから、なんであの時に高橋選手の名前を出してくれなかったんだって。もう日常生活に影響が出るくらいなので、あの時点で試合ができるとは言えなかったです」
──なるほど、そのようなタイミングが合わないことがあったのですね。それとは別問題で、松嶋選手が『前の試合で負けているのに、ランクが上の僕とやるなら勝ってから言って欲しい』という風に発言していたことについてはどのように受け止めましたか。
「フフフフフフ。正直な話をして良いですか」
──勿論です。
「日本人対決には全く興味ないです。勿論ランキングは上にいるし、そういう風に言う気持ちは分かります。でも、彼がそういう風に言うってことは日本人を意識しちゃっているってことですよね。僕は日本人選手は誰も……それだったらONEに行かず、あのままパンクラスに残ってISAO選手に勝ってベルトを獲ってから、どっかに行くっていう選択をしていました。
お金の問題もありますけど、僕がONEを選んだのにはちゃんと理由もあります。海外で練習をしてローカル団体で戦っている色々なヤツらと肌を合わせた時に『ちょっと待てよ、俺、井の中の蛙じゃん』って思ったからなんですよ。世界にはまだまだ凄いヤツがいる。だから、外国人と戦いたくてONEをチョイスしたんです。
それが周りから同じ階級に日本人がいるとか言われても、それは外野の意見です。まず日本のなかで強いヤツを決めろよっていう気持ちも分かりますけど、俺個人としては正直、日本人と対戦することに興味はないんです」
──ただし10月にシンガポール大会が開催され、日本人選手が招聘されたとしても、出たいと思っている皆が出られることはまずないと予想されます。
「そうですね。その通りだと思います」
──もう本当にどのような大会で、どうなるのか分からない状況でRoad to ONEという国内大会の需要が高まり開催される。でも、日本人としか戦う選択肢はない。そういう場合だと中原選手はどうしたいですか。
「僕、今回スイッチ入ったのはビックリしたんです。日本人対決に意欲的になって。それもなぜか分からないですけど、金じゃなくて、消去法で誰になるか考えつつ3人の中なら誰でも良いって思っていたし。正直、僕より箔のある選手ばかりなんで。
下から突き上げるっていうのは一番良い立場で試合に臨むことができます。そういう気持ちがあったので、次に日本人選手と戦うことにスイッチが入るかと言われたら、今はもう待ちたいです。今日も解説している時に、コメントで中原✖高橋が見たいって書き込んでくれている人達もいて。そういう声を挙がると、それは嬉しいです。これだけ姿を消していた人間に対して、そんな風に行ってくれるなんて。
ですけど、本当にタイミングですね」