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【Bellator Japan】スコット・コーカーに訊く、日本。「日本の人々がグレーテストと呼ばれる選手を育てた」

Scott Corker【写真】ニッサンとルノーの会見に出席していてもおかしくないぐらい、貫禄がついてきたスコット・コーカー。一つ一つの言葉も、早口だが重い (C) MMAPLANET

9日(水)の東京都目黒区のホテル雅叙園において12月29日(日)&31日(火)の両日、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されるBellator Japan及びRIZIN20の記者会見が行われた。

同会見のために来日したスコット・コーカーに、12月29日の日本大会への思い入れ、RIZINとこれからの交流などついて尋ねた。


──今週末にイタリアで大会があるので、このタイミングでの来日には驚かされました。

「金曜日に日本を発って、ミラノ大会に直行するよ(笑)。本来は昨日、ミラノに到着している予定だったんだ。でも、その前の4、5日間、ずっとサカキバラさんと話し合いを続けていて、ヒョードルとランペイジはファイトキャンプに入るから、会見をするなら今週しかないってことになったんだよ。

だから、シンゴ(柏木信吾RIZIN渉外&マッチメイク担当)に『行くなら今だ』って伝えてね(笑)。このタイミングしかないのでイタリアに入るのをイベント直前にして、日本にやってきたわけだよ。向こうでも大会後にいくつもミーティングが入っていて、月曜日には25日の金曜日にコネチカットのモヒガンサンで行われる大会のために米国に戻る予定だ」

──ローリー・マクドナルド✖ドゥグラス・リマのウェルター級ワールドGP決勝ですね。

「その通りだ。100万ドルが掛ったファイトだよ。フゥ(笑)、とても忙しいね」

──ストライクフォース時代とは違うと。

「ストライクフォースは楽だったよ(笑)。今、ベラトールは頑張り時だからね。それだけ遣り甲斐もある。そして、ベラトールにとって日本はとても大切な場所なんだ。1999年から私はK-1、PRIDEをこの国で見てきた。他の人間に、そんな経験はない。だからヒョードルが残り3試合で引退するとなったなら、我々は日本に行かなければならないと強く思った。

日本が全ての始まりだ。日本の人々が今、グレーテストと呼ばれるファイターを育てた。だからこそ、ベラトールは日本で大会を開く必要があったんだよ。

ホントに私のスタッフはヒョードル✖ランペイジを来年の1月25日、LAイングルウッド大会に組み込みたかがっていたんだよ(笑)。ランペイジのホームはLAだからね。彼らを懸命になって納得させたよ。このイベントがいかにスペシャルなのかを説いてね」

──スコット、有難い言葉の数々です。今やベラトール、バイアコムのビジネスを考えてないといけない立場ですが、個人的に日本進出に関してはどのような思い入れを持っていますか。

「ベラトールの日本大会は、私の夢だ。日本で何が行われていたのか、人々は忘れてはならない。多くの人が知らないかもしれないが、私は知っている。MMAに関わる人間の多くが、その事実を分かっていないからこそ、私は日本の歴史を人々に知らしめるためにヒョードル✖ランペイジをさいたまスーパーアリーナで組むんだよ。

そして、2人の試合には1R終了の合図は必要ない。それにホリグチ✖コールドウェルというチャンピオン同士の対決、米国のMMAにない文化を取り入れることもできた。ベスト✖ベスト、それは日本でずっと行われてきたことなんだ。日本というマーシャルアーツ文化の備わった国に感謝している。12月29日のショーは、私にとって特別なモノになるだろう。

それはヒョードルにとっても同じことだ。まずは日本のラストマッチを行う。そして、残り2試合。1試合はロシア、モスクワになるだろう。それがこれからの24カ月から、30カ月に掛けて執り行っていく流れだよ」

──30カ月ですか!! それだけの長期計画を立てることができるのですね。

「特別だからね。ヒョードルの引退は」

──なるほど!! まだ詳細は詰められていない12月29日の大会ですが、メインカードが5試合、そしてプレリミが5試合組まれるという発言もありました。ベラトールではローカルファイターを多く登用しますが、さいたまでも同じフォーマットを用いる予定ですか。

