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【Grachan42&Gladiator011】GRANDフライ級王座戴冠、松場貴志「セコンドはつかないと、久米さんに…」

Takashi Matsuba【写真】次回は久米選手か加藤選手に付き添ってもらって、インタビューをしたいと考えています(C)MMAPLANET

昨年12月22日(日)に東京都大田区の大田区産業プラザPIOで開催されたGRACHAN42 X GLADIATOR11で、Grachanフライ級チャンピオン松場貴志が、Gladiatorフライ級王者NavEを下し、初代GRANDフライ級のベルトを巻いた

今回、テイクダウンからコントロールという試合ではなく、打撃中心に攻めた松場。国内フライ級で2冠を手にした彼に、これからを尋ねると──摩訶不思議、松場カオス・ワールドがまたまた展開された。


──計量や会見では、真面目キャラでいくような姿勢を見せていましたが……。

「アハッハァ。いや、もうネタ切れで。でも入場までの振りなんで」

──振りだったのですが……。あまり伝わらなかったですね(苦笑)。ところで1年以上試合がなかったのですが、体が大きくなっているように見えました。

「オオ!! 今回はリカバリーを結構しました」

──そして1Rに組んでいった以外は、ほとんど打撃で攻めていました。

「ハイ、アレもテイクダウンを狙ったわけじゃないです。あんまり言いたくはないのですが、打撃に活かすためのテイクダウン狙いでした。初めて作戦立てて試合をして、上手いこといきました。やっぱり作戦は立てた方が良いですね。アハッハァ」

──それでも時折り、イラッとしている場面も感じられたのですが。

「イライラしていましたね。ちょっと……そこは、理由は言えないですけど、イライラしていたのは事実です」

──それもあって、打撃も粗くなる場面もあったのでしょうか。

Matsuba「あぁ、そこは関係ないかと思いますが、打撃が粗くなっているというのは、試合後に久米さんにも注意されました。

『練習でできていることが、やれていない』って。なんで、あんな風になってしまうのか……チャンスだと思うと、オープンブロウになってしまってダメでした。

ただNavE選手が露骨に打撃を嫌がっていたので、そこは攻めやすかったです。あの状態からパンチがでてきても僕の方は怖くないですし。でも、もっとできるとチームメイトも言ってくれるので、もっとやらないといけないですね」

──そういえば、久米(鷹介)選手はセコンドには就いていませんでしたね。松場選手のコーナーは久米選手、そして加藤(久輝)選手の印象が強いですが。

「加藤さんはK-1の試合があるので(※12月28日にK-1名古屋大会でK-JeeからKO勝ち)。久米さんは……実は『お前は今回、ちゃんと練習していない。だからセコンドには就かない』という風に試合前に言われてしまいまして……」

──えぇ、あの久米選手が!! いやぁ、MMAPLANETでは半分冗談で温厚な久米選手を怒らせるのは松場選手と〇〇だけだっていうことを書いてきたのですが、本当に怒らせてしまったのですね。

「ハイ……。それでも久米さんは、今日になって新幹線で来てくれて……客席から指示を送ってくれていたんです。試合が終わったら反省すべき点を指摘して、名古屋に戻られて……」

──久米選手、どこまで良い人ですか!!

「そうなんです。だから、久米さんに怒られないように僕も一生懸命やらないとダメだと改めて思っています。アハッハァ」

──なぜ、そこで笑うのか……。

「あっ、スミマセン」

──……。試合後には改めてカナダのTKOや海外への挑戦を口にしました。

「ハイ。TKOもそうだし、なんか他にも声を掛けてもらっているようなので」

──NavE選手はパンクラスでも戦っていますが、修斗、DEEP、パンクラスで戦うということは?

「う~ん、日本人同士でそういうことをしても……」

──実際、ONEやRIZINで戦っていないフライ級チャンピオンだとパンクラスの翔兵選手ですが。

「あぁ、強いですねぇ。う~ん」

──今はRIZINのバンタム級で戦っている修斗フライ級チャンピオンの扇久保選手に勝ちたいとか。松場選手はそういう風に思うことはないのでしょうか。

「ないです。勝てないです。アハッハァ。なんか日本人同士でベルトを獲り合うのも……皆で幸せになりたいですよねぇ」

──おいしく海外で戦おうという魂胆が丸見えですが(笑)。

「アハッハァ。一つしかない席を取り合うのは……ダメですよ、日本人同士は。同じ人種で争うことは……肌の色も、目の色も同じなのに」

──そういうものじゃないですか、チャンピオンシップは。

「ふ~ん。だったら、海外でやって他のところのベルトを獲る方が良くないですか。まぁ、翔兵選手や扇久保選手と戦っても、ワンチャンで僕が勝てるかもしれないし。アハッハァ」

──殺意がわいてきました。

「アハッハァ。今、試合が終わったばかりで調子に乗っているんです。アハッハァ」

──それだけ、今日の試合は殻を破り練習での強さが出始めたようにも感じました。

「練習では強いらしいですね。アハッハァ」

──……。久米選手が見放しそうになるのが分かります。

「いやぁ、久米さんに言われたことは分かります。TKOの試合が決まっては流れ、決まっては流れで僕もちょっと嫌気がさしてしまって、道場に行かない時とかあったんです」

──そこに関しては、松場選手がそうなるのも理解できます。

「今回の試合もスイッチがなかなか入らなくて……」

──分かりますけど、それこそ久米選手の背中を見ていると学べることが多いのではないですか。チャンピオンであるが故にキャリアの進め方にえらく影響が出てしまっている……。

「ホント、そうですね。ホント、そうです。僕は久米さんが居てくれないと、不安で不安で」

──その久米選手にダメ出しされたところを修正し、とにかく次を期待しています。

「本音をいえばTKOでないところ……で。契約は1年で、1試合もないのにまだ契約があるとか言ってきて。なんなんだよって」

──凄く怒っていますね。

「いやぁ、本当にそこは言いたいですよ。27歳、旬の時期を1年潰されて……ホントに」

──怒りの二冠王。そのぶつけどころか、どこになるのか朗報を期待しています。

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