【F2W182】浜松で柔術を始めたジャクソン・ナガイが、ナジミを三角絞めで仕留めウェルター級王者に
先月28日(土・現地時間)、カリフォルニア州バーリンゲームのハイアットリージェンシー・サンフランシスコ・エアポートで、F2W182「East Bay」が開催された。
遅まきながら、注視すべき結果になった上位カードから、セミの道着ウェルター級選手権試合の模様をレポートしたい。
<F2W道着ウェルター級選手権試合/10分1R>
ジャクソン・ナガイ(ブラジル)
Def.7分59秒 by 三角絞め
エドゥウィン・ナジミ(米国)
試合開始後すぐに引き込んだ挑戦者ナガイは、スタンドの姿勢を維持した王者ナジミの体によじ登るようにクローズドガード。長い手足でタイトに密着する、仕掛けられた側としてはいかにも厄介そうなガードだ。
一度足を開いて背中から着地したナガイは、膝の高さで再び足を閉じてから崩すスイープへ。バランスを崩したナジミだが、すぐに体勢を立て直して両者スタンドへ。
もう一度同じようなスイープの攻防を繰り返した両者。ナガイはナジミの飛び技を警戒してか、自分から積極的に仕掛けてペースを掴ませない。やがて今度はナジミの方が引き込んでオープンガードに。下から絡んだナジミがナガイの左足を狙うと、上からナガイも足を狙い返して、トーホールド合戦に。やがてナガイは自ら足を離して、50/50の体勢で上になった。
ナジミの襟を掴んで重心をかけてゆくナガイに対し、そのラペルを引き出して自らの右足に固定し、50/50を強化するナジミ。やがてナジミはナガイを後ろに崩してから、左足にストレートフットロック狙いへ。うつ伏せになって締め上げるが、極まらない。
やがて足を抜いて立ち上がったナガイは、すぐにナジミの左足をレッグドラッグ捌くと同時に体重をかける。ナジミに動く隙を与えないきわめてタイトな動きでパスに成功した。
そのまま右腕で枕を作って首を制したナガイは、左手でナジミのラペルを引き出してなじみの右腕をくくると、それを自らの右腕で掴む。こうして完全にナジミを動けなくしたナガイは、左足でステップオーバーして、上の体勢をキープしたまま三角へ。そのまま頭を抱え上げ強烈に締め上げて、タップを奪ってみせた。
やや体重差があるとは言え、極めの強さで名高いナジミ相手に終始ペースを握り、持ち味を出させずに完勝したナガイ。ガードワークもパスガードも極めも、全ての動きがきわめてタイトかつ高い精度を誇っていた。
17歳の頃に浜松で柔術をはじめ、その後ブラジル、米国と移住し昨年ルーカス・レイチから黒帯を授かったという27歳のナガイがF2W道着ウェルター級新チャンピオンに。ナジミから一本勝ち、今後世界のトップ戦線に絡んでくる可能性のある逸材だ。