【Heat38】review02 岸本が宇良を切り刻みTKO勝ち。ダニロは8度目の王座防衛、アリは陥落
25日(日)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催されるHEAT38。レビュー第2弾は注目のライト級=岸本泰昭×宇良健吾を中心にお届けしたい。
<総合ライト級/5分3R>
岸本泰昭(日本)
Def.2R終了時TKO
宇良健吾(日本)
宇良の左ストレートと同時に、サウスポーに構えた岸本が左ハイを放つと、この一発で宇良が鼻の横をカットし流血。岸本の左フック、ここで宇良が組み付いていく。
しかし、四つ組みが得意の岸本が後方にテイクダウンに成功し、レッグドラッグの状態で左のパンチを連打する。と、宇良の流血が酷くドクターチェックが入る。再開後、サイドで抑えた岸本はエルボーと鉄槌を落とし、宇良の顔面を切り刻んでいく。岸本の右腕が真っ赤に染まるほど流血にもヒジが引き続き打ち込まれる。右腕を伸ばした宇良が、腹ばいからシングルを狙ったところでがぶった岸本が離れ、ここで初回が終了となった。
宇良の止血に時間がかかるインターバル。サウスポーからオーソに戻した岸本は振りの大きな左フックからダブルレッグへ。
宇良が左を差し返したが、差し上げるには至らず再び後方へテイクダウンを取られる。ここで2度目のドクターチェックも、試合続行。サイドで抑えられ、さらにヒジを被弾する宇良は全く反撃できない。
何とか足を戻し、蹴り上げから腹ばいになるも立ち上がることができなかった宇良は背中を取られそうになって引き込む。この後も盤石のハーフから打撃を落とした岸本は2Rも宇良を圧倒した――結果、3Rまでのインターバル中にドクターから宇良にドクターストップが宣告され、岸本が完勝した。
なおメインのキック・ミドル級選手権試合は王者ダニロ・ザノリニが、ローや前蹴りを効かせて、右ハイを豪快に蹴りこむなど序盤から攻勢に。
3Rには右フックでダウンを奪ったが、ここからジン・シジュンが粘る。腹や顔面にパンチを入れ、ダニロの攻撃が荒くなってくる場面も。激しい打撃戦の末に、ダニロは最終回にフライングニーを決め、5R1分02秒にTKO勝ち。8度目の王座防衛に成功した。
しかし、セミ前にヘビー級王座防衛戦に臨んだプリンス・アリは、ピーター・アーツの教え子ムラット・エイガンの対角線コンビネーションからの右ローに苦しめられ、踏み込みが弱くなる。顔面へのパンチを被弾するシーンが目立ってきたアリは、エイガンのフックの猛攻にさらされ3R2分03秒、TKO負けで王座を失っている。