【UFN164】「体調不良でもブラジルのために戦った」という判定負けのジャカレにブーイング!!
<ライトヘビー級/5分5R>
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
Def.2-1: 48-47.48-47.47-48
ホナウド・ジャカレ・ソウザ(ブラジル)
頭を振るジャカレに対し、右ローと左ハイを放ったブラボヴィッチ。ジャカレはローを見せてからダブルレッグへ。ケージにブラボヴィッチを押し込んだジャカレは右腕を差し、大内を狙う。ケージを背負われているため、足技が使えないジャカレは細かいヒザ蹴りへ。回って離れたブラボヴィッチ、既に初回の半分が過ぎている。ブラボヴィッチはスイッチを見せ、すぐにオーソに戻ると右ローを蹴る。慎重な両者、ブラボヴィッチが左ハイ、パンチを振るいながらジャカレが組みつく。ケージ際のクリンチの攻防はラウンド終了まで続いた。
2R、右アッパーを振るうブラボヴィッチにジャカレは右フックを当てる。ブラボヴィッチは左ジャブを当て、右ストレートもヒット。ジャカレは勢いのある右ローを蹴り、ブラボヴィッチが右ローを返す。ジャカレの右ローにワンツーを当てたブラボヴィッチは、ダブルレッグでケージに押し込まれる。胸を合わせ、差しの攻防が続くなか、初回と同じようにケージを背にしたブラボヴィッチがヒザを放つ。ボディを殴るジャカレに対し、回して離れたブラボヴィッチが左ミドルを蹴る。ローを蹴ったジャカレは、カウンターの右フックを狙うが、クリーンにブラボヴィッチを捕えることはできない。それでもローに続き右を当てたジャカレが、この回を取ったか。
3R、慎重な姿勢を崩さない両者。ブラボヴィッチは左ジャブ、右ローで試合を組み立てる。ジャカレはここも右を振るってクリンチへ。ついに場内にブーイングが起こる。1分以上が経過してブラボヴィッチが離れ、試合はオクタゴン中央へ。ローを蹴り合い、ブラボヴィッチは左ジャブ、右狙いのジャカレはパンチに続き組んでいく。初めて押し返したブラボヴィッチがボディを打って離れると、30秒間で攻撃はジャカレの右ローのみ。最後の10秒ではパンチの交換が見られたが、あまりにも手数の少ない状態が続いた。
4R、ブラボヴィッチが右ロー、左ジャブ、そして左ハイを繰り出す。ジャカレはジャブに前蹴りを見せるが、やはり圧倒的に手数がない。近い距離でパンチを繰り出すと、ジャカレが組みつくという流れは変わらず、押し込まれたブラボヴィッチがヒザを使うのも変わりない。
やがてアクションを求めてか、ファンが携帯のライトをつけて左右に振るという状況。この間も試合に殆ど動きはなく、残り90秒になりブラボヴィッチが左ミドルを放つ。左右のロー、左ジャブを繰り出すブラボヴィッチ。ローが急所に入ったとアピールしたジャカレ。皮肉なことに彼が終盤に見せた唯一のアクションがこのアピールだった。
インターバル中もブーイングが鳴りやまなかった場内、最終回を迎えブラボヴィッチがスイッチし奥足からローを蹴る。ジャカレもサウスポーに構え、パンチを振るいながらテイクアウンへ。ブラボヴィッチはかなり深く、右腕を差し込まれるがケージを背にして耐える。離れつつ振ったブラボヴィッチ、ジャカレはバランスを崩してヒザをつく。そこにパンチを纏めたブラボヴィッチに対し、ジャカレは打撃がなく組んで押し込む行為を繰り返す。ここまでテイクダウンはゼロ、打撃のヒット数はブラボヴィッチが上回る。
残り2分50秒でレフェリーが両者を分けるが、両者のリズムは変わらない。特にジャカレはどうした思うほど、攻撃を見せない。ヒザを尽きながらテイクダウンを狙ったジャカレにアッパーを入れたブラボヴィッチは、立ち上がり際にもパンチを纏める。ジャカレはバランスを崩して尻もちをつき、すぐにスタンドに戻る。それでも動かないジャカレ。ブラボヴィッチはロー、左ハイを繰り出す。ジャカレは左に回り、タイムアップに。
それでも両手を高々と掲げたジャカレ、ブラボヴィッチも呼応するが全くの期待はずれ、特にジャカレは負傷でもしているのか、何も見せないで25分が終わった形だ。
スプリット判定勝ちしたブラボヴィッチは「勝ったと思った。でも戦った気がしない。ジャカレが距離を取って戦えなかった。でも勝ちは勝ちだ。誰かトップと戦い。あと2年で引退するだろうから、ジョン・ジョーンズに挑戦したい」と話した。
一方のジャカレは「いつもタフで、接近戦で僕は勝てたことがない。20日前に風邪をひき、10日前にはキャンセルも考えた。でもブラジルのために戦った」と話しても、ファンはブーイングを送った。