【AJJC2016】レビュー<02>フェザー級は杉江が制し、ライト級で岩崎&細川はカプラルに敗れる
【写真】杉江が頂点に立ったフェザー級。青木真也が出場したSpyder BJJの軽量級で優勝しているチェ・ワンキが準優勝 。イザッキ・パイヴァを破るとは、韓国も非常に力をつけている(C)MMAPLANET
10&11日、東京都足立区の東京武道館で国際ブラジリアン柔術連盟=IBJJF主催のアジア柔術選手権2016(Asian Jiu-Jitsu Championship 2016)が開催された。日本で開催されるブラジリアン柔術で最大級のトーナメントであるアジア選手権。
アジア・ナンバーワンの座を目指し、国内トップが勢揃いして来年のムンジアルへのチケット(※ポイント)を争うのは当然として、躍進する韓国やアジア在住の強豪ブラジリアン、本場ブラジルや米国からの参加者が集まる黒帯の戦い。レビュー第2弾はフェザー級とライト級の模様を振り返りたい。
【フェザー級】
アジア2連覇中のイザッキ・パイヴァが動きに精彩を欠き、1回戦でチェ・ワンキとの50/50ゲームでバックを奪われた結果、2-8で敗れるという大波乱が起きる。
一方、パイヴァの対抗馬であった杉江アマゾン大輔は、4月16日に開催されたジャパニーズ・ナショナルと同じく、大塚博明との1回戦を迎え、大塚のガードに対し徹底したトップキープを貫きアドバンテージ3つでリード。
大塚にスイープで2Pを奪われると、すぐにスイープで取り返し、ポイントを同点にしてそのままアドバンテージ3-0で勝利した。
杉江は準決勝のチャールズ・ガスパー戦では開始早々、巴投げで倒しきれずトップを奪われたが、リバーサルで2Pを獲得。
さらに相手がシングルを狙ってきたところで首を取り、がぶりからの送り襟絞めで2分34秒、この形で極まるかというような見事な一本勝ちを収めた。
決勝戦はパイヴァを下したワンキと杉江の対戦。まずダブルガードから起き上がりアドバンテージ1を獲得すると、以降はトップキープを貫くアマゾン。
中盤には脇差し、さらにパスガードのプレッシャーを強めていく。試合終了直前にはワンキがもぐりから三角の体勢に入るも、アドバンテージとはならず。ポイント0-0、アドバンテージ1-0でアマゾンが優勝を決めた。
【ライト級】
ライトフェザー級と並び、今大会の最激戦区との呼び声高かったライト級は全日本選手権決勝をカルペディエム勢でシェアした細川顕と岩崎正寛が、ミドル級から落としてきたホドリゴ・カポラルをどう迎え撃つかが最大の焦点となった。
大会前のインタビューで細川&岩崎ともにカポラル戦を警戒していたが、トーナメント準決勝で先にカポラルと当たったのは細川だ。まずダブルレッグに失敗したカポラルだったが、スイープで2Pを先取。
さらにパスガードで3Pを獲得する。そのままサイドをキープするカポラルに対し、足を負傷していたという細川は動くことができず――5分25秒、サイドからの十字絞めでタップした。
決勝でカポラルと対戦した岩崎は、初戦、準決勝とテイクダウンでポイントを重ねて勝ち上がってきている。試合はまず岩崎がダブルレッグを仕掛けるもカットされ、反対に尻もちを着かされカポラルにアドバンテージが入る。再開後、引き込んだ岩崎を押さえ込みアドバンを追加。
岩崎も得意のハーフガードからワキを差して、スイープを狙い。抑え込みには至らずもアドバンテージを取り返す。再び引き込んだ岩崎に対し、カポラルはパスガード、岩崎もスイープでアドバンを取り合う。
この時点でカポラルがアドバン1差で優位に。試合終了直前、同じくカポラルがパスガード、岩崎がスイープでアドバンを追加し、試合はタイムアップに。岩崎はアドバン1つ届かず、終始ポイント的に余裕をもって戦ったカポラルがライト級を制している。
■リザルト
【アダルト黒帯フェザー級】
優勝 杉江アマゾン大輔(カルペディエム・ホープ)
準優勝 チェ・ワンキ(ジョン・フランクル柔術)
3位 チャールズ・ガスパー(インパクト・ジャパンBJJ)、塚田市太郎(ダムファイト・ジャパン)
【アダルト黒帯ライト級】
優勝 ホドリゴ・カポラル(アトス柔術)
準優勝 岩崎正寛(カルペディエム)
3位 細川 顕(カルペディエム)、ホブソン・タンノ(インファイト・ジャパン柔術)