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【EJJC2018】ヨーロピアン展望─03─ライト&ミドル級。岩崎が昨年以上を達成するには──

EJJC Light【写真】岩崎が表彰台の右側2つの上に乗るには、ランギかナジミのどちらかに勝たないといけない可能性が高い (C) MMAPLANET

16日(現地時間・火)から21日(同・日)にかけて、ポルトガル、リスボンにあるパヴィラォン・ムルチウソス・ジ・オジヴェラスにてIBJJF(国際柔術連盟)主催のヨーロピアン柔術選手権が開催される。ヨーロッパを中心に、各国から強豪が参戦するこの大会の見所をお届けしたい。第3弾はライト級とミドル級の展望をお伝えする。

【ライト級】
前回3位に入賞した岩崎正寛(カルペディエム)が、今年もエントリーしている。岩崎は、世界柔術にて絶対王者ルーカス・レプリと2回戦で対戦し、前年には一本負けを喫した絶対王者相手に強固なベースを保ち、1点も献上しない健闘ぶりを見せた。結果的にはアドバンテージ1差で敗れたものの成長を見せつけた岩崎は、その後も単身ニューヨークのマルセロ・ガウッシア道場で修行を敢行している。今回のヨーロピアンでは、去年を上回る成績をもってさらなる成長を見せてほしいところだ。

その岩崎に立ちはだかる世界的強豪が、この階級には2人エントリーしている。1人はベテランにして、同門レプリとともに世界に君臨するマイケル・ランギ(アリアンシ)。09年に初戴冠して以来3度世界の頂点に輝いたスパイダーガード&ハーフガードの名手は、去年の世界柔術ではホベルト・サトシ・ソウザに僅差で敗れたものの、その前のブラジレイロでは実に5試合を勝ち抜いて優勝。健在ぶりを示している。

もう1人は、昨年そのランギ相手に俄然注目度が上がっているACB JJの準決勝で競り勝ち、決勝ではマーシオ・アンドレから三角絞めで一本勝ちを収めた、エドウィン・ナジミ(グレイシー・バッハ)だ。15年に黒帯昇格し、大会中に26歳の誕生日を迎えるナジミは、師匠ホムロ・バハウ譲りのスパイダーガードゲームに加え、跳び三角、ダースチョーク、エスティマロック等思い切りの良い極めをもって、黒帯の舞台においても世界の強豪から高い一本勝ち率を誇っている。

打倒レプリ&世界戴冠を目指す岩崎だが、その前にこのランギとナジミの壁を越えることができるのか。頂点レプリを目指し、(同門のランギを除く)世界のあらゆる強豪たちが集うことになる世界柔術を占うという点でも、ヨーロピアンのこの階級は重要なものとなる。

【ミドル級】
本命は、昨年優勝のマルコス・ティノコ(アリアンシ)か。神童マルセロ・ガウッシアが擁する脅威の弟子軍団の中でも先頭をゆくティノコは、昨年のムンジアルでも準決勝で超大物オターヴィオ・ソウザを倒し決勝進出。決勝はガブリエル・アウジェスに敗れたもののバッハ勢のクローズアウトを阻止している。

ティノコに並ぶ強豪選手としては、昨年準優勝のアレク・ボールディングや昨年3位のイサッキ・バイエンスのアリアンシ勢、やはり3位のジェイミー・カヌート(GFチーム)、マイケル・リエラ・ジュニア(アトス)らが挙げられるだろう。バイエンスは昨年のパン大会準決勝にてレジェンドのホムロ・バハウを倒しており、またカヌートは昨年の世界柔術準決勝にて、優勝者のガブリエル・アウジェス相手にレフェリー判定の僅差の戦いを演じている。この階級も世界の強豪が群雄割拠、世界柔術の前哨戦として見応えのある戦いが見られそうだ。

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