【Pancrase273】石渡伸太郎、ヘンリーとの激闘を制し3度目の王座防衛。「世界と戦えます」
<バンタム級K.O.P.T./5分5R>
石渡伸太郎(日本)
Def.3-0:48-47.48-47.48-47
ビクター・ヘンリー(米国)
まずは左ローを蹴り込んだヘンリー。ローを続けると石渡もローを返す。ヘンリーの左ローに右ストレートを打ち込んだ石渡に対し、顔色が変わったヘンリーは組んでケージへ。払い腰で大きく投げた石渡は、寝技に拘らずスタンドへ戻る。ワンツーを入れる石渡に対し、ヘンリーは左から右フックを入れる。オーソとスイッチを交えて戦うヘンリーに、石渡は右のロングジャブを打ち込む。ケージに石渡を詰めたヘンリーがエルボーも、石渡は左右のフックを返す。とヘンリーの右ローが石渡の急所に入り、王者が苦悶の表情を浮かべ倒れる。
スネが急所に入った模様だが、石渡は5分を待たず試合再開に応じる。ヘンリーは右ハイ、石渡は右ジャブ。前出てワンツーからヒザを入れ、ラッシュを掛けるヘンリーに石渡もフックを返す。石渡のテイクダウン狙いを切ったヘンリーが、続くテイクダウン狙いにギロチン一線。かなりタイトに入ったが、ブリッジから頭を上げて何とかタイムアップに持ちこんだ。
初回を失った石渡、2R開始と同時に左目が腫れカットも見られドクターチェックが入る。再開後、右フックからラッシュをかけた石渡にヘンリーは落ち着いて蹴りを入れる。続く左右のフックにガードを固めるヘンリーだが、石渡は左ストレートをヒット。ヘンリーが前に出てくると右フックを打ち込む。ヘンリーは左ミドルから前進すると、石渡は右を入れ左へ。ヘンリーは組んでケージに石渡を押し込むが、王者は離れる。左を入れた石渡は引き続き左を入れ、スピニングバックキックをかわして、ここも右を打ち込み、ヒザ蹴りから右ストレートを伸ばす。ヘンリーは左ミドルから左ヒザ。石渡のスピニングバックフィストは空振りに。
残り1分、ヘンリーは右ローから右ハイ、ブロックした石渡が左ストレートから右フック。ヘンリーも右を返し、石渡は残り30秒でダブルレッグへ。ここはギロチンに入らせなかった石渡が2Rを取り返した。
3R、ヘンリーも気が付けば左の目の下を腫らしているが、果敢に右ミドルを放つ。さらにオーソから右ハイを狙うも、石渡はここでも左ストレートを打ち込み、腹から顔面に拳を当てていく。右ジャブを入れた石渡、ヘンリーは右ハイから左フック。ケージに押し込んだ石渡がヒザをボディに突き上げる。石渡は左ボディストレートから右フック、空振りがあってもパンチを続ける。と左右のフックを入れたチャンピオンに対し、ヘンリーは疲れたか動きが落ちてくる。
左ストレートを被弾したチャレンジャーは足下がふらついたにも関わらず、すぐに蹴りを返していく。またも左を入れた石渡が、投げを打つもこれは決まらない。残り90秒、石渡は右フックを当てる。ヘンリーは左ミドルを蹴り込んだが、右を被弾する。ケージ際でヒザをボディに入れた石渡、離れて左ストレートも空振りに。ヘンリーは右ヒザから左フック、石渡が左ストレートを返す。この回を石渡が取り、ポイントでリードすることとなった。
チャンピオンシップラウンド、両者揃って疲れが目立つなかヘンリーが蹴りから前へ。テイクダウン狙いを潰した石渡は、反り投げも潰してトップを取る。ヘンリーの三角を担ぎ、スタンドに戻った石渡にヘンリーが前に出て左を振るう。下がりながら右を返す石渡はダブルレッグへ。ヘンリーはパワーギロチンも、背中を付けた石渡が頭を抜いてトップを奪取する。
ハイガードを潰し、スタンドに戻った石渡は続いて立ち上がったヘンリーをケージに詰める。態勢を入れ替え、縦ヒジを入れるヘンリー。
残り2分となり離れた両者、石渡がワンツーも体が揺れる。組んだヘンリー、石渡がバックに回る。ヘンリーはキムラを狙うが、下になってパウンドを顔面に落とされる。左のパウンドから担ぎパスを狙う石渡は、ヘンリーが足を戻してきたところでパウンドを放っていく。このラウンドはジャッジの判断が別れ石渡に2票、ヘンリーに1票が入った。
最終回、石渡は左ロー、左ボディストレートを伸ばす。ヘンリーも右を返すが、石渡は左ボディからロー、そして右フックを顔面に打ち込む。蹴りに左ストレートを伸ばしたチャンピオンは間合いを取り直し、左ストレート。ヘンリーがステップインから右ヒザ、ボディにこれを受けた石渡がワンツーを返す。ヘンリーは左ミドルを入れると、ボディを続けた石渡が右フックを顔面に入れる。
首相撲&エルボーのチャレンジャー。王者は左ストレートを伸ばす。右を被せようとする石渡だが、ヘンリーも良く前に出てくる。左ボディから右を入れた石渡は蹴りを受けても、パンチを複数で返していく。残り1分でヘンリーの右ストレートが石渡の顔面を捉える。石渡は左を返しダーティボクシングでボディを連打。ヘンリーもヒザを返し、左フックを顔面に打ち込む。最後は足を止めての無酸素の殴り合いへ。
試合終了とともに前方に倒れ込んだ石渡と冷静なヘンリー。ヘンリーの師匠ジョシュ・バーネットは首を横に振る。健闘を称えあう両者、裁定結果はジャッジ3者とも48-47で石渡が3度目の王座防衛を果たした。
両目を腫らした王者はヘンリーと再び握手し、「多分、俺、凄い顔しているでしょ? ただいま。ホントに凄い大けがをして、帰って来られるか不安だったけど、皆のおかげで帰って来られました。来年、ちょっと休ませください。還ってきた第2代キング・オブ・パンクラシストは世界と勝負できます。世界と勝負させてください」と疲労困憊の様子で語った。