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【JBJJF】公認大会で経験を積み、結果を残した鍵山士門 「地方だから戦える選手がいる」

Shimon Kagiyama【写真】地方大会出場、この経験を国際式の大会につなげることができるか(C)MMA-ZEN

5日(日)、札幌市東区体育館でIF-Project主催の『GroundImpact北日本選手権2016/GroundImpact NORTS JAPAN2016』が行なわれた。階級&無差別と2冠を達成した鍵山士門に、同選手権を振り返ってもらった。
Text by Takao Matsui

「あの時と同じような場面でした。あの時は、強引に動いてバックを取られてしまい、負けてしまったんです……」

GroundImpact北日本選手権のアダルト黒帯フェザー級に出場した鍵山士門は、決勝戦でOVER LIMIT BJJの村田良蔵と対戦した。序盤から50/50の体勢で膠着するなど、大きな動きはなかった。立ち上がってアドバンテージを先取した以外は差がなく、接戦となる。動くべきか、守るべきか。微妙に心が揺れ動く渦中にあった。

鍵山が振り返るあの時とは、今年の4月に開催されたジャパニーズ・ナショナルのアダルト黒帯ライトフェザー級決勝戦のこと。橋本知之と対戦したが、強引に攻めに出て三角絞めを極められてしまった。それ以来、後悔と反省を繰り返す日々が続く。勝てばそのやり方は正解だが、負ければ不正解となるのが勝負の世界。反省すべきは、攻めに出た行為よりも、強引すぎた心の焦りにあったことに気付いた。

村田に下から攻められ続ける鍵山は、じっと耐える。攻めたい気持ちをコントロールして、守りに徹することを選択した。その結果、逃げ切ることに成功し、優勝をもぎとった。もっと差をつけて勝ちたかったかもしれないが、それが隙になって逆転負けをしていた可能性もあった。あの橋本戦の敗北があったからこそ、心のコントロールをできたのかもしれない。

「北日本に出場したのは、経験を積みたかったからです。都内の大会でも強い選手はたくさんいますし、もちろん経験は積めるんですが、地方だからこそ戦うことができる選手もいますので」

階級別を制して成長した鍵山は、オープンにも出場した。ここで彼の前の立ちはだかったのは、ギムナシオン札幌の高橋計康。鍵山よりも体が大きく、投げ技も得意としている。試合が始まると、いきなりシングルレッグで組み付いた高橋が、投げを打ってテイクダウンポイントを奪う。先制点を奪われた鍵山は、意外にも落ち着いていたという。

「あの時は、焦っていなかったです。ポイントを奪われたけどスイープする自信がありましたし、フックガードの練習をしてきたのでパスされない自信もありました」

その言葉通り、すかさずスイープで2ポイントを奪い返す。高橋が足を取りにかかるが、サイドやバックに回り込む動きを見せてパスガードで抑え込もうとしたところでアドバンテージのポイントが入った。階級別とは逆に、今度は攻めることで活路を見出すことに成功した。この直後に試合終了となり、鍵山が二階級制覇を決めた。

「高橋選手は体が大きくて強かったです。パワーのある選手と闘うと、一瞬も気を抜けないので勉強になります。とくに守りは、少しでも力が緩むと持っていかれてしまうこともあるので、その意味でもいい経験になりました」

リスクを覚悟で北の地へ乗り込んだ鍵山は、全日本選手権、アジアオープン選手権、そして韓国でのソウルオープンへの出場を予定している。多忙の中での試合出場となるが、今回の経験が活かされることになるのは間違いない。

■GroundImpact北日本選手権2016主なリザルト

【アダルト茶帯フェザー級】
優勝  庄山真司(OVER LIMIT BJJ)
準優勝 中嶋康晴(ギムナシオン札幌)

【アダルト黒帯フェザー級】
優勝  鍵山士門(デラヒーバジャパン)
準優勝 村田良蔵(OVER LIMIT BJJ)

【アダルト黒帯ミディアムヘビー級】
優勝 高橋計康(ギムナシオン札幌)※

【アダルト茶帯オープンクラス】
優勝  庄山真司(OVER LIMIT BJJ)
準優勝 中嶋康晴(ギムナシオン札幌) 

【アダルト黒帯オープンクラス】
優勝  鍵山士門(デラヒーバジャパン)
準優勝 高橋計康(ギムナシオン札幌)

※1人優勝

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