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【WSOF19】自らを追い込む──難行苦行スタイル?? やり過ぎゲイジーが最後はTKOで王座防衛

<WSOF世界ライト級選手権試合/5分5R>
ジャスティン・ゲイジー(米国)
Def.3R3分57秒by TKO
ルイス・パロミーノ(ペルー)

両者タッチグローブを拒否。鋭い視線を交錯させ、試合が始まると同時に右ローを蹴り込む。引き続き右ローを続けるゲイジーは、テイクダウンのフェイクからパンチへ移行、アッパーを打ち込む。テイクダウンのフェイントにパロミーノがスプロールで反応すると、アッパー、ヒザ蹴りとラッシュを仕掛けるチャンピオン。と、今度はフェイクでなくダブルからパロミーノを肩に担ぎ上げ、大きくスラムで叩きつける。序盤から猛攻を仕掛けたゲイジー。しかし、この時点で早くも息が切れ始める。それでもアッパーやハイを入れるが、パロミーノのフックからエルボーでケージに詰められ、一転大ピンチに追い込まれる。

クリンチで呼吸を整えようとするゲイジーに対し、パロミーノがフックからエルボーを入れる。一旦離れた両者、ゲイジーはフックを入れるが、逆にパンチを被弾して後退。ここで組んだゲイジーがバックに回り、スナップバックのような形でパロミーノを背中からマットに叩き落とす。ゲイジーはバックからパンチを続け、パロミーノの立ち上がり際に左ハイキック。ふらつくパロミーノがパンチを続け、足を止め軸が乱れての打ち合いになると、ゲイジーがマウスピースを吐き出して試合が中断する。再開後、右ローから飛びヒザをボディに決めたゲイジー。パロミーノもフックの連打で猛攻を仕掛け、ゲイジーが──マイティ井上のサマーソルトドロップ張りの縦型お胴廻し回転蹴りを繰り出したところで、乱高下を繰り広げた初回が終わった。

2R、引き続きプレッシャーを与えるゲイジー。そのプレッシャーに負けないパロミーノが、左ハイをブロックし右フックを入れ、ワンツーにつなげる。ゲイジーは右フックを思い切り空振りした後で、右アッパーから右ストレート、再び右アッパーで前に出る。さらに右ローを入れるもパロミーノが左フックから左アッパー、続いて左フックから右フックとラッシュを掛ける。

組みに行ったゲイジーに右エルボー、離れて右フックをヒットさせパロミーノが形勢逆転──と思いきや組んでバックに回ったゲイジーがテイクダウンに成功する。胸を合わせて立ち上がったパロミーノが距離を取り直す。残り70秒、ゲイジーはスピニングバックフィストを空振りし、姿勢が乱れる。パロミーノは右フックを放つが、彼もまた肩で大きく息をするように。口を開けてパンチを振るうパロミーノに対し、ゲイジーは右アッパー。パロミーノの後ろ回し蹴りをゲイジーがダッキングでかわしたところで2Rが終了した。

3Rは開始早々、組みに行ったゲイジー。離れたパロミーノが左フックから右ローを入れるが連打は見られない。ゲイジーも手数がグンと減ったなかで、右ローを放つ。左フックから右アッパー、右ローを決めたゲイジー。パロミーノは右を返し、自ら組みついていく。ダーティボクシングから強烈なローを入れたゲイジーに対し、パロミーノは体が崩れるように組みつくもスプロールされる。試合がスタンドに戻ると、ゲイジーは右エルボーから首相撲、ヒザをボディに3発突き上げ、再度エルボーを入れる。

離れたパロミーノ。しかし、右アウトサイドローを2発受けて、ついにダウンを喫する。ここでゲイジーは、単発でパウンドを落とすと、なぜかスタンドを待ち受ける選択をする。ブレイク度でスタンドに戻ったパロミーノは、逆転を賭けてパンチを放っていく。それでもゲイジーは勝算があってスタンドを選択したのか、首相撲から右ロー、続いて飛びヒザ&右ローを蹴り込む。巨木が倒れるように崩れたパロミーノのボディにヒザ、さらにエルボーから鉄槌をゲイジーが連打する。この猛攻を見て、とうとうレフェリーも試合をストップ。ゲイジーは勝敗が決すると、どこにそのような体力が残っていたのか、ケージに駆け上がりバク宙を披露し、「これまでにないほど練習してきたけど、彼はウォリアーだ」とパロミーノを称えた。

開始直後から5R制を頭に入れないような猛攻を見せるも、反撃を食い一転、危機に陥る。ここから体力勝負になり、最後はローで精神戦に蹴りをつけてのTKO勝ち。もっとスマートに戦えば、このような苦戦を強いられることはないと思われるゲイジーは、難行苦行を自らに課しているようなスタイル、やり過ぎゲイジーを貫いた。

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