「その通りだね。新しい都市に進出するときは、ローカルのニュータレントにチャンスを与えるのが我々のやり方だからね。そしてRIZIN✖Bellatorのマッチアップが3試合ある。ビッグネームの登用に期待してくれて良いよ。ただ若い選手を日本に連れてきて、ベラトール代表だなんていうことはない。

ヤングスター、旬のファイター、そして経験豊かな選手たちを29日、そして31日に投入する。31日に関しては、サカキバラさんに聞いてほしい(笑)。彼が何人のベラトールの選手を必要とするか。そこもこれから話し合っていくよ」

──ところで今週末のRIZINライト級トーナメント一回戦に、パトリッキー・フレイレが参戦します。

「凄く楽しみだよ。パトリッキーは米国で成功を収めた。日本という違った環境……リングでどのような戦いをやってのけるのか。私はそんな風にベラトールの選手が、他のイベントで戦うことは全く気にしない。逆に経験すべきことだと考えている」

──コールドウェルが堀口選手に2連敗を喫しました。ベラトールの名に懸けてパトリッキーに勝ち進んでもらう必要があるのではないですか。

「フフフフ。コールドウェルはMSGの試合では勝っていた。私はそう思っているけどね。もちろん、私の選手には負けて欲しくない。でも、それが勝負だ。それにね、キング・モーがRIZINの最初のトーナメントで優勝していることを忘れてもらっては困る(笑)。いずれにしても3✖3の対抗戦では本当にタフなファイターを日本に送りこむから、楽しみにしてほしい。

そのうえで勝者と敗者が生まれるのが、マーシャルアーツの在り方だ。互いにチャレンジしあった結果として、勝ち負けが存在する。勝っても負けても、彼らは戦いの場に挑んでいるんだよ。敗北を恐れてはいけないし、気にし過ぎてもいけない。敗北も勝利も挑戦した結果だからね」

──RIZINのリングから、ベラトールで戦わせたいファイターは見つかりましたか。

「ホリグチは当然だよね。他の日本人選手に関しては、RIZINからリストが届くのを待っている」

──ところでフェザー級とライト級のチャンプ・チャンプのパトリシオ・フレイレがフェザー級GPに出場しています。あっ、あの抽選会は最高でしたね。

「あれはK-1をお手本にしたんだ。K-1は大会の次の日、フジTVでドローイングを行っていた。アレを米国風にアレンジして観客の前で行い、チャンピオンに一番大きな権限を与えた。喜んでもらえたなら、良かったよ(笑)」

──アレは人に見てもらえる抽選会でした。ただ、パトリシオがあのトーナメントに出場すると、ライト級が停滞することになりませんか。

「パトリシオにはトーナメントと並行して、ライト級王座の防衛戦も行ってもらうつもりだ。ライト級にはマイケル・チャンドラー、ベンソン・ヘンダーソン、ゴイチ・ヤマウチという優れたファイターが揃っているからね」

──なんと過酷な1年になるのでしょうか……。

「パトリシオは年に5回は戦いたいと言っているよ。もちろん、ケガをすれば無理だ。ダメージがあるかないか、彼の意思を尊重してライト級タイトルの方は考えていくよ」

──スコット、今日は慌ただしいなか取材を受けていただきありがとうございました。

「こちらこそ、12月29日を楽しみにしてほしい。そして、改めてRIZINとサカキバラさんへの感謝の言葉をインタビューを通して伝えてほしい」

■ Bellator ES05対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
メルヴィン・マフーフ(オランダ)
ヤニック・バハディ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ステファオ・パテルノ(イタリア)
アシュリー・リース(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ダニエル・キャッセル(英国)
ニコロ・ソッリ(イタリア)

<ライトヘビー級/5分3R>
アレッシオ・サカラ(イタリア)
キャナン・グリスピー(米国)

■ Bellator 230対戦カード

<ライトヘビー級/5分3R>
ハファエル・カルバーリョ(ブラジル)
ワジム・ネムコフ(ロシア)

<ヘビー級/5分3R>
ドミンゴス・バホス(ポルトガル)
キリル・シデルニコフ(ロシア)

<243ポンド契約/5分3R>
ヘスティ・カラケス(オランダ)
ドロゴス・ズブコ(モルドバ)

<ウェルター級/5分3R>
ウォルタル・プリエジ(イタリア)
アンドレ・フージ(ポルトガル)

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