【UFN175】ローでKO勝ち直前のラキッチが、寝技でスミスをドミネイト。完勝に「打撃だけじゃない!!」
<ライトヘビー級/5分3R>
アレクサンドル・ラキッチ(オーストリア)
Def.3-0:30-26.30-27.30-27
アンソニー・スミス(米国)
まずローを蹴るラキッチ、3発目でスミスの体が持っていかれそうになる。右だけでなく左で内側からも削っていくラキッチは、右オーバーハンドにも右ローを合わせる。右ローで2つで崩れ落ちたスイスのシングルを切って鉄槌を落とすラキッチ。ここで組みに付き合うのか。立ちあがり際に背中に飛び乗ったスミスは、前方に落とされダブルレッグへ。がぶってスプロールのラキッチが、スミスの体を起こしてトップを取る。
あれだけローを効かせてスタンドに戻らなかったラキッチは、スミスの三角絞めを防ぎ、足を一本抜いていく。ラバーのスミスは、下にこそなっているがバタフライガードに戻し、ローと比較すると特にダメージの残る攻撃を受けることなくまんまとラウンド終了を迎えた。
2R、ラキッチは左ミドルを2発入れるが、右を伸ばしたスミスが組みついていく。押し倒すように上を取ったラキッチだが、ここもスミスがグラウンドを選択した結果か。結果的に勝利すれば問題ないが、あれだけ左足を削っていたのは勿体ないとしか思えないラキッチは、ガードのなかで過ごす。
スミスはバタフライスイープを防がれ、頭を抱えて背中をつける状態に。このまま時間が過ぎ、スミスが腕十字へ。腕を抜いたラキッチが足を一本抜いてパンチ、バックを伺いつつ殴るという展開で5分が終わった。
メインだが3回戦となった今回の一戦、最後のラウンドはラキッチが右ローを入れ、左ハイ、左ミドルからパンチでラッシュをかける。組んだスミスがバックに回りつつ、ここも下を選択。背中を譲ったスミス、サイドバックでヒザを繰り出すラキッチは完全に組み伏せモードか。
スミスは立てず、防御一辺倒に。いずれにせよ、一方的なラキッチのペースで試合は進み残り70秒で、ボディロックからラキッチがスミスの背中をマットにつかせる。手首を引き寄せて立たせないラキッチが、トップを取り続け最後の7秒で蹴り上げからスタンドに戻ると、両手を挙げて勝利をアピール。スミスはすぐに立ち上がることなく時間を迎えた。
圧勝のラキッチは「初めてのベガスのメインで、ホームやバルカン半島の人が注目していた凄いプレッシャーだった。皆、僕のレスリングを軽視している。僕は危険なストライカーだけでなく、レスリングでドミネイトできることを世界に見せた。2Rは足でなくボディ、頭を狙おうと思った。次は誰? 誰じぇない、ベルトだけだよ。レイエスとブラボビッチの勝者に挑戦する」と話した。