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【UFC182】ジョン・ジョーンズ、因縁のダニエル・コーミエー相手に微差を制して防衛成功

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
ジョン・ジョーンズ(米国)
Def.3-0:49-46,49-46,49-46
ダニエル・コーミエー(米国/2位)

左のカカト落としを見せたジョーンズ、前に出てくるコーミエーにハイを狙い、ヒザに繋げる。組みに行くコーミエーにヒジを狙ったジョーンズは、蹴り足をキャッチして最初のテイクダウンを奪う。ケージを背にしたコーミエーが胸を合わせると、ジョーンズが離れる。すぐに前に出てくるコーミエーに左エルボーから左ジャブ、組みつくもテイクダウンは切られる。

ジョーンズの左ハイ、左ジャブにも前に出るコーミエーは前蹴りから左フック、右を伸ばす。ジョーンズは左ストレートから左ハイで距離を保とうとする。近づくとコーミエーがダーティボクシング、ジョーンズはヒザ蹴りを見せて離れる。パンチを伸ばすコーミエーに、左をボディに入れるジョーンズ。左ハイから左ストレートを狙い、続いて左ボディストレートを決める。コーミエーも左ジャブから左ロー、ジョーンズは後ろ回し蹴りもクリーンヒットはない。

続く左ボディフックがコーミエーを捉えたが、コーミエーは止まらずヒザを受けながら右アッパーを入れる。王者が左からテイクダウを狙うが、動じないコーミエーがショートフックを連打し、初回が終了した。手を出し続けるチャンピオンだが、精神的に余裕がないようにも感じられた1Rだった。

2R、前に出てくるコーミエーに左ミドルを入れたジョーンズ。コーミエーは左ジャブから右ストレート、右ローで前に出る。ジョーンズの左ミドルにコーミエーが組みつく。王者はギロチンで迎え撃つが、これは決まらない。ジョーンズの前蹴りを受けてバランスを崩しそうになったコーミエーだが、直後に右ストレートを決める。組んでケージにコーミエーを押し込んだチャンピオン。挑戦者はがぶって体を入れかえると、距離を取って右ミドルを入れる。左ボディから右フック、さらに左フックから右ミドルをコーミエーが前に出る。

クリンチから左エルボー、ヒザを繰り出したジョーンズ、続くダブルレッグを切られてアッパーを連続で被弾する。左ストレートをジョーンズが伸ばすも、コーミエーはアッパーを返す。ならばとエルボーを放つ王者。両者ヒザを蹴り合い、オクタゴン中央で組み合うとジョーンズはエルボーを放って距離を取り、左ハイを見せる。しかし、コーミエーの右ローを受け動きが止まったジョーンズは、組んでチャレンジャーをケージに押し込む。

体をいれかえ、いなしたコーミエーのアッパーから、右ストレートがヒットする。ジョーンズのハイキックをブロックして、右ミドルを入れたコーミエーは、アッパーから右を決めラウンドを取った。

自分よりリーチのない相手に初めて苦戦をするジョーンズに対し、コーミエー陣営は「このドックファイトで良いんだ」と手応えを掴んでいる。3R、ジョーンズはハイからサイドキック。コーミエーは左ジャブを受けても、左ミドルを蹴り込む。ジョーンズも前蹴りを返し、左ローへ。左ジャブから右アッパーを連続で挑戦者が決める。離れたジョーズはサイドキック、コーミエーはそれでも構わず前に出てプレッシャーを与える。左ジャブを入れたコーミエーが、指が入ったとブレイクを要求。

再開後、ジョーンズが左ミドルを蹴り込む。続くダブルレッグを切ったコーミエーは逆にシングルレッグへ。これを耐えたジョーンズだが、ケージに追い込まれる。態勢を入れ替えたジョーンズがエルボー。離れた両者、再び組みついてジョーンズがヒザ、チャレンジャーが頭をつけて前に出る。アッパーを入れたコーミエーのテイクダウン狙いを切ったジョーンズは左エルボーから左ハイ、さらに前蹴りから左ストレートを決める。またも試合が組み合いに転じると、ジョーンズがヒザをボディに蹴り込む。ケージに押し込まれた挑戦者は、やや動きが落ちて来たか。と、ここもいなしたコーミエーが右フックで前に出るとジョーンズがヒザをボディに。コーミエーはアッパーから、ヒザを受け流して左右のフックで前に出る。組まれて肩パンチ、とジャンピングガードのように組みついたジョーンズはマットで背中を打ちつける。直後にラウンド終了となったが、最後の王者の動きが何を意味するのだろうか。

4R、互いに疲労困憊した表情を見せるが、前に出るのはやはりコーミエーだ。王者は左ハイキック、コーミエーが左を返す。引き続き左ハイを見せたジョーンズが、ケージにコーミエーを詰めてダブルレッグで1Rに続き2度目のテイクダウンを奪う。すぐに立ち上がったが、直後にまたもダブルレッグで倒されたコーミエーはスタミナが切れて来たか。首に手を掛けたたせないジョーンズは、起き上がり際に左エルボーを入れる。

またも組みついたチャンピオン、ケージに押し込まれたチャレンジャーは続くテイクダウン狙いを切るが、左フックを被弾する。ケージから逃れられないコーミエーにジョーンズが左ヒジを入れる。ここで距離を取り直したコーミエーが右ロー。ジョーンズが組みつき、コーミエーが喧嘩四つの態勢ながら十分な形に。それでもテイクダウンを取れないコーミエーをすくい投げでジョーンズがすくったところで、4Rが終わった。

初回はジョーンズ、2Rはコーミエー、3Rはややコーミエーが優勢か。4Rは完全にジョーンズという流れで迎えた最終回。グローブタッチからジョーンズが右ハイ、左ミドル、コーミエーはアッパーから組んで両差し、テイクダウンを取れず組み合いが続く。ジョーンズがケージにコーミエーを押し込む。頭を付けて殴り合う両者。コーミエーがアッパー、ジョーンズはダブルレッグでテイクダウンを狙う。オーバーフック&ケージを背にして耐えるコーミエー。観客は非情にも両者にブーイングを送る。

ジョーンズが押し込んだ状態からバックへ。コーミエーが胸を合わせる。ジョーンズの左エルボーを避けたコーミエーが、ジョーンズにヒザをつかせる。すぐに戻したジョーンズは、ケージに押し込まれながらヒザをボディへ。残り65秒、シングルでコーミエーがジョーンズをケージに押し込む。チャンピオンはエルボーを落すも、ついに大きなリフトからテイクダウンを奪う。

すぐに起き上がったジョーンズが逆にコーミエーをケージに押し込んで、スピニングバックエルボー。これは空振りになり、コーミエーがシングルで組みつく。試合終了前に両手を広げたジョーンズ。コーミエーは試合終了と勘違いしたのか、クラッチを外す。そこにパンチを入れたジョーンズ。コーミエーは怒りの表情でパンチを返すと、ここでタイムアップに。一進一退の攻防だが、意地のシングルで背中をつかせたコーミエーが最終回を取ったか。

果たしてジャッジの裁定は、3者とも49-46でジョン・ジョーンズに。勝利の雄叫びを挙げたジョーンズ。つまりコーミエーが取ったラウンドは2Rのみということだろうか。コーミエーも決定的なシーンはなかったが、初回がテイクダウンでジョーンズなら、最終回はコーミエーについておかしくない。勢いのあるように映るファイターがポイントを得る裁定では、リーチに勝るジョーンズは常にアドバンテージを握っているわけだ。いずれにせよ、ジョーンズはテイクダウンディフェンスの強さを見せたことで、この大一番に勝利した。

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