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【KSW54】テイクダウン、ヒールフック──ウェルラウンダー=ガムロが王座防衛&今後は──保留

<KSWライト級選手権試合/5分5R>
マテウス・ガムロ(ポーランド)
Def.3-0
マリアン・ジュコフスキ(ポーランド)

ジュコフスキが左ジャブを入れ、ガムロがそのジャブに右フックを合わせていく。リーチのアドバンテージを生かしジャブを入れ、ガムロのステップインに距離を取るジュコフスキがローを蹴る。ガムロは右を見せてから左ボディを入れるも、ジャブを打たれキックボクシングマッチでは挑戦者のペースで試合が進む。

テイクダウンのフェイクを見せるようになったガムロが、その頭の位置でボディを伸ばす。続いてニータップもジュコフスキが距離を取る。ガムロは直後にシングルレッグを決める。しかしクローズドガードから、自らの左足を抱えるガードを見せたジュコフスキに対し、ダメージを残すような攻撃はなかった。

2R、ワンツーで前に出たガムロに対し、ジュコフスキは距離を取ってジャブを当てる。ガムロのテイクダウン狙いを切ってワンツーを伸ばすジュコフスキが左ミドルを入れる。ガムロはワンツーから組んでケージへ。直ぐに離れたジュコフスキは、やや見過ぎか。ジャブに右を合わせていったガムロはローを2発入れ、右オーバーハンドを狙う。ジュコフスキはワンツーから左ミドル、ガムロの後ろ回し蹴りを交わしてジャブを伸ばす。

ジャブ以上が欲しいチャレンジャーの跳びヒザにダブルレッグを合わせたガムロがバックへ。引き込むように下になったジュコフスキにアウトサイドヒールを仕掛けたチャンピオンは、足を抜かれると同時に上を取り切り──極め業師の一面を見せてラウンドを完全に取った。

3R、組みの局面で守勢のジュコフスキは、この影響がスタンドにも出たか手数が減る。途中、ガムロにアイポークがあったとアピールしたジュコフスキ、中断からの再開後に組まれてバックを許す。ガムロはサイドバックでヒザを腰や太腿に入れ、ジュコフスキは手をマットにつけて防御に徹する。それもルールを利した防御で、戦いとして反撃の素振りを見せないジュコフスキにパンチを入れたガムロが、胸を合わせてきたところで離れる。

こうなると勢いはチャンピオンにあり、左ジャブに右のカウンターを決める。ジュコフスキはワンツーで前に出るが、回ってかわしたガムロがボディを見せ、跳びヒザの着地にワンツーを振るっていく。終盤の打撃戦では右ハイまで見せたガムロが攻勢のままタイムアップを迎えた。

4R、ワンツーを入れたガムロサウスポーにスイッチ、オーソに戻り右を当てる。ジュコフスキもワンツーの右を当てるが、シングルでバックを許しケージにもたれるように固まる。左のパンチを後方から入れたガムロに対し、ジュコフスキが胸を合わせる。離れたガムロはサウスポーを取り、右ミドルをブロック。

オーソに戻して右オーバーハード、ワンツーとチャンピオンが前に出る。右を被弾したジュコフスキはテイクダウンを嫌がり、蹴りが出ない。打撃でも優位に立つガムロは、攻め手のないジュコフスキにダブルレッグからボディロックテイクダウンを決めラウンドを締めた。

最終回開始直後に、シングルレッグからニータップで押し込みスピニングバックキックを繰り出したガムロ。5Rになってもアグレッシブに動けるチャンピオンに対し、ジュコフスキは手詰まりの状態でジャブ以外の攻撃がない。下がる時に攻撃ができないストライカーは、容易にパンチから組みつかれてしまう。シングルレッグでケージにジュコフスキを押し込んだガムロはバックに回り、ここも手をマットについて顔面へのヒザを防ぐのみだ。

このまま時間は過ぎ、残り1分でジュコフスキを抱えてケージ中央まで運んだチャンピオン。ジュコフスキは引き込み、クローズドガードを取る。最後の10秒で起き上ったガムロは、仁王立ちでジュコフスキを見下ろし試合終了を迎えた。

落ち着いた表情で勝ち名乗りを受けたガムロはベルトを腰に巻き、「チーム、ファンに感謝している。観客のいない大会はエネルギーを得ることができず、勝てたはことは嬉しいけど、この状況はハッピーではないね。ジュコフスキは左ストレートが速かった。良い試合をしたよ。14試合を通して、僕は自分が何者であるか全てを証明してきた。KSWで過ごした時は、素晴らしい人に囲まれてハッピーだったよ。でもこれで終わりじゃないし、サヨナラをいう時でもない。全てを皆に話す時まで」と今後には含みをもたせた。


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