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【UFC ESPN12】佐藤天と対戦するラミズ・ブラヒメジは日本大好きファイターだった!!「ただただ楽しい」

【写真】サブミッションでの勝利ばかりだが、喧嘩が強そうな外見のブラヒメジだ(C)LFA

27日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC ESPN12「Poirier vs Hooker」で、佐藤天と対戦するラミズ・ブラヒメジ。

日本では全く無名のこの選手は、実は日本大好きなファイターだった。MMA戦績8勝2敗、8つの勝利は全て一本勝ちという未知のファイターは、ファイト前をエンジョイできる強心臓の持ち主だった。


──今週末、佐藤天選手と戦うラミズです。日本のファンに佐藤選手の対戦相手のことを知ってほしくて、今回は話を聞かせて貰えればと思います。

「もちろん。なんでも聞いておくれ」

──ありがとうございます。まずUFCデビューに向けて、今の気持ちを教えてください。

「凄くエキサイトしている。特にサトーのような素晴らしいファイターと、UFCで戦えることは光栄だよ。2016年の5月に1カ月ほど僕は米国陸軍の予備軍のミッションで、キャンプ座間にいたんだ。東京も神奈川も大好きだ。ホント、叶うならすぐに東京に戻りたいよ(笑)。親切で素晴らしい人達ばかりだったよ、日本は。六本木で楽しんだし、色々と楽しい思い出ばかりだ」

──その時に格闘技の練習をすることは?

「それはなかったよ。ベースで仲間と練習をしていたから」

──ところでラミズがMMAを始めたきっかけは何だったのですか。

「僕の父はユーゴスラビア連邦のコソボ出身で、米国に移住した。そして僕はNYで生まれた。子供のころ、その父に連れられて極真カラテを始め、それからボクシングを経験した。で、高校になってMMAを凄く見るようになり、完全にハマっていったんだ。UFCだけでなくPRIDE時代の試合やDREAM、日本のファイトも見ていた。アンデウソン・シウバ、カズシ・サクラバという生ける伝説のことを心の底から尊敬しているよ。

ゲガール・ムサシ、アリスター・オーフレイム、タカノミ・ゴミ、日本で戦っていた彼らがいたから、僕はMMAの練習をするようになり、試合で戦うようになった。だから4年前に日本に滞在できた時、夢が一つ叶ったと思ったんだ。で、もう1つの夢がUFCで戦うことだった。

ただ、この夢が実現するには、この1年は本当にタフな時間を過ごすことになったよ……」

──ラミズは去年の3月にLFAで勝利して以来、実戦から遠ざかっていました。

「そうなんだ。6月にコンテンダーシリーズに出場することが決まっていたけど、目に腫物が見つかり視界を塞ぐようになってしまったんだ」

──それは……パンチを被弾したことなどが遠因になったのでしょうか。

「いや、MMAの練習や試合は関係ないよ。ただ、そういう症状が僕の体に起きた。そして、手術が必要になったからコンテンダーシリーズにも出られなくなったし、その後の計画は全て頓挫したよ。

去年の9月に手術をして、当然暫らくの間は治療に専念する必要があった。でも気持ちを強く持ち続け、体力を落とさないように心掛けて過ごし、今では100パーセント問題なくなったよ。そして練習に戻れるようになったら、新型コロナウィルス感染拡大という事態を迎えてしまったんだ」

──この状況で、UFCで戦う機会が巡ってくるということは頭にありましたか。

「まずUFCが活動を再開するまで、そういうことは一切考えていなかった。でも、UFCがイベントを開くようになると大会は米国人中心だし、そういう機会は巡ってくるかもという風には思っていた。

タカシがいつ頃、この週末に試合があると聞かされていたのかは知らないけど、僕らの試合が決まってからも急いで2 試合が決まったり、UFCは試合数を確保しないといけない状況にあることは確かだったはずだ」

──ところでラミズはレコードを見ると、白星は全て一本勝ちです。ベースは柔術なのでしょうか。

「フィニッシュが多いのでは、僕がファイトしているからだよ。そして僕はMMAファイターだ。打撃も好きだし、レスリングも好きだ。グラップリングも柔術も全てが好きなんだ。全てが楽しいよ」

──日本が大好きなラミズのUFCデビュー戦の相手が佐藤選手というのも何かしら運命的なモノを感じますね。

「ホントにどういうことだろうね。でも、僕は他のどの選手よりも日本の人々の素晴らしさを知っている。日本の文化も人々も大好きだ。だからこそ、タカシと素晴らしい試合をするつもりだ」

──グラップラー✖ストライカーの試合になると思うファンも多いはずです。

「僕は打撃、レスリング、グラップリング全てができる。どこでも戦うよ。タカシのような素晴らしいファイターと、同じ時間にケージの中に入ることができて凄く嬉しいよ」

──ところで、これまでのファイトウィークと比べると、色々と戸惑うことはないですか。

「試合自体はショートノーティスだけど、チームメイトの試合のために2週間前からラスベガスに来ていて、もう繰り返しPCR検査を行った。まったく体調に問題ないよ。

ファイトウィークをずっと試合が開かれる場所で過ごすことができるのだから減量もイージーだし、試合に集中することができているよ。何といっても僕はアーミーにいたんだから、それがどういうことか分かるよね? アーミー時代と比べると、ファイトウィークのホテル暮らしなんて、ただただ楽しいだけさ(笑)」

──では最後に日本のファンに一言お願いします。

「世界中のファンに、何より大好きな日本のファンに絶対に喜んでもらえる試合がしたいと思っている。この試合が終わると日本のMMAファンが僕のことを応援してくれるようになることを願っているよ。

そして、いつの日か……サイタマで戦いたい。アリガトウゴザイマス」

■UFC ESPN12対戦カード

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ダン・フッカー(ニュージーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ミッキー・ガル(米国)
マイク・ペリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブレンダン・アレン(米国)
カイル・ダウカウス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
モーリス・グリーン(米国)
ジャン・ヴィランテ(米国)

<ライト級/5分3R>
ルイス・ペーニャ(米国)
カーマ・ワーシー(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タナー・ボーザー(カナダ)
フィリッピ・リンス(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ロメロ・ボレラ(イタリア)
ミランダ・マーヴェリック(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
ショーン・ウッドソン(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
佐藤天(日本)
ラミズ・ブラヒメジ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ジョーダン・グリフィン(米国)
ユーゼフ・ザラル(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジン・ユ・フレイ(米国)
ケイ・ハンセン(米国)

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