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【Shooto】2019年中に伝えたかった声──沖縄編─05=旭那拳「格闘技は優しさを持ったうえで潰し合う」

Ken Asahina【写真】プロ修斗戦績は5勝2敗。東京では1勝1敗、今年は2年振りに首都圏での試合が実現するか?!(C)MMAPLANET

現在発売中のFight &Life Vol.76では沖縄紀行として、現地のMMAと柔術の現状&将来を語った──砂辺光久と松根良太の対談記事が掲載されている。

Fight-Life同紀行の執筆にあたり修斗、パンクラス、DEEP、GLADIATORで活躍する沖縄在住のMMA選手、そして柔術家の声を多く拾ったが、ページ数には限りがあり記事内ではキャプションでしか伝えられなかった。MMAPLANETでは、そんな沖縄在住の選手たちの声を書き記していきたい。

題して──2019年中に伝えたかった声──沖縄編。その第5弾は旭川から岐阜を経て、沖縄にやってきた旭那拳の声を紹介する。

プロになるつもりのなかった彼は、松根との出会いで格闘技の見方自体が変わったという。


──旭那選手はプロフィールによると沖縄出身ではないですよね。

「ハイ。北海道の旭川出身で、岐阜を経て7年前に沖縄にやってきました。パラエストラ沖縄が出来て1年後ですね。もともと岐阜でトレーニングをして、試合も出ていたのですが、知り合いを通して松根さんを紹介してもらい、こっちに来ることになりました。

沖縄大会では石原慎之介を1R 3分49秒RNCで下した

沖縄大会では石原慎之介を1R 3分49秒RNCで下した

プロの選手になるつもりとかなかったのですが、どんどん好きになったんです。格闘技を一からやり始めた。松根さんのおかげで格闘技に対する考え方自体が変わりました」

──おぉ。それはどういう風に、でしょうか。

「それまで格闘技って潰し合いだと思っていたんです。でも練習をしているメンバーは真っ当な人たちばかりで。皆、優しさを持ったうえで潰し合っている。喧嘩とは違うんだって、沖縄に来てすぐに気づきました。

色々な人にお世話になってきましたし、昨日のように試合で勝つ姿を見てもらえると、成長できたかなって自分でも少し思えて嬉しかったです」

──2017年のプロ修斗新人王ですから、プロになるまで5年ほどの年月を経ていますね

「さきほども言いましたが、プロになるつもりもなかったので、2年ほどは普通の一般練習しかしていなかったです。それでも『練習している以上、試合にもでてみたらどうだ?』と松根さんに言っていただき、グラップリングからアマ修斗へと段階を踏んで出るようになりました」

──岐阜にいるころは、体重差など気にせず試合に出ていたとも伺いました(笑)。

「あの頃はやるしかないっていう気持ちでやっていたようなもので(苦笑)。決して、そういう試合をしていたからといって、今でいう朝倉兄弟のような感じではなかったです。今は全く違う気持ちでやっていますね。THEパラエストラ沖縄では、ここ那覇とコザの両方で指導をさせてもらっていますし」

──これからプロMMAファイターとして、どのようなキャリアを積んでいきたいと考えていますか。

「僕は修斗で戦っていますが、どうしても東京の選手より試合期間は少なくなってしまいます。だから、与えられたチャンスをしっかりとモノにして、東京以外での大会でも勝利を積み重ね……やっぱり東京で試合がしたいと思っています。

修斗の天辺を獲りたいです。正直、始めたころは修斗以外も目に入っていましたが、今は修斗に集中しています。海外とか目標を大きく持つことも大切ですが、現時点では修斗一本でやっていこうと考えています」

──試合機会を求めるのであれば、パラエストラ沖縄の成り立ちを考えると千葉ネットワークの方に籍を置くこともありではないかと思えるのですが。

「僕は松根さんの下で、やっていきたいんです。でも、松根さん自身が『千葉を手本にしろよ』って言われているので、千葉ネットでは出稽古もさせてもらっています。2020年も行こうと考えています」

──なるほど。勝利後には病気と戦うお母様へのメッセージを送られていました。

Mike「そこも自分の力に変えて、しっかりと結果を残したいです。

今、母は豊田にいるのですが、昨日の試合は動画配信があったので視聴してもらえたのがありがたかったです。母もホッとしていたようです(笑)」

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