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【KSW53】MMAとして成立するのか。本当に危険な3度目の顔合わせ、マテウス・ガムロ✖ノーマン・パーク

【写真】喧嘩ファイト、真っ向勝負、ルール無視、スコアリング、どのような戦いになるのか (C)KSW

11日(土・現地時間)、ポーランドのワルシャワで無観客大会としてKSW53「Reborn」が開催される。そして、メインで本当に危険な試合が組まれた。

それがKSWライト級選手権試合=王者マテウス・ガムロ✖挑戦者ノーマン・パークの3度目の顔合わせだ。


荒ぶるグラップラー、喧嘩ファイトも持さない王者ガムロとパークは過去2度対戦しており会見、計量、試合中、試合後ととにかくいざこざが絶えなかった。2017年5月の初対決の折には、試合中にグローブに不具合が生じたパークがレフェリーに中断を要請している間に、ガムロが仕掛けたのか怒りをあらわにして胸を突き飛ばす。

この試合はほぼ互角の展開ながらガムロが判定勝ちで王座防衛に成功も、5カ月後のアイルランド・ダブリンでの再戦でいよいよ両者は試合が成立しないほど、感情のもつれを吐露した。まずパークが体重オーバーでタイトル戦がノンタイトルに変更される。試合中にはガムロのローがパークの急所へ。さらに再会の合図とともに殴りかかるなど、ダーティーさを見せたガムロの2度に渡るアイポークでパークが試合続行不可能に陥り、NCになってしまう。

真っ向勝負の殴り合いの中で優勢だったパークは収まりがつかず、試合後も口論、一触即発の険悪な空気のなか、ついにパークのセコンドが切れ、ガムロに左フックを見舞う。こうなるとケージ内、そしてケージの外でポーランド人とアイリッシュ(※パークは北アイルランド在住の英国人)の大乱闘劇に発展するという事態に。

その両者が、今回のメインで相対する。KSWが同じ顔合わせを3度組むのは、ミハウ・マテラ✖ジェイ・シウバ以来、プロモーション史上2度目で、試合前からも両者は当然のように罵り合いを演じてきた。

「か弱いアイリッシュ・〇ッチ」と言い放つガムロに対し、試合内容は優勢だったパークは「アイツが自分が得意だと思うところが、実は俺が得意なところだ」と殴り負けない自信を見せている。

とはいえガムロは寝技も打撃も真っ向勝負だったパーク戦から、ATTで練習を始めたことで、そのスタイルは変わっている。相手の良さを消す戦い、倒すのでなく当てる打撃、テイクダウンを奪うよりも、テイクダウンされない組み技、そして下にならないという戦術を用い、クレベル・コイケに勝利している。これだけ互いが熱くなっている状況で、ガムロが冷静に北米流の遮断するMMAを駆使できれば、それはそれで一皮むけたという捉え方もできるが……。

とにかく本当に危険なのは、本気で嫌い合った人間がケージのなかで許されない行為を試合中に繰り返してきている点だ。ルールを守る、その最低条件が守られなければMMAという戦いは成り立たない──が、ガムロとパークの試合はその一線を越えてしまう可能性が十分にある。

■ KSW53対戦カード

<KSWライト級王座統一戦/5分5R>
[正規王者]マテウス・ガムロ(ポーランド)
[暫定王者]ノーマン・パーク(英国)

<ライト級/5分3R>
ボリス・マンコフスキー(ポーランド)
マルチン・ロゼク(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
アルトゥル・ソウィンスキ(ポーランド)
グシェゴシュ・ジュラコウスキ(ポーランド)

<ミドル級/5分3R>
トマシュ・ドルヴァル(ポーランド)
ウーカシュ・ビエンコウスキ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
アンジェイ・グジェビグ(ポーランド)
トマス・ヤクビエツ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
ロマン・ジュマンスキ(ポーランド)
フィリップ・ペジッチ(クロアチア)

<バンタム級/5分3R>
セバスチャン・シュブシュ(ポーランド)
ヤクブ・ヴィクワッチ(ポーランド)

<ライト級/5分3R>
カミル・スミゾウスキ(ポーランド)
ミハウ・ピエツァク(ポーランド)

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