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【Bellator135】LC・デイビス戦に向けて、所英男「自分がまだやったことがないもの」

Hideo Tokoro【写真】幾多の激戦を繰り広げてきた所にとって、米国=Bellatorでの最後の挑戦が始まる (C)TAKUMI NAKAMURA

27日(金・現地時間)にオクラホマ州タッカービルのウィンスター・ワールドカジノで開催されるBelaltor135でLC・デイビスと対戦する所英男。

グランドスラム旗揚げ戦でビクター・ヘンリーに敗れた直後、Bellator参戦が正式発表されていたが、あれから約8カ月、いよいよベラトールのケージに立つ。「最後のチャレンジ」と位置づけるベラトール参戦を前に、所の心境を訊いた。

――Bellator135でベラトール初参戦を果たす所英男選手です。いつ頃からベラトール参戦の話があったのですか。

「グランドスラムの第1回大会(2013年7月)が終わって割とすぐですね。海外の交渉をお願いしていた石井さんがベラトールと話をしてくれて、ベラトールと契約できるという流れになりました」

――それ以前、所選手はUFC参戦という目標を掲げてVTJに参戦していました。ずばりUFC参戦はもう難しいという判断だったのでしょうか。

「やはりウィル・カンプザーノに負けて(2013年10月、VTJ 3rd)、年齢的なことも含めてUFCはもう無理だろうと思いました。それで新しい目標を見つけようと思い、グランドスラムに出るという流れだったんです」

――ではグランドスラムに出場する時点でベラトール、もしくはUFC以外のアメリカのプロモーションで戦うという方向に切り換えたのですか。

「はい。ただアメリカで試合をしてみたい気持ちはありましたが、正直ベラトールという考えはなくて。そういった中でベラトールの話が出てきたので、まさか自分にベラトールで戦えるチャンスが来るとは思っていませんでした」

――改めて所選手がアメリカで試合をしたいと思った理由は何だったのですか。

「ブームに乗っかっているわけではないですけど…アメリカのイベントの会場の雰囲気や演出を見ていると、自分もあの場所に立って戦いたいと思いました。僕は日本ではビッグイベントを経験させてもらったし、周りの影響を受けやすいので…」

――所選手はこれまでHERO’S、K-1MAX、Dynamite!!、DREAM…と国内のビッグプロモーションはほとんど経験していますよね。

「ああ…確かに。そういう意味では自分がまだやったことがないもの、それがアメリカで試合をすることなのかもしれないです。グランドスラムでビクター・ヘンリーに負けて連敗した時に、もうそれは叶わないことだと思っていたので、チャンスを作ってくれた方たちには感謝しかないです」

――当初、昨年中にロブ・エマーソンを相手にベラトールデビューするという情報がありました。参戦が伸びた理由は何だったのでしょうか。

「実はちょうどオファーをいただいた頃に怪我をしてしまって、どうするか悩んでいたんですよね。僕にとっては最初で最後のチャンスだし、ここは無理をしないで、ベストコンディションで戦えるタイミングで参戦したいと思い、試合を先延ばししてもらいました。それで年をまたぐ形になった理由です。試合間隔としては8カ月ほど空いたのですが、いい準備期間になったと思います」

――今、所選手の主な練習場所はどこになるのですか。

「リバーサルジム横浜グランドスラムで勝村(周一朗)さんに練習を見てもらいつつ、TEAM OTOKOGIで植松(直哉)さんに指導してもらっています」

――OTOKOGIの練習をスタートしたのはなぜですか。

「改めてMMAというものを一から勉強したいと思ったからです。宇野(薫)さんが植松さんとチームを組んでから結果を残している姿を見ていて『どういう練習をしているんだろう?』と興味があったし、軽量級の強い選手がたくさんいる場所で練習したいという気持ちもありました。今は週2回参加させてもらっているのですが、勉強になることばっかりです」

――実際にOTOKOGIの練習に参加して、どんなことを感じますか。

「技の打ち込みの大切さです。シンプルに同じ技を何回も何回も繰り返すのですが、それをやっていると技術の精度が上がるんですよね。当たり前のことかもしれませんが。あとはただ技だけを打ち込みするのではなくて、打撃からテイクダウンして極める、相手が組んできたところに合わせて極める…そういう一連の流れを打ち込みで練習します。こんなに色々なパターンの打ち込みを練習したのは初めてですね。でもそれが新鮮で楽しいです」

――OTOKOGIで所選手はいじられキャラという話も聞いたのですが。

「いやいや、全然。まだ周りの選手たちには気を遣って接してもらっている感じがします。ただ新年会で酔っぱらった釜谷(真)さんには絡まれました(笑)。その日も…(釜谷の新年会でのエピソードが続くが割愛)」

――釜谷選手のエピソードはよく耳にします(笑)。その釜谷選手も大晦日のDEEPさいたま太スーパーアリーナ大会では原田ヨシキ選手に一本勝ちして、復帰戦を勝利で飾っています。

「だからあのくらい弾けないと強くなれないのかなと思いますよね(笑)」

<この項続く>

■ Bellator135対戦カード

<Bellator世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョー・ウォーレン(米国)
[挑戦者] マルコ・ロウロ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
LC・デイビス(米国)
所英男(日本)

<ライトヘビー級/5分3R>
フランソワ・カルモン(フランス)
ギルヘルミ・ヴィアナ(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
ダコタ・コクラン(米国)
ライアン・クートゥア(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・ヴィジャロボス(コスタリカ)
エマニュエル・サンチェス(米国)

<ヘビー級/5分3R>
オーランド・コールター(米国)
エレミヤ・オニール(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ホールデン(米国)
ティム・ロマン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ニール・ユーイング(米国)
ローガン・ネイル(米国)

<フェザー級/5分3R>
スティーブン・バナザク(米国)
ブラッド・ミッチェル(米国)

<フライ級/5分3R>
クレイトン・マイ(米国)
ゼイヴィア・シラー(米国)

<フライ級/5分3R>
JP・コール(米国)
ジョージ・パクラリオ(ルーマニア)

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