【UFN164】ライトヘビー級に階級を上げたジャカレがポーランドの黒帯柔術家ブラボヴィッチに挑む
【写真】KOパワーを秘めた組むための打撃戦、疲れないでテイクダウンへ持ち込むことができるのはどちらか (C)Zuffa LLC/UFC
16日(土・現地時間)、ブラジルはサンパウロのジナーシオ・ド・イブラプエラでUFN164:UFN on ESPN+22「Blacowicz vs Jacare」が開催される。
シンガポール→ニューヨーク→モスクワから、サンパウロへ。まさに世界中を巡るUFCサーキット、今大会のメインはホナウド・ジャカレ・ソウザ✖ヤン・ブラボヴィッチのライトヘビー級戦だ。
4月にジャック・ヘルマンソンにまさかの敗北を喫したジャカレが、ライトヘビー級に階級を上げて母国で再起戦に挑む。対戦相手のブラボヴィッチは、今や欧州一安定度のあるMMAプロモーションといっても過言でないポーランドのKSWの創成期の重鎮だ。旗揚げ戦のライトヘビー級ワンデートーナメントで優勝して以来、3度の同級Tウィナーとなり、ティエリー・ソクジュと王座決定戦に敗れたもの、再戦で勝利して王座戴冠。
KSWの牽引してきたブラボヴィッチは2014年にUFCと契約を交わすと、序盤の6試合の戦績は2勝4敗と苦戦を強いられたが、2017年10月のデビン・クラーク戦からジャレッド・キャノニア、ジミ・マヌワ、ニキータ・クリロフと4連勝を飾り、タイトル挑戦も見えてきた。しかし、今年の2月にチアゴ・マヘタにTKO負けを喫し、コンテンダー争いで一歩後退。それでも7月にはルーク・ホールドをKOし、最近の6試合で5勝1敗かつボーナスを4度獲得している。
ブラボヴィッチの強さは、ソリッドな打撃とトップを取った時の安定した抑えにある。特にニキータ・クリロフを破ったモディファイド・アームトライアングルは、彼の密着度の高さを表すかのような──バックとマウントの間でポジションで極めた一本だった。東欧の格闘技大国ポーランドはブラジリアン柔術の普及もスカンジナビアと並ぶヨーロッパ随一だ。ブラボヴィッチも同国の黒帯柔術家としてオクタゴンで結果を残してきた。
とはいっても柔術の技量でいえば、ジャカレはそれこそ殿上人クラスにある。ライトヘビー級での戦いといっても、柔術であのホジャー・グレイシーと無差別級の頂点を争ってきただけに、寝技になってしまえば体格差を越えた技術をジャカレは有している。ただし、スタンドの打撃、テイクダウン等の攻防で疲弊してしまうと、グラウンドに持ち込んでも技術で体力の壁を壊すことは困難になる。
立ち技でもスピードはジャカレだが、ブラボヴィッチが距離を取り、懐に入らせないファイト及びクリンチ主体の押し込みを軸に戦われると、体力を大きく削られることが予想される。ジャカレとしては、堅い打撃をさせずアグレッシブに攻め、ブラボヴィッチを攻める気にさせることが重要だ。ブラボヴィッチは前に出る打撃の際、体が伸びてガードががら空きになるきらいがある。
もちろんジャカレが打撃を入れるチャンスになるが、同時に前のめりの姿勢に乗じてテイクダウンを決める最大の機会にもなる。5Rの長丁場、序盤の打撃戦でイニシアチブをとることができれば、ジャカレの柔術がブラボヴィッチの柔術を封じ込めることができるに違いないが果たして……。
■ UFN164対戦カード
<ライトヘビー級/5分5R>
ヤン・ブラボヴィッチ(ポーランド)
ホナウド・ジャカレ・ソウザ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
マウリシオ・ショーグン(ブラジル)
ポール・クレイグ(英国)
<ライト級/5分3R>
シャーウス・オリヴェイラ(ブラジル)
ジャレッド・ゴードン(米国)
<ミドル級/5分3R>
アントニオ・アローヨ(ブラジル)
アンドレ・ムニツ(ブラジル)
<ミドル級/5分3R>
マルクス・ペレス(ブラジル)
ウェリントン・トゥルマン(ブラジル)
<ウェルター級/5分3R>
セルジオ・モラエス(ブラジル)
ジェイムス・クラウス(米国)
<フェザー級/5分3R>
ヒカルド・ラモス(ブラジル)
ルイス・エドゥアルド・ガラゴヒ(ブラジル)
<ライト級/5分3R>
フランシスコ・トリナルド(ブラジル)
ボビー・グリーン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
ヴァルリー・アウベス(ブラジル)
ランディ・ブラウン(ジャマイカ)
<フェザー級/5分3R>
ヘナン・バラォン(ブラジル)
ドゥグラス・アンドレージ(ブラジル)
<女子フライ級/5分3R>
アリアニ・リスプキ(ブラジル)
ヴェロニカ・マセド(ベネズエラ)
<女子バンタム級/5分3R>
トレイシー・コーテズ(米国)
ヴァナッサ・メーロ(ブラジル)