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【Pancrase270】神酒龍一と対戦する古賀靖隆<01> 「プロでMMAを戦うとは全然思っていなかった」

Yasutaka Koga【写真】まだまだインタビューに不慣れな古賀。試合の6日前に柔術で汗を流していた(C)MMAPLANET

10月4日(日)に東京都江東区ディファ有明で開催されるPancrase 270。UFC Fight Passでの世界同時ライブストリーミングも実施される同大会。

メインは王者ナム・ファンにアンディ・メインが挑むKOPフェザー級選手権試合。そしてセミもレッツ豪太×鈴木慎吾の間で争われるKOPウェルター級選手権が組まれ、米国勢同士の女子戦、国際戦がこれ以外に4試合と国際色豊かなラインアップが揃った。

そんな同大会で注目したい日本人対決が、フライ級の3回戦=神酒龍一×古賀靖隆の一戦だ。前修斗世界バンタム級王者のパンクラス初陣、対するは古賀はアマチュア・パンクラスからゲート・ゲート、ゲートからプロとパンクラス一筋でキャリアを積み、TTFの連敗から再起した。

知名度は決して高くないが、会場の温度を常に上げる気持ちの入った試合が信条の古賀に初インタビューを試みた。

──試合を6日後に控えているのですが、柔術クラスに出て練習をしているので驚きました。

「不安だったので(笑)。MMAの練習は土曜日に終え、体重ももう3、4キロなので問題ありません。今日、柔術の練習をしていたのは体を動かしていると安心できる。ただ、それだけなんです(苦笑)。今回が特別というわけではなくて、いつもこんな感じです。体調も含め、いつもと変わりないです」

──いつもと変わりないというのは?

「えぇと……絶好調ですッ!!」

──古賀選手に関しては雑誌の取材などで師匠である八隅孝平ロータス世田谷代表に技術解説&実践をしていただくときに、受けをしてくださることが多くて。それがどんどんパンクラスで勝利を重ねるようになり、良い試合をするということで関係者間には評判を呼ぶ選手になりました。

「アッ、いえ、あ、ありがとうございます」

──キャリア3年で12戦をこなしていますが、まだまだ古賀選手のことを知らないファンが多いと思いますので、今回はMMAを始めたきっかけなどから伺わせてください。

「ハイ。MMAファイターになろうとか、そういうのは全くなかったんです。福岡の柳川出身で21歳の時になんとなく東京に出て来て……」

──なんとなく……。

「憧れです。目的があったわけじゃなくて、東京に憧れて出て来て。柳川は熊本とか佐賀に近い場所にあるので、博多にもあんまり行ったことがなくて。だから、博多も知らないので、東京に来たいと思ったのかもしれないです」

──九州にいる時に格闘技経験は?

「なかったです。PRIDEとかTVで見て格好良いなと思っていたぐらいで。東京では住み込みの仕事をして2年ぐらいいようかなって思ったくらいでした。そうしたら、たくさんジムがあって。最初は日野に住んでいて、寮付きの季節工をやっていて。3カ月ごとに契約更新するっていう感じなのですが……。僕の後から地元の友達が格闘技をやりたいって上京してきて、その子に誘われてパラエストラ八王子に入ったんです」

──えッ、最初はパラエストラ八王子所属だったのですか。

「ハイ。でも、所属とかそんなレベルには達してなかったです。幽霊会員のようなモノでした。今からすれば何でもないのですが、思った以上に格闘技の練習は厳しくて、仕事との両立が難しく感じてしまって……。柔術もMMAもどっちも練習できるんですけど、1カ月ぐらいで行かなくなってしまいました。一緒に始めた小宮稔大君は今もずっと八王子で頑張っていて、次の大会にも出るんですよ」

──格闘技を辞めても、東京暮らしは続いていたのですね。

「ハイ。仕事の方は1年ぐらい続けてお金を貯め、アパートを借りるようになりました。でも2008年の1年間は格闘技は全くやらず、2009年にロータスができて近所に住んでいた地元の友達に誘われて、もう一回やろうと思ったんです」

──またも格闘技好きの地元の友人がいたわけですね(笑)。

「その子もパラエストラ八王子を脱落した子だったんですけど、『もう1年ぐらいしたら地元に帰ろう。それまで、また格闘技をやろう』って感じで誘われたんです」

──その友人さんは?

「その子は……辞めました。柔術もMMAもやっていたんですけど、去年やめちゃいました。僕もプロでMMAをやろうなんて全然思っていなくて、一般会員として柔術の稽古をしようと思っていただけだったんです。けど……、その誘ってくれた子が『MMAも出てみよう』と言ってくれて、2011年にアマ・パンクラスに出場したんです」

──その辞めてしまった彼の存在がないと、今の古賀選手はいないわけですね。

「ハイ、そうなんです。若い子の勢いに巻き込まれて始めて、なんか僕だけ残ってしまったんです。アマチュア・パンクラスもトーナメントで2回戦負けだったのですが、ゲート・ゲートに呼ばれ、次はゲートになり、そこで勝ったので、そのままプロで戦うようになったんです。

僕自身は『プロになる』という強い意志を持っていたわけじゃなかったです。ただ、試合に出れば勝ちたいという気持ちはずっとありました」

──ロータスにはかの有名なプロ・グラップリング・スパー練習のYBTが伝統的に金曜日に行なわれていましたが、古賀選手も参加するようになったのですか。

「いえ……。僕は仕事もあるのでYBTの練習に出ることはなかったです。ただ、ロータスにはMMAクラスがないので、やりたい人間が集まって練習する時間がありました」

──その頃、八隅代表はプロで戦うことにどのようなことを言われていましたか。

「『やれるところまで、やってみれば』という感じでした(笑)」

──それが昨年のTTFCで連敗するまで11勝1敗1分という素晴らしいレコードを残していました。

「TTFで連敗するまでは、ベルトを狙えるかって思うようになっていたんです」

──渋谷莉孔選手との試合は、テイクダウンを防がれ続けたけど、何を被弾したわけではないという見方もされていました。

「でも、僕もちゃんと寝かせることができなかったですからね……」

──それにしても、こうやって話を聞く限り、本当に物腰が柔らかくて、耳がカリフラワーになっていないと格闘技をやっているとは思えない古賀選手です。親御さんなどは、格闘技を続けていることをどのように捉えているのでしょうか。

「『早く辞めて帰ってこい』とは言われていたのですが、5月に初めて試合を見てもらい、微妙に変わりました」

<この項、続く>

■PANCRASE270対戦カード

<フェザー級/3分3R>
渡慶次幸平(日本)
林大陽(日本)

<バンタム級/3分3R>
小宮稔大(日本)
清水悠生(日本)

<バンタム級/3分3R>
村田康大(日本)
大橋悠一(日本)

<バンタム級/3分3R>
田中千久(日本)
論田愛空隆(日本)

<フライ級/3分3R>
上嶋佑紀(日本)
中村龍之(日本)

<フライ級/3分3R>
小林優(日本)
渋谷和樹(日本)

<ストロー級/3分3R>
田丸慶介(日本)
児玉勇也(日本)

<KOPフェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] ナム・ファン(米国)
[挑戦者] アンディ・メイン(米国)

<KOPウェルター級選手権試合/5分5R>
レッツ豪太(日本)
鈴木槙吾(日本)

<フェザー級/5分3R>
ガイ・デルモ(米国)
牛久絢太郎(日本)

<ライト級/5分3R>
アキラ(日本)
ジョシュ・スミス(米国)

<ライト級/5分3R>
石川英司(日本)
ドミニク・ロビンソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ビクター・ヘンリー(米国)
福島秀和(日本)

<女子バンタム級/3分3R>
コリーン・シュナイダー(米国)
ブリアナ・フィソリ(米国)

<フライ級/5分3R>
古賀靖隆(日本)
神酒龍一(日本)

<ウェルター級/5分3R>
村山暁洋(日本)
窪田幸生(日本)

<フライ級/5分3R>
荻窪祐輔(日本)
清水俊一(日本)

<バンタム級/3分3R>
CORO(日本)
瀧澤謙太(日本)

<バンタム級/3分3R>
なおKING(日本)
神田T800周一(日本)

<ストロー級/3分3R>
北方大地(日本)
リトル(日本)

<ライト級/3分3R>
太田駿平(日本)
林源平(日本)

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