【Road to ONE03】青木真也と対戦、江藤公洋「不安と恐怖心が一番に来ました。でも……」
【写真】恐怖に打ち克つ。MMAファイターがケージに足を踏み入れることは、既に何かを乗り越えているはずだ (C)MMAPLANET
10日(木)、東京都渋谷区のO-Eastで開催されるROAD TO ONE:3rd TOKYO FIGHT NIGHT。
8月17日に行われた会見後、青木真也と対戦する江藤公洋が話していたことは。恐怖。不安という感情を隠さない江藤だが、ここで試合をしないという選択はなかった。
──青木選手を横にしての、会見が終わりました。今の気持ちは?
「どっと疲れました(苦笑)」
──この試合のオファーがあった時、素直にどのように思いましたか。
「自分にオファーが来るのかって……思いましたね。実績としてもONEで1勝しか挙げていないですし。青木選手がSNSで『試合が決まりました』と発信していたのを見て、『へぇ、そうなんだ』っていう他人事みたいな立ち位置で見ていました。
それこそ『誰と戦うんだろう』って。だから、こっちに来るんだ?って。そこからは不安と恐怖心が一番に来ました」
──そこがまた江藤選手らしいところです。でも、試合を受けると。
「この状況のなかで『ノー』と言っていたら試合はできないです。それはファイターとしてどうのなのかって。そこは大沢さんとも話をしました。
このタイミングで青木選手が試合をする。自分も試合に向かうことに関して、考えることはありますし……。普段は試合に集中していますが、今回は色々な感情が出てきているので、それを吐き出して当日に向かっていければと良いと思っています」
──この機会、青木選手でない方が……という気持ちもありましたか。
「ONEと契約している選手との試合に限定されると、青木選手だけでなく徳留選手も、一緒に練習させてもらっているので誰と戦っても複雑な心境にはなります。でも、この状況だからこそ受けないという選択はないです。皆がそうだと思います。
色々と考えて複雑な気持ちになったところで、この状況で日本の格闘技を盛り上げる……注目を絶やさないように頑張っている状況ですから、どのような気持ちでいても参加しないといけないと思っていました。自分もそのなかの1人としてオファーがきたのだから、最大限の行動をしないといけないです」
──試合を受ける前と受けた後、どちらが怖いですか。
「正直、両方怖いです(苦笑)。外国人選手で強いと言われているのと、肌を合わせたことがある選手が強いというのはまるで別物で。色々なシチュエーションが、いつも以上に頭のなかを巡っています。常に試合のことを考えているので、そのたびに不安、怖さはあります」
──この試合は、誰がどうみても青木選手有りきのマッチアップです。
「ハイ、前回のアミール・カーン戦もそうでした。だからこそ噛ませ犬どうこうを考えるのではなくて、当日にどれだけやれるのか。気負わず準備していこうと思います」
──青木選手がタナぼただと発言していましたが、だからこそこの機会を生かしてジャンプアップしたいという想いは?
「そこを深く考えてしまうと、硬くなってしまうので自分の持っている技術を全部出して、良い試合をする。そういう風に意識するようにしています」
──アミール・カーン戦に勝利しての試合です。あの試合はどれだけ江藤選手に自信を与えてくれましたか。
「前回は上手く出せました。ただし、今回もそうなるとは限らないです。あの試合で勝ったから、自分の価値が上がったという驕りは持たず、それ以前の自分に戻ってしまうかもしれないという恐怖心と向き合って創り上げたいと思います」
──恐怖が世界を支配している時期でもあります。青木戦の恐怖を乗り越えた時、江藤選手はどのような人間になっているのでしょうか。
「そうですね、こういう状況で皆が色々な不安を抱えています。そこで自分が恐怖を乗り越えることで、人に何かを伝えることができるようになっていたいです。乗り越えた姿を見てもらい、『自分だって変われるんだ』と思ってもらえると嬉しいです